13 / 72
第一章
再び村へ
しおりを挟む
「は?何言ってるのユージ?」
アカネは驚いたように問い返してきた。
「学園やめるってこと?」
「いや、今回のウルヴァンの件で思い知ったんだ。精神汚染系に限らず俺は魔術に弱い。だからルースにもう一度教えを請いたい。前は読み書きがメインだったから。」
「賢者ルースね?なら私も行くわ!」
アカネが乗り出して言う。
「私だって今の自分の力に満足してるわけじゃないもの。アイズの時だって、結局アイズに効くような攻撃できなかったしね。」
アイリスも言う。
「私もいきたいな・・ヒールをもっと使えるようになりたいの。」
みんな熱心だなぁ。
「ん、ユージが行くなら僕も行く。」
アイズも当然のように言う。口の中は相変わらずリスのように食べ物が詰まっている。
「うーん、アイリスちゃんが行くなら俺もいきたいけどちと野暮用があって無理だなぁ・・」
キースが残念そうに言う。
野暮用ってなんだ?
「いや、ちっと実家に帰って報告しなきゃ行けないことがあってよ・・ホント残念だけど。」
まぁいいか。
俺はルースに手紙を出しておくことにした。
――――――――
村への道は、アイリスのヴァレンティ家が馬車を出してくれることになった。
さすが大貴族。馬車も派手になり過ぎない中上質なソファなどが置かれている。
振動も少ない。これなら疲れなさそうだ。
「んで、具体的には何を教えてもらうわけ?」
アカネが聞く。
「いや、具体的にどうこうは考えてないんだけど、まず相談してみようかと思ってる。」
「なんだ。特定の精神耐性とかを強化するとかじゃないのね。」
「ああ、それも含めてまずは現状を話してみようと思うんだ。」
「私はもっとたくさんの人をヒールできるようになりたいな・・この前のユージ君やアイズにヒール効かなかったから・・ちょっと悔しかったの。」
アイリスが言う。
「僕はもっとユージを守れるようになりたい。」
アイズがヴァレンティ家のお菓子をもぐもぐ食べながら言う。いや今でも十分強いと思うけど。
そんな会話をしながら馬車は進んでいった。
――――――――
「ユージが帰ってきたぞ!」
「なんか美少女ばっか連れ帰ってきたってよ!!」
村に帰ると(主に若者が)騒ぎつつも出迎えてくれた。
先頭にルースがいる。
「ユージ、よく帰ってきたのう。概要は手紙で理解した。まず、みな儂の家に来るがよい。」
俺たちはルースに従ってその家に向かっていった。
――――――――
「さて、まずはよく帰ってきたのう。まずは茶でも飲むがいい。お主たちの話を聞こう。」
アカネは憧れの賢者を目の前にしていささか緊張しているようだ。
「あ・・あの!お初にお目にかかります!アカネ・ローゼンデールと申します!得意は炎術系の魔法です!」
なんかお見合いみたいだ。
「ほう、ローゼンデール家のご息女か。ローゼンデール公はお元気かの?」
「それが・・父は数年前に他界しました・・」
「なんと!あのローゼンデール公がのう・・気高く強いお方であったが・・残念なことじゃ。」
ルースはアカネの父上を知っていたようだ。
「私は非難されながら死んでいった父の汚名をそそぎたいんです!そのために魔術を強化したいんです!」
「ほうほう、なるほどの・・細かいことは聞かぬことにしておこう。お主の願いはわかった。儂のできることで援助しよう。」
ルースは約束してくれた。
アカネは緊張しつつも嬉しそうに顔をほころばせる。
「私はヒールの魔術を強化したいんです。あ、申し遅れました。アイリス・ローム・ヴァレンティと申します。よろしくお願いいたします」
「ほう、ヴァレンティ家のご息女か。なるほど、ヒールのう。・・・承った。修練方法はおいおい考えるとして、後ほど現在の習熟具合を見せてもらうとしよう。」
「僕はユージをもっと守れるようになりたい。」
次にアイズがそのまんま願いを言う。
「おう、おぬしは竜人族・・氷竜かのう?おぬしについてはベルフェに相談してみよう。」
最後に俺が言う。
「私は手紙でもお伝えした通り、メンタル・ブレイクという術で一瞬で倒されました。今後も同様の術にやられる恐れがあります。また、魔術全般に対する耐性を高めたいんです。」
「ユージよ。お主の願いは最も難しいであろう。儂に少々考えがある。いささか時間がかかるかもしれんがのう。」
