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裁判④

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「で、説明してもらいましょうか」
 
 ひーっ。

「いや、あれは、なんと言うか、その場ののりと言いますか」

 レオナルド・キーファーとのアフタヌーンデートから、数日後。私はウーヴァ公爵家にお呼ばれした。
 ウーヴァ公爵家のお菓子美味しいので、ちょっと楽しみ。ナタリア達の裁判も気になってたし。新聞では、ゾーヤ・グラーフと、ティーシモン・バズルの長年の不倫を取り上げている。貴族としてはかなり致命傷だなぁ。アデレーナも裁判開始と同時に学園に姿はない。
 ウレンさんに支度して貰う。

「もう、秋の味覚、栗がお目見えしますよ」

 と、聞いてちょっとウキウキ。
 不謹慎だけど、ね。
 モンブラン、モンブラン。
 で、ウーヴァ公爵家に、着いたら、アンジェリカ様から両肩をがっしり捕まれた。
 天下のウーヴァ公爵令嬢から、両肩をがっしりやられて、私はすくむ。しかもアンジェリカ様の顔、いつもに増して凄みがっ。
 どうやら、私がカレーパンやあのプレオープンしたレストランのメニューに関わっていることを、レオナルド・キーファーから聞いたみたい。

「その場ののり?」

 ひーっ。

「いや、あの、なんか、こういうのが食べたいなーって、言ったら、テヘロン大使館のシェフさんが作ってくれてっ」

 しどろもどろで説明。
 きっかけはラップサンドだったんだけどね。

「その、純粋なテヘロン料理はルルディの人からしたら、香辛料がきついから、歩みよりの料理を提言したら、うまいこといって」

 カレーパンも結構作り直したよ。

「はあ、そうだったのね。貴女はいまいちわかってないようだけど、凄いことなのよ。テヘロンとルルディの橋渡しになるような料理の数々、どれだけ話題になっているか」

「そうなんですか」

 じー、と私を見るアンジェリカ様、あら、返事を間違ったか?

「本当に自覚がないわね。今まで遠巻きにされていたテヘロン料理に、興味を示しただけではなく、カレーパンなんて今では毎日大行列よ。あのプレオープンのレストランだって予約困難なんだから。それを貴女のアイデアを形にしただたんて」

「はあ、そのシェフさんがですね。色々とですね」

「お黙りなさい。そのきっかけを作ったのは貴女よ。テヘロンのシェフだって、貴女がいなければ、作り出せなかったはず。どれだけの経済効果を産み出したのかわかっていて?」

「うっ、ごめんなさい」

 納得してくれたのか、アンジェリカ様が解放してくれた。
 お茶の準備をしてくれたテーブルに向かうと、あら?

「あ、あのアンジェリカ様? ほかにお客様が?」

 テーブル一杯に並んだお菓子達。凄い数。

「貴女の為のお菓子よ。ふふ、さあ、召し上がって」

「う、嬉しいのですが、さすがに入らないです」

「何を言ってるの?」

 にっこりアンジェリカ様。

「さ、これ食べて、新商品考えて」

「はいぃっ?」
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