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浅はかと大人②
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広い会場には既に賑わっていた。
年齢層は当然私より高い。
う、これ、完全にレオナルド・キーファーは保護者だよ。私、引率されてますよ。
きらびやかな会場で、私は気後れしてしまう。お昼間に行われるお茶会だけど、やはり天下のウーヴァ公爵令嬢、アンジェリカ様のお店の懇親会。
皆さん、上品な感じな人が多い。
あ、テヘロン人がいる。あの人達がアンジーでデビューしたデザイナーさんかな?
「ウィンティア嬢、まずは姉上に挨拶です」
小さな声で教えてくれる。
あ、アンジェリカ様が色んな人から挨拶を受けている。まずはお茶会の主催者にご挨拶するのがルールね。そしてこういった大きなお茶会で、長々と主催者を繋いでおいてはいけない。
分かっているが、何せこんな場所初めてなので、レオナルド・キーファーに引き連れてもらう。
タイミングを見てから、アンジェリカ様もこちらに向いてくれた。わぁ、素敵なワンピース。スカートの裾部分の刺繍キラキラ、あ、ビーズを縫い付けているんだ。手袋なんて、凝った感が凄い。
「ようこそいらっしゃいました」
「本日はお招きいただきありがとうございます」
アンジェリカ様とレオナルド・キーファーがご挨拶。私も習ってご挨拶する。
長々とご挨拶で時間を取れない。
「どうか楽しんでください」
「ありがとうございます」
びしばしされたカーテシーでお辞儀。
そこでレオナルド・キーファーに引率されて離れる。後は自由行動、ではない。アンジェリカ様の全体挨拶が行われるまで、時間を繋がないといけない。
アサーヴ殿下とスティースュルラ様は、おそらく最後の方にいらっしゃるはず。堂々と挨拶出来ない。向こうは王族だからね。向こうがお声かけてくれなければ、返答はダメ、黙礼だけね。
「ウィンティア嬢、何か飲まれます?」
「いえ、大丈夫です」
慣れない空気で緊張して溢しそうだし。
でもなあ、あのお菓子ちょっと貰えないかな? ナタリア達にお土産にしたいけど。
「どうしました?」
「いえ、こういった場所は初めてで」
レオナルド・キーファーが気遣いを見せてくれる。悪い人ではないんだろうね。だけど、周りは優しいお兄ちゃんが、妹を気遣ってます、と言った図だ。
「あれ? キーファーじゃないか」
呼び掛けられて振り返ると、二十歳くらいの男女が。
「久しぶりだなっ、元気してたかっ」
男性の方が気さくに声をかけてくる。
年齢的に、ユミル学園の同級生とかかな?
男性は気さくだけど、女性の方は私をじろじろと嫌な目で見てくる。なんだろ?
「ああ、久しぶりだな」
レオナルド・キーファーも無難に答えている。
然り気無く、私を庇うように立つ。
「あれ? お前妹いたっけ?」
庇うように立ってくれたが、男性はやはり私を見逃す事はなく、覗き込むように見てきた。なんだか、見せ物みたいになった気分。あんまりいい気ではないが。
「あまりじろじろ見ないでくれるか」
思わず顎を引いていた私を、レオナルド・キーファーが完全に視界を遮るように立った。
年齢層は当然私より高い。
う、これ、完全にレオナルド・キーファーは保護者だよ。私、引率されてますよ。
きらびやかな会場で、私は気後れしてしまう。お昼間に行われるお茶会だけど、やはり天下のウーヴァ公爵令嬢、アンジェリカ様のお店の懇親会。
皆さん、上品な感じな人が多い。
あ、テヘロン人がいる。あの人達がアンジーでデビューしたデザイナーさんかな?
「ウィンティア嬢、まずは姉上に挨拶です」
小さな声で教えてくれる。
あ、アンジェリカ様が色んな人から挨拶を受けている。まずはお茶会の主催者にご挨拶するのがルールね。そしてこういった大きなお茶会で、長々と主催者を繋いでおいてはいけない。
分かっているが、何せこんな場所初めてなので、レオナルド・キーファーに引き連れてもらう。
タイミングを見てから、アンジェリカ様もこちらに向いてくれた。わぁ、素敵なワンピース。スカートの裾部分の刺繍キラキラ、あ、ビーズを縫い付けているんだ。手袋なんて、凝った感が凄い。
「ようこそいらっしゃいました」
「本日はお招きいただきありがとうございます」
アンジェリカ様とレオナルド・キーファーがご挨拶。私も習ってご挨拶する。
長々とご挨拶で時間を取れない。
「どうか楽しんでください」
「ありがとうございます」
びしばしされたカーテシーでお辞儀。
そこでレオナルド・キーファーに引率されて離れる。後は自由行動、ではない。アンジェリカ様の全体挨拶が行われるまで、時間を繋がないといけない。
アサーヴ殿下とスティースュルラ様は、おそらく最後の方にいらっしゃるはず。堂々と挨拶出来ない。向こうは王族だからね。向こうがお声かけてくれなければ、返答はダメ、黙礼だけね。
「ウィンティア嬢、何か飲まれます?」
「いえ、大丈夫です」
慣れない空気で緊張して溢しそうだし。
でもなあ、あのお菓子ちょっと貰えないかな? ナタリア達にお土産にしたいけど。
「どうしました?」
「いえ、こういった場所は初めてで」
レオナルド・キーファーが気遣いを見せてくれる。悪い人ではないんだろうね。だけど、周りは優しいお兄ちゃんが、妹を気遣ってます、と言った図だ。
「あれ? キーファーじゃないか」
呼び掛けられて振り返ると、二十歳くらいの男女が。
「久しぶりだなっ、元気してたかっ」
男性の方が気さくに声をかけてくる。
年齢的に、ユミル学園の同級生とかかな?
男性は気さくだけど、女性の方は私をじろじろと嫌な目で見てくる。なんだろ?
「ああ、久しぶりだな」
レオナルド・キーファーも無難に答えている。
然り気無く、私を庇うように立つ。
「あれ? お前妹いたっけ?」
庇うように立ってくれたが、男性はやはり私を見逃す事はなく、覗き込むように見てきた。なんだか、見せ物みたいになった気分。あんまりいい気ではないが。
「あまりじろじろ見ないでくれるか」
思わず顎を引いていた私を、レオナルド・キーファーが完全に視界を遮るように立った。
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