「わかりました。ぜひお願いします。」
俺たちはそれぞれに応じた修業をすることになった。
――――――――
まずはベルフェがやってきてアイズに言う。
「おう、竜人族たぁ珍しいなぁ!まぁお前の願いは分かった!ドラゴンにならずに人のまま修業してもらうことになるぜ!」
「うん。僕なんでもする。」
「じゃあ俺についてこい!」
なんだかんだベルフェは面倒見がいいんだよなぁ・・気持ちよく請け負ってくれた。
――――――――
俺、アカネ、アイリスは岩山の点在する場所に来ていた。
ルースはアカネに向かい、
「まずはお主の最も得意な炎魔法で岩を攻撃してみてくれるかの。」
と言った。
「はい!ハァッ!!」
アカネの手から炎弾が飛び、岩を燃え上がらせた。
「ふむふむ。なるほどの・・炎魔法はかなりの習熟度じゃ。じゃが、まだ改善の余地がありそうじゃの。」
ルースはそういうと、炎魔法を唱え始めた。
「ほいっ!」
今度は岩が燃えがあることはなく、炎が細い熱線のように岩を貫き、大穴を開けていた。
「!」
アカネが岩に空いた大穴を見て驚愕する。
自分が炎術使いだけに、そのレベルの高さをすぐ感じ取ったのだ。
「空間魔法との応用技じゃ。炎魔法は攻撃力に優れた術じゃが、貫通力において雷魔法など他の魔術に劣る。それを空間魔法との合わせ技で補う。大事なのは炎の破壊力を分散させず、集約することじゃ。」
「・・・はいっ!」
「さらに習熟すれば、こういったことも可能になる。」
次にルースは火球を複数作り出し、空中に固定して見せた。
そして両手を向け、
「ハァァッ!」
バゴォン!
複数の熱線が大岩を砕く。
もはや原型をとどめていない。
「空間に複数の炎魔法を固定し、さらに炎魔法自体の熱量の密度が高められることによって、こういったことが可能となる。」
「・・すごい・・」
アカネは感嘆する。
「何度も練習してみるがいい。大事なのは空間魔法とのバランスじゃ。」
「わかりました。やってみます!」
――――――――
次にルースはアイリスに向かい、
「さて、では次にアイリス嬢にやってもらうかのう。場所を移すぞ。」
ルースは近くの草原にアイリスを連れていき、
「今からここの花々を枯らす。見ておくがいい。」
いうや否や
「ハッ!」
と何らかの魔術を一帯に放つ。
すると咲き誇っていた花々がみるみる枯れていく。
「これもヒールじゃ。もっとも通常のヒールではない。アンヒールと呼ぶべきか。広範囲の花々の生命の時に介入し、あえて寿命を早く進めることによってその生命の終焉をもたらしておる。」
そして、
「更に習熟すれば対象の選択が可能になる。」
いうが早いか、
「ハッ!」
とヒールを放つ。
すると今度は一部の花のみが再び咲いた。
「このヒール、セレクテッド・ヒールと呼ぶべきか。この方法で例えば今回ユージがやられた場合などに、精神面のみにヒールをかけ、復活を早めることができる。」
「すごい・・・」
アイリスも驚いている。
学園で、ヒールならば先生方にも優るのではないか、と呼ばれているアイリスが目を丸くしている。
「ではわしが枯らした花々に向けヒールをかけてみるがよい。」
「はい! ヒール!」
アリエスのヒールは枯れた花々の1割ほどをよみがえらせた。
「っ・・!ダメです・・通常のヒールでは・・」
「そうじゃ、通常のヒールではこの範囲を一気によみがえらせることはできん。まずはヒール範囲を広げることじゃ。エリア・ヒールというものじゃが、これができるようになると例えば集団の戦闘などで味方を一気に癒すことができる。もうひとつは、対象物がどうなれば成功なのか、その姿を強く念じることじゃ。例えば先ほどワシは生命の時を進め、花々が枯れるイメージを強く術に込めた。」
「・・・わかりました。」
「逆もまたしかり。花々が生命に満ち溢れている姿を強く念じ、ヒールをかければ枯れた花々が再び咲き誇るようになる。ここで花を、咲かす、枯らす、ということを繰り返して修練してみるがいい。習熟すれば先ほど見せたように選んだもののみ念をかけヒールを行うことも可能となる。」
「はい!やってみます。」
アイリスは朗らかに答えた。
――――――――
ルースと俺は家に戻ってきた。
「さて最後にユージじゃがお主には少々特殊な修練を行ってもらう。」
特殊?
