ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには？

待つ間⑭

　理由はモニカ妃殿下だ。
　どうやらまだ決まっていない、ロナウド殿下の婚約者にキャサリンを据えようと思っているそうだ。
　他にも適齢期に入っている令嬢はいるが、既に婚約していたり、皆賢い為にモニカ妃殿下がいやがった。モニカ妃殿下は言葉は悪いが、頭のなかは学生レベル。優等生ではないよ、劣等生よ。なんせ、わがまま放題で、父親の七光りもあり好き勝手やってきた。きちんとした貴族女性のような知的さがゼロに等しい。なので、そう言った知性がある貴族女性ではなく、波長の合うキャサリンを選んだようだ。ローザ伯爵家の財力も凄いしね。
　ただ、問題がある。
　王子に嫁ぐには、侯爵以上の家でないと無理。現にエリザベス妃殿下も、伯爵から公爵家の養女となりオーガスト王太子に嫁いだ。
　だから、ルルディの侯爵家に打診したのだ。
　キャサリンを養女にしろと。
　で、総スカン、じゃない、全家から断られた。それで諦めたらいいのに公爵家にまで打診。エリザベス妃殿下のマリーン公爵家にまで言ってきたし、ウーヴァ公爵家にはひつこいくらいに言ってるらしい。
　あ、これ、モニカ妃殿下の独断です。
　現在の国王と父親のオーガスト王太子殿下は、ロナウド殿下に婚約者を着ける気はない。もし、本当にロナウド殿下を思い添い遂げる意志がある女性なら考えるって。そんな女性出てくるのかね？　ロナウド殿下も頭の中、かなり残念らしいし。なので、キャサリンが王子妃に相応しくないと、印象着けるために一芝居打ったと。セーレ商会の売り上げが落ちないか心配だったが、エヴァエニエス侯爵夫人とアンジェリカ様が、別のお茶会で然り気無く宣伝してくれたので、落ち着いている。
　それから、私の評判も少し変わった。
　キズ持ち、キャサリンの間違った情報でわがままだとか、姉の婚約者にちょっかいかけているとか言われていた。今では、あのウーヴァ公爵家ゆかりのある人物(レオナルド・キーファーね)と婚約し、跡取り娘のアンジェリカ様のお気に入り令嬢だと言われている。
　たまに、アンジェリカ様と繋がりたい令嬢や子息が来るが、直接言ってくださいと切り返している。
　そんなこんなで、レオナルド・キーファーが、シルヴァスタに行っている間も色んな事が起きた。