無職メンヘラ男が異世界でなりあがります

ヒゲオヤジ

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第四章

領地へ

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ライン・ビーチをいただいてしばらくした後、
休みを利用して、俺は領地を見に行くことにした。

アカネ、アイリス、アイズも行きたいというので連れていくことにした。

クリスには手紙を送っておいた。

アイズはライン・ビーチは始めてだ。

馬車だと学園から半日かかるので、アイズに乗せて行ってもらうことにした。

「ねぇ、私たちって結構アイズに乗ってるけど、これって怖いことよね?」
アカネがふと気づいたように言う。

「うーん、なんかもう慣れたしな・・」

「私は楽しいよ?なんか風を感じるみたいで?」
アイリスは嬉しそうだ。

『大丈夫。誰か落ちたら僕が拾うから。』
アイズが念話で話しかけてくる。

俺たちは1時間もかからずにライン・ビーチに着いた。

――――――――

「「「ド・・ドラゴンだぁ!」」」
「「「クラーケンの次はドラゴンか!まったくどうなってるんだこの街は!」」」

あ、しまった。アイズに乗っていくこと、手紙に書き忘れてた。

俺たちは街の中心部、適当な場所に降りると、
「皆さんお騒がせしてすみません。この子は竜人族です。仲間なんで大丈夫です!」
と安心させるように言った。

「おい?あれユージ様じゃないか?」
「本当だ!クラーケンを倒してくれたユージ様だ!」
「ドラゴンに乗ってくるとはさすがだな!」
「我らが新領主!」
「ユージ様!」

あれ?歓迎されているみたいだ。

クリスが慌てて走ってきた。
「ユージ様!ドラゴンで来るならそうおっしゃっていただかないと・・竜人族の方を連れてくるとはおっしゃっていましたが、まさか乗ってくると思いもしませんでした!街のものが混乱いたします!」

「あ、ああ。すまないクリス。今度からちゃんと言うよ。」

「気を付けてくださいね?」
さっそく怒られてしまった。

「アカネ様!おひさしぶりです!」

「王宮以来かしら?元気にしてた?」

「ええ!それはもう!張り切って仕事しておりますよ!」
と言ってクリスは笑った。

「こちらはヴァレンティ家のお嬢様ですね?」

「あ、はい。アイリスと申します。よろしくお願いいたします。」

「こちらこそ!ヴァレンティ卿にはお世話になっておりましたからな!」

「僕はアイズ。」

「ほうほう、あなたが氷竜族の・・しかし氷竜族の方にはこの気候は暑いのでは?」

「大丈夫。ドラゴンは暑さ寒さに強い。」

「なるほどなるほど・・。ではみなさんいったん官邸へまいりましょう。」

――――――――

官邸には意外と豪華な料理が並べられていた。

「ユージ様が領主になると聞いてから、街のものが様々なものを持ってきてくれるのですよ。」
とクリスがほくほく顔で言う。

「そうか。そりゃ何よりだ。嫌われるよりはいいからな。」

「ユージ様はこの街の英雄だそうですな。クラーケンを倒した事で民衆の間に人気が高まっているようです。」

ありがたいな。戦った甲斐があったというものだ。

「おかげで領地経営もやりやすく、助かっています。」
クリスが言う。

「それで領地の具合はどうなんだ?」

「もともと漁業がメインの土地ですからな・・収入はさほど大きくはございませんが、温暖な気候と温かい人々の土地柄で観光にくるものもいるようです。こちらが収支報告書です。」

なるほど。わからん。

「俺は正直、財務のことはわからない。そっちはクリスに任せるよ。」

「かしこまりました。それで、少々ユージ様にお願いがあるのですが。」

「言ってみてくれ。」

「3人ほど、部下を雇いたいのです。さすがに小さな街と言えど一人で回すのは無理がありまして・・」

なるほど。納得だ。大きな街も小さな街もやることは変わらないだろうからな。

「わかった。了解だ。ただ、一つ注文がある。」

「承りましょう。」

「できるだけこの土地のものを雇ってやってほしい。少しでも皆に仕事を与えたいからな。」

「わかりました。ユージ様は民思いですな!」

そうなのかな?
あまり裕福に見えないこの街に少しでも仕事を回したかったのだが。

「それで実は少し提案があるんだ。」

「ほう?提案とは?」

「観光業を発展させたい。」

俺の中にあるのは横浜の山下公園や中華街、テレビで見たニューヨークのサウス・ストリート・シーポートやシアトル、ゴールド・コーストだ。

「街に店を呼び込み、カップルや家族連れが楽しめる街、洒落た街にしたい。」

「かっぷる・・?とは何ですか?」

「ああ、恋人同士のことを言うんだ。そのカップルや家族連れが買い物や観光を楽しめる街にしたい。」

「なるほど・・それは面白い案ですな・・しかし収支が成立するのでしょうか