「わしが次元の狭間に空間を作る。お主にはここに剣と共に入ってもらう。」
剣と一緒?何かと戦ったりするのだろうか?
「いや違う。お主の剣、ホーンテッドじゃったか?その剣は術者と共に成長すると言われておる。共に自分を見つめなおすことによって剣の力をさらに引き出すことが目的じゃ。いうなれば剣と自身との対話というところかの。精神体に近い状態になるゆえ、精神耐性も向上する。」
なるほど。とにかくやってみるか。
――――――――
アイズはベルフェに滝に連れられて来ていた。
「よし。この場所だ。お前にはここで人間体のまま滝修業をしてもらう。」
「滝?水浴びするの?」
「ここの滝は少々特殊でな。地形の関係で様々なものが落下してくるんだ。石や木、時には岩までな。要は精神耐性と物理耐性の向上を一緒にやっちまおうってわけだ。お前はやったことないだろうが、この滝で人間体で滝行はきついぜ?覚悟して入れよ。いざというときには俺が助けてやるがな!」
「うん。わかった。やってみる。」
アイズは滝つぼに向かっていった。
――――――――
次元の空間にて。
俺は自分自身を見ていた。
「よう、俺。しばらくよろしくな。」
オレが話す。
「えっと・・お前は、その俺なのか?」
「厳密にいやぁ違うな。俺は剣、お前はホーンテッドと呼んでいるが、その魂とお前の魂の複合体だ。」
俺とホーンテッドの複合体・・
「自分自身を見つめなおすぜ?お前の人生をこれから辿る。」
その瞬間、俺は自身の体を失っていた。
・・精神体、とでもいうべきか。
俺は自身の人生のフラッシュバックを見ていた。
いじめられていた学生時代。
次々去っていく友人たち。
会社ではなじられ、怒鳴られる日々。
心を病み、会社通いができなくなっていく。
繰り返される転職と退職。
2次元の世界に助けを請い徐々に自分の殻に閉じこもっていく・・
親からの叱責、部屋への逃亡・・
次第に死のみ考えるように・・
・・ゲ、ゲホ、ゲホゲホッ
・・吐きそうになる・・
フラッシュバックする、体、心の痛み。
誰か助けてくれ・・
俺が・・死ななかったのは単に・・勇気がなかったからに過ぎない。
そうだ。俺はこんな奴だった。
生きる価値があるのかすらわからない、非生産的な人生。
光り輝いて見える友人だった人々。
テレビでは高らかに成功物語をうたいあげ、逆に怨嗟の対象となってしまった人々には遠慮なく罵声を浴びせかける。
一度非難してもいい対象になってしまったが最後、みなが正義のような顔で対象となった人は辱められ、貶められる社会。
・・俺が生まれた国・・
「感想はどうだ?」
オレが俺に聞く。
「吐きそうだ。」
「ハハァッ、そうだろうなぁ!だがこれがお前の歩んできた人生、そしてお前の故郷だ。」
「どうだ、まだ帰りたいか?」
「・・ああ・・」
「まだまだいくぜ!今度はお前の幼少時代だ!」
――――――――
15日後。
アカネは見事修業をやり通し、熱線を会得していた。
アイリスも同様、エリアヒールと、対象を選択したヒールを会得。
アイズはボロボロになりながら滝修業をやり通し、見事物理耐性と精神耐性の向上に成功していた。
「ユージはまだ戻ってこないんですか?」
アカネがルースに聞く。
「あ奴の修業は少々特殊じゃからのう・・もしかすると学院にはお主らだけで戻ってもらうことになるかもしれん」
「え!ユージ君の修業はそんなに難しいのですか?」
アイリスが聞く。
「人による。人によってはどうということもない修業じゃ。しかし数年かかるもの、終了できないものもおるじゃろうな。」
「僕、助けに行く。行き方教えて。」
「あの空間には一人しか入れん。それに、助けに入ったとして、今まで通りのユージでは修業の意味がなくなるがそれでもいいかの?」
「・・・じゃ、やめる。僕ユージを待つ。」
アイズがおとなしくルースの言葉に従う
――――――――
その時、俺は様々な言葉に追い回されていた。
成長しろ
変われ
デキる男になれ
金持ちになれ
逃げるな
人に遅れるな
人を蹴落とせ
・・etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc
俺は友人、知人、家族、上司、先輩、メディアなどに言われてきた言葉の渦に溺れていた。
