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浅はかと大人③
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「え? お前どうした?」
男性はきょとんとしているが次の瞬間、新しいおもちゃでも見つけたような顔になる。
「へー、あの真面目なお前がなー」
ニヤニヤ笑い、レオナルド・キーファーの後ろにいる私を見ようとする。なんだか、嫌だな。
でもなあ、この人、レオナルド・キーファーに比べたら子供っぽいと言うか。レオナルド・キーファーが年齢の割に落ち着いているだけなのか。比べて申し訳ないがそう感じてしまう。あまり、好きじゃない。向こうにしたら、ちょっとからかってるつもりなんだろうが、こんな人目がある場所は、嫌だな。
「行きましょう」
と、レオナルド・キーファーが私の手を取る。
「おいおい、名前くらい聞いてもいいだろう?」
「ならまず、そちらが名乗るのが礼儀では?」
このような場で、知り合いから、つまりレオナルド・キーファーが連れてる私、特に女性の名前を聞きたい場合は、まずレオナルド・キーファーを介して名乗るのがルール。
「相変わらず真面目だなぁ」
と、つまらないと言った顔になる男性。
この場合はレオナルド・キーファーが正しい。
「名乗る気がないのなら失礼する」
と、にべもなくレオナルド・キーファーは断り、私を連れて移動する。
「いいんですか? 知り合いでは?」
私はちょっと心配になり小声で聞く。
「構いません。こういった場所で正式に名乗りもせず、貴女を詮索するような輩に、気をかけてはダメですよ」
多分、この人の言うことが正しいのだろう。
この場はこの人に従おう。
会場は広く様々な人がいるので、緩やかな人の波にのりうろうろする。
ざわっ、と会場が華やいだ雰囲気に。
あっ、アサーヴ殿下とスティースュルラ様だ。わあ、華やかだなあ。スティースュルラ様は白地にピンクや緑、黄色の花が刺繍されたサリーとワンピースの合の子みたいな服だ。おきれいだから、とっても素敵。護衛かな? ソードさん、そしてあの大変お世話になった侍女さん、もう一人若い男性が着いている。
おそらく最後の来場者のはず。アサーヴ殿下達とアンジェリカ様のご挨拶の後、懇親会全体挨拶に移るはず。
「キーファー」
アンジェリカ様の素晴らしいカーテシーを眺めていると、声をかけられる。レオナルド・キーファーがね。
そこには二十代半ばの男性と、先ほど私を見ようとした男性と複数の男性が。
「かわいい女の子なんか連れてどうした? 堅物なお前がさ」
わぁ、言い方が嫌だな。
さ、とレオナルド・キーファーが私を庇うように立つ。
「例の『ミルクティーの君』か? で、どこの家の子だ?」
本当に言い方が嫌だな。
こちらをバカに、違う、レオナルド・キーファーをバカしたように言う。言い方なんだろうが、嫌な言い方。もっとこう親しみやすさが感じられたらいいだろうが、全くない。
「そちらが先に名乗るのが筋です」
男性はきょとんとしているが次の瞬間、新しいおもちゃでも見つけたような顔になる。
「へー、あの真面目なお前がなー」
ニヤニヤ笑い、レオナルド・キーファーの後ろにいる私を見ようとする。なんだか、嫌だな。
でもなあ、この人、レオナルド・キーファーに比べたら子供っぽいと言うか。レオナルド・キーファーが年齢の割に落ち着いているだけなのか。比べて申し訳ないがそう感じてしまう。あまり、好きじゃない。向こうにしたら、ちょっとからかってるつもりなんだろうが、こんな人目がある場所は、嫌だな。
「行きましょう」
と、レオナルド・キーファーが私の手を取る。
「おいおい、名前くらい聞いてもいいだろう?」
「ならまず、そちらが名乗るのが礼儀では?」
このような場で、知り合いから、つまりレオナルド・キーファーが連れてる私、特に女性の名前を聞きたい場合は、まずレオナルド・キーファーを介して名乗るのがルール。
「相変わらず真面目だなぁ」
と、つまらないと言った顔になる男性。
この場合はレオナルド・キーファーが正しい。
「名乗る気がないのなら失礼する」
と、にべもなくレオナルド・キーファーは断り、私を連れて移動する。
「いいんですか? 知り合いでは?」
私はちょっと心配になり小声で聞く。
「構いません。こういった場所で正式に名乗りもせず、貴女を詮索するような輩に、気をかけてはダメですよ」
多分、この人の言うことが正しいのだろう。
この場はこの人に従おう。
会場は広く様々な人がいるので、緩やかな人の波にのりうろうろする。
ざわっ、と会場が華やいだ雰囲気に。
あっ、アサーヴ殿下とスティースュルラ様だ。わあ、華やかだなあ。スティースュルラ様は白地にピンクや緑、黄色の花が刺繍されたサリーとワンピースの合の子みたいな服だ。おきれいだから、とっても素敵。護衛かな? ソードさん、そしてあの大変お世話になった侍女さん、もう一人若い男性が着いている。
おそらく最後の来場者のはず。アサーヴ殿下達とアンジェリカ様のご挨拶の後、懇親会全体挨拶に移るはず。
「キーファー」
アンジェリカ様の素晴らしいカーテシーを眺めていると、声をかけられる。レオナルド・キーファーがね。
そこには二十代半ばの男性と、先ほど私を見ようとした男性と複数の男性が。
「かわいい女の子なんか連れてどうした? 堅物なお前がさ」
わぁ、言い方が嫌だな。
さ、とレオナルド・キーファーが私を庇うように立つ。
「例の『ミルクティーの君』か? で、どこの家の子だ?」
本当に言い方が嫌だな。
こちらをバカに、違う、レオナルド・キーファーをバカしたように言う。言い方なんだろうが、嫌な言い方。もっとこう親しみやすさが感じられたらいいだろうが、全くない。
「そちらが先に名乗るのが筋です」
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