ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには？

二年の年月①

　もうすぐで、レオナルド・キーファーが帰ってくる。
　色々あったなあ。
　国内でも、国外でも。
　まずはシルヴァスタ王国だ。絶大な人気を誇っていた先代国王コオラ様は、若気の至りを大暴露されて、一気に坂道を転がるように落ちていった。暴露したのはコオラ先代国王の実母、正室、側室達だ。昔、先代国王がやたように新聞やゴシップ紙を使い大暴露。そして先代国王とモラーナ夫人との間に生まれた三人の子供は、認知されていないこと。二人の息子は、立場を弁えて慎ましく生活しているから、正室様は今後も彼らの援助はするって。だけど、モニカ妃殿下は別。だって、オーガスト王太子殿下に薬物持って既成事実までやってのけたのもばらされてしまい、ルルディ国内にいた、僅かな側室派も離れた。なにせモニカ妃殿下には、あのシルヴァスタの先代国王がいるからついていただけ、認知されていないし、現在のシルヴァスタ王家にしては邪魔な存在にしかないモニカ妃殿下につく人はいない。しかも自国の王太子に薬物盛ったんだから。そうなれば、モニカ妃殿下の立場も当然弱くなる。更に、シルヴァスタの大学に行っていたロナウド殿下が婦女暴行で捕縛、しかも違法カジノに入り浸り、禁止薬物まで手を出していた。これでは王太子になれないと焦ったモニカ妃殿下は、レオンハルト殿下暗殺を強行。返り討ちとなった。

　当然の結果。

　モニカ妃殿下とロナウド殿下は、ルルディ王国王室から離籍された。だからといってシルヴァスタも受け入れ拒否。
　ルルディとシルヴァスタの国境付近のどいなかで、先代国王とロナウド元殿下は監視の元、一生軟禁生活となった。モニカ妃殿下は、レオンハルト殿下暗殺首謀として、あのアデレーナが行った高山植物の修道院に30年だ。ロナウド殿下は、暗殺について知らされておらず、祖父の先代国王と同じ処遇だ。
　モニカ元妃殿下は、その日のうちに修道院を脱走、滑落、谷底にひしゃげたように落ちていた。顔が半分残っていたので、本人と確認された。遺体は父親と息子が住む田舎に埋葬された。