あがき続ける俺。
一つ一つの言葉にそれでも、違う、俺は・・と答えようとし、答えられず、悩み、もがき、あがく俺。
しかしこの言葉の渦の中では俺の言葉はすべて言い訳として処理され、全て自分が悪いことになる。
俺は次第に自分の心をなくしつつあった。
すると、オレが話しかけてきた。
今までと異なる口調。そうだ、あれは俺がこの世界に初めて転移した時の・・
「ユージよ。自分を見つめなおしたか?」
「!ホーンテッド?」
「そうだ。我だ。お前が我を手に取ってから、我はずっとお前を見てきた。」
「・・・」
「問おう。お前は自分が嫌いか?」
「自信は・・ない。嫌いか好きかと言われれば嫌いだ。」
「ではお前は変わりたいと思うか?」
「!」
変わりたいか?
『変われ!』それは・・
周囲がずっと俺に強いてきた言葉だ。
変わる・・・俺自身が変わる・・
・・・
・・
・
違う!
「俺は・・俺だ!ありのままの俺でいい!この弱い俺のままで強くなる!」
・・・
・・
・
「フッ。矛盾しているが・・それでいい。」
?
「お前は自分自身をなくす必要はない。その弱い、醜いお前のままで強くなれ。倒れてもまた立ち上がれ・・何度でもだ・・」
「・・」
「これよりお前はより一層我を使いこなせるようになろう。我を使うのに帯剣する必要もない。様々な力を引き出すことができる。その時がきたらわかるはずだ。」
光が周囲を囲み始め俺が溶けてゆく・・
――――――――
「ユージ!大丈夫なの?」
気が付くとアカネが心配そうにのぞき込んでいた。
毎度起き上がるたびにアカネにのぞき込まれてる気がする。ドキドキするからやめてほしい。
「突然光が部屋に満ちてきたと思ったらユージが倒れているんだもの。驚いたわ」
「あ、ああ。もう大丈夫。」
とりあえず周囲を安心させるためにそう答える。
「その様子だと修業は無事終わったのね。成果はどうなの?」
「・・成果はあった。ただまだ言葉にできるようなものじゃない。その時がくればわかるはずだ。何かを得たことは間違いないけど。」
「そう・・。とにかく無事に帰ってきてくれて良かったわ。」
俺はアカネたちに10日ほど遅れて帰還したようだ。
その間、アカネたちはそれぞれの復習、強化に励んでいたらしい。
「今度メンタルブレイクされても私が直すから安心してね?」
とアイリスがほほ笑む。アイリスも成功したんだな。
「大丈夫。僕がユージを守る。」
アイズも強調する。
「はは、ありがとうアイリス、アイズ。その時は頼むよ。」
「うん任せて」
アイズがフンッと答える。
「そんなときが来ないことが一番だけど・・ね。アハハ・・」
アイリスが笑う。
「ユージよ、どうじゃった。精神の世界は?」
「はい・・想像以上にきつい世界でした・・。でもやってよかったです。」
「ホッホッ。そうかそれは良かったの?」
「はい。ありがとうございました。」
俺は改めてルースに礼を言った。
――――――――
その後改めてお別れの宴が開かれ、翌日の朝。
ルースやベルフェなどが見送りに来てくれた中、
「皆さん、本当にお世話になりました!」
「また何かあれば相談に乗るからのぅ。達者ですごせよ、ユージよ」
ルースが村を代表して言う。
「はい。またよろしくお願いします!」
次に俺はアカネ、アイリス、アイズに振り返ると言った。。
「さぁ、みんな帰ろう!」
アカネは驚いたように問い返してきた。
「学園やめるってこと?」
「いや、今回のウルヴァンの件で思い知ったんだ。精神汚染系に限らず俺は魔術に弱い。だからルースにもう一度教えを請いたい。前は読み書きがメインだったから。」
「賢者ルースね?なら私も行くわ!」
アカネが乗り出して言う。
「私だって今の自分の力に満足してるわけじゃないもの。アイズの時だって、結局アイズに効くような攻撃できなかったしね。」
アイリスも言う。
「私もいきたいな・・ヒールをもっと使えるようになりたいの。」
みんな熱心だなぁ。
「ん、ユージが行くなら僕も行く。」
アイズも当然のように言う。口の中は相変わらずリスのように食べ物が詰まっている。
「うーん、アイリスちゃんが行くなら俺もいきたいけどちと野暮用があって無理だなぁ・・」
キースが残念そうに言う。
野暮用ってなんだ?
「いや、ちっと実家に帰って報告しなきゃ行けないことがあってよ・・ホント残念だけど。」
まぁいいか。
俺はルースに手紙を出しておくことにした。
――――――――
村への道は、アイリスのヴァレンティ家が馬車を出してくれることになった。
さすが大貴族。馬車も派手になり過ぎない中上質なソファなどが置かれている。
振動も少ない。これなら疲れなさそうだ。
「んで、具体的には何を教えてもらうわけ?」
アカネが聞く。
「いや、具体的にどうこうは考えてないんだけど、まず相談してみようかと思ってる。」
「なんだ。特定の精神耐性とかを強化するとかじゃないのね。」
「ああ、それも含めてまずは現状を話してみようと思うんだ。」
「私はもっとたくさんの人をヒールできるようになりたいな・・この前のユージ君やアイズにヒール効かなかったから・・ちょっと悔しかったの。」
アイリスが言う。
「僕はもっとユージを守れるようになりたい。」
アイズがヴァレンティ家のお菓子をもぐもぐ食べながら言う。いや今でも十分強いと思うけど。
そんな会話をしながら馬車は進んでいった。
――――――――
「ユージが帰ってきたぞ!」
「なんか美少女ばっか連れ帰ってきたってよ!!」
村に帰ると(主に若者が)騒ぎつつも出迎えてくれた。
先頭にルースがいる。
「ユージ、よく帰ってきたのう。概要は手紙で理解した。まず、みな儂の家に来るがよい。」
俺たちはルースに従ってその家に向かっていった。
――――――――
「さて、まずはよく帰ってきたのう。まずは茶でも飲むがいい。お主たちの話を聞こう。」
アカネは憧れの賢者を目の前にしていささか緊張しているようだ。
「あ・・あの!お初にお目にかかります!アカネ・ローゼンデールと申します!得意は炎術系の魔法です!」
なんかお見合いみたいだ。
「ほう、ローゼンデール家のご息女か。ローゼンデール公はお元気かの?」
「それが・・父は数年前に他界しました・・」
「なんと!あのローゼンデール公がのう・・気高く強いお方であったが・・残念なことじゃ。」
ルースはアカネの父上を知っていたようだ。
「私は非難されながら死んでいった父の汚名をそそぎたいんです!そのために魔術を強化したいんです!」
「ほうほう、なるほどの・・細かいことは聞かぬことにしておこう。お主の願いはわかった。儂のできることで援助しよう。」
ルースは約束してくれた。
アカネは緊張しつつも嬉しそうに顔をほころばせる。
「私はヒールの魔術を強化したいんです。あ、申し遅れました。アイリス・ローム・ヴァレンティと申します。よろしくお願いいたします」
「ほう、ヴァレンティ家のご息女か。なるほど、ヒールのう。・・・承った。修練方法はおいおい考えるとして、後ほど現在の習熟具合を見せてもらうとしよう。」
「僕はユージをもっと守れるようになりたい。」
次にアイズがそのまんま願いを言う。
「おう、おぬしは竜人族・・氷竜かのう?おぬしについてはベルフェに相談してみよう。」
最後に俺が言う。
「私は手紙でもお伝えした通り、メンタル・ブレイクという術で一瞬で倒されました。今後も同様の術にやられる恐れがあります。また、魔術全般に対する耐性を高めたいんです。」
「ユージよ。お主の願いは最も難しいであろう。儂に少々考えがある。いささか時間がかかるかもしれんがのう。」
「わかりました。ぜひお願いします。」
俺たちはそれぞれに応じた修業をすることになった。
――――――――
まずはベルフェがやってきてアイズに言う。
「おう、竜人族たぁ珍しいなぁ!まぁお前の願いは分かった!ドラゴンにならずに人のまま修業してもらうことになるぜ!」
「うん。僕なんでもする。」
「じゃあ俺についてこい!」
なんだかんだベルフェは面倒見がいいんだよなぁ・・気持ちよく請け負ってくれた。
――――――――
俺、アカネ、アイリスは岩山の点在する場所に来ていた。
ルースはアカネに向かい、
「まずはお主の最も得意な炎魔法で岩を攻撃してみてくれるかの。」
と言った。
「はい!ハァッ!!」
アカネの手から炎弾が飛び、岩を燃え上がらせた。
「ふむふむ。なるほどの・・炎魔法はかなりの習熟度じゃ。じゃが、まだ改善の余地がありそうじゃの。」
ルースはそういうと、炎魔法を唱え始めた。
「ほいっ!」
今度は岩が燃えがあることはなく、炎が細い熱線のように岩を貫き、大穴を開けていた。
「!」
アカネが岩に空いた大穴を見て驚愕する。
自分が炎術使いだけに、そのレベルの高さをすぐ感じ取ったのだ。
「空間魔法との応用技じゃ。炎魔法は攻撃力に優れた術じゃが、貫通力において雷魔法など他の魔術に劣る。それを空間魔法との合わせ技で補う。大事なのは炎の破壊力を分散させず、集約することじゃ。」
「・・・はいっ!」
「さらに習熟すれば、こういったことも可能になる。」
次にルースは火球を複数作り出し、空中に固定して見せた。
そして両手を向け、
「ハァァッ!」
バゴォン!
複数の熱線が大岩を砕く。
もはや原型をとどめていない。
「空間に複数の炎魔法を固定し、さらに炎魔法自体の熱量の密度が高められることによって、こういったことが可能となる。」
「・・すごい・・」
アカネは感嘆する。
「何度も練習してみるがいい。大事なのは空間魔法とのバランスじゃ。」
「わかりました。やってみます!」
――――――――
次にルースはアイリスに向かい、
「さて、では次にアイリス嬢にやってもらうかのう。場所を移すぞ。」
ルースは近くの草原にアイリスを連れていき、
「今からここの花々を枯らす。見ておくがいい。」
いうや否や
「ハッ!」
と何らかの魔術を一帯に放つ。
すると咲き誇っていた花々がみるみる枯れていく。
「これもヒールじゃ。もっとも通常のヒールではない。アンヒールと呼ぶべきか。広範囲の花々の生命の時に介入し、あえて寿命を早く進めることによってその生命の終焉をもたらしておる。」
そして、
「更に習熟すれば対象の選択が可能になる。」
いうが早いか、
「ハッ!」
とヒールを放つ。
すると今度は一部の花のみが再び咲いた。
「このヒール、セレクテッド・ヒールと呼ぶべきか。この方法で例えば今回ユージがやられた場合などに、精神面のみにヒールをかけ、復活を早めることができる。」
「すごい・・・」
アイリスも驚いている。
学園で、ヒールならば先生方にも優るのではないか、と呼ばれているアイリスが目を丸くしている。
「ではわしが枯らした花々に向けヒールをかけてみるがよい。」
「はい! ヒール!」
アリエスのヒールは枯れた花々の1割ほどをよみがえらせた。
「っ・・!ダメです・・通常のヒールでは・・」
「そうじゃ、通常のヒールではこの範囲を一気によみがえらせることはできん。まずはヒール範囲を広げることじゃ。エリア・ヒールというものじゃが、これができるようになると例えば集団の戦闘などで味方を一気に癒すことができる。もうひとつは、対象物がどうなれば成功なのか、その姿を強く念じることじゃ。例えば先ほどワシは生命の時を進め、花々が枯れるイメージを強く術に込めた。」
「・・・わかりました。」
「逆もまたしかり。花々が生命に満ち溢れている姿を強く念じ、ヒールをかければ枯れた花々が再び咲き誇るようになる。ここで花を、咲かす、枯らす、ということを繰り返して修練してみるがいい。習熟すれば先ほど見せたように選んだもののみ念をかけヒールを行うことも可能となる。」
「はい!やってみます。」
アイリスは朗らかに答えた。
――――――――
ルースと俺は家に戻ってきた。
「さて最後にユージじゃがお主には少々特殊な修練を行ってもらう。」
特殊?
「わしが次元の狭間に空間を作る。お主にはここに剣と共に入ってもらう。」
剣と一緒?何かと戦ったりするのだろうか?
「いや違う。お主の剣、ホーンテッドじゃったか?その剣は術者と共に成長すると言われておる。共に自分を見つめなおすことによって剣の力をさらに引き出すことが目的じゃ。いうなれば剣と自身との対話というところかの。精神体に近い状態になるゆえ、精神耐性も向上する。」
なるほど。とにかくやってみるか。
――――――――
アイズはベルフェに滝に連れられて来ていた。
「よし。この場所だ。お前にはここで人間体のまま滝修業をしてもらう。」
「滝?水浴びするの?」
「ここの滝は少々特殊でな。地形の関係で様々なものが落下してくるんだ。石や木、時には岩までな。要は精神耐性と物理耐性の向上を一緒にやっちまおうってわけだ。お前はやったことないだろうが、この滝で人間体で滝行はきついぜ?覚悟して入れよ。いざというときには俺が助けてやるがな!」
「うん。わかった。やってみる。」
アイズは滝つぼに向かっていった。
――――――――
次元の空間にて。
俺は自分自身を見ていた。
「よう、俺。しばらくよろしくな。」
オレが話す。
「えっと・・お前は、その俺なのか?」
「厳密にいやぁ違うな。俺は剣、お前はホーンテッドと呼んでいるが、その魂とお前の魂の複合体だ。」
俺とホーンテッドの複合体・・
「自分自身を見つめなおすぜ?お前の人生をこれから辿る。」
その瞬間、俺は自身の体を失っていた。
・・精神体、とでもいうべきか。
俺は自身の人生のフラッシュバックを見ていた。
いじめられていた学生時代。
次々去っていく友人たち。
会社ではなじられ、怒鳴られる日々。
心を病み、会社通いができなくなっていく。
繰り返される転職と退職。
2次元の世界に助けを請い徐々に自分の殻に閉じこもっていく・・
親からの叱責、部屋への逃亡・・
次第に死のみ考えるように・・
・・ゲ、ゲホ、ゲホゲホッ
・・吐きそうになる・・
フラッシュバックする、体、心の痛み。
誰か助けてくれ・・
俺が・・死ななかったのは単に・・勇気がなかったからに過ぎない。
そうだ。俺はこんな奴だった。
生きる価値があるのかすらわからない、非生産的な人生。
光り輝いて見える友人だった人々。
テレビでは高らかに成功物語をうたいあげ、逆に怨嗟の対象となってしまった人々には遠慮なく罵声を浴びせかける。
一度非難してもいい対象になってしまったが最後、みなが正義のような顔で対象となった人は辱められ、貶められる社会。
・・俺が生まれた国・・
「感想はどうだ?」
オレが俺に聞く。
「吐きそうだ。」
「ハハァッ、そうだろうなぁ!だがこれがお前の歩んできた人生、そしてお前の故郷だ。」
「どうだ、まだ帰りたいか?」
「・・ああ・・」
「まだまだいくぜ!今度はお前の幼少時代だ!」
――――――――
15日後。
アカネは見事修業をやり通し、熱線を会得していた。
アイリスも同様、エリアヒールと、対象を選択したヒールを会得。
アイズはボロボロになりながら滝修業をやり通し、見事物理耐性と精神耐性の向上に成功していた。
「ユージはまだ戻ってこないんですか?」
アカネがルースに聞く。
「あ奴の修業は少々特殊じゃからのう・・もしかすると学院にはお主らだけで戻ってもらうことになるかもしれん」
「え!ユージ君の修業はそんなに難しいのですか?」
アイリスが聞く。
「人による。人によってはどうということもない修業じゃ。しかし数年かかるもの、終了できないものもおるじゃろうな。」
「僕、助けに行く。行き方教えて。」
「あの空間には一人しか入れん。それに、助けに入ったとして、今まで通りのユージでは修業の意味がなくなるがそれでもいいかの?」
「・・・じゃ、やめる。僕ユージを待つ。」
アイズがおとなしくルースの言葉に従う
――――――――
その時、俺は様々な言葉に追い回されていた。
成長しろ
変われ
デキる男になれ
金持ちになれ
逃げるな
人に遅れるな
人を蹴落とせ
・・etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc etc
俺は友人、知人、家族、上司、先輩、メディアなどに言われてきた言葉の渦に溺れていた。
あがき続ける俺。
一つ一つの言葉にそれでも、違う、俺は・・と答えようとし、答えられず、悩み、もがき、あがく俺。
しかしこの言葉の渦の中では俺の言葉はすべて言い訳として処理され、全て自分が悪いことになる。
俺は次第に自分の心をなくしつつあった。
すると、オレが話しかけてきた。
今までと異なる口調。そうだ、あれは俺がこの世界に初めて転移した時の・・
「ユージよ。自分を見つめなおしたか?」
「!ホーンテッド?」
「そうだ。我だ。お前が我を手に取ってから、我はずっとお前を見てきた。」
「・・・」
「問おう。お前は自分が嫌いか?」
「自信は・・ない。嫌いか好きかと言われれば嫌いだ。」
「ではお前は変わりたいと思うか?」
「!」
変わりたいか?
『変われ!』それは・・
周囲がずっと俺に強いてきた言葉だ。
変わる・・・俺自身が変わる・・
・・・
・・
・
違う!
「俺は・・俺だ!ありのままの俺でいい!この弱い俺のままで強くなる!」
・・・
・・
・
「フッ。矛盾しているが・・それでいい。」
?
「お前は自分自身をなくす必要はない。その弱い、醜いお前のままで強くなれ。倒れてもまた立ち上がれ・・何度でもだ・・」
「・・」
「これよりお前はより一層我を使いこなせるようになろう。我を使うのに帯剣する必要もない。様々な力を引き出すことができる。その時がきたらわかるはずだ。」
光が周囲を囲み始め俺が溶けてゆく・・
――――――――
「ユージ!大丈夫なの?」
気が付くとアカネが心配そうにのぞき込んでいた。
毎度起き上がるたびにアカネにのぞき込まれてる気がする。ドキドキするからやめてほしい。
「突然光が部屋に満ちてきたと思ったらユージが倒れているんだもの。驚いたわ」
「あ、ああ。もう大丈夫。」
とりあえず周囲を安心させるためにそう答える。
「その様子だと修業は無事終わったのね。成果はどうなの?」
「・・成果はあった。ただまだ言葉にできるようなものじゃない。その時がくればわかるはずだ。何かを得たことは間違いないけど。」
「そう・・。とにかく無事に帰ってきてくれて良かったわ。」
俺はアカネたちに10日ほど遅れて帰還したようだ。
その間、アカネたちはそれぞれの復習、強化に励んでいたらしい。
「今度メンタルブレイクされても私が直すから安心してね?」
とアイリスがほほ笑む。アイリスも成功したんだな。
「大丈夫。僕がユージを守る。」
アイズも強調する。
「はは、ありがとうアイリス、アイズ。その時は頼むよ。」
「うん任せて」
アイズがフンッと答える。
「そんなときが来ないことが一番だけど・・ね。アハハ・・」
アイリスが笑う。
「ユージよ、どうじゃった。精神の世界は?」
「はい・・想像以上にきつい世界でした・・。でもやってよかったです。」
「ホッホッ。そうかそれは良かったの?」
「はい。ありがとうございました。」
俺は改めてルースに礼を言った。
――――――――
その後改めてお別れの宴が開かれ、翌日の朝。
ルースやベルフェなどが見送りに来てくれた中、
「皆さん、本当にお世話になりました!」
「また何かあれば相談に乗るからのぅ。達者ですごせよ、ユージよ」
ルースが村を代表して言う。
「はい。またよろしくお願いします!」
次に俺はアカネ、アイリス、アイズに振り返ると言った。。
「さぁ、みんな帰ろう!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~
専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。
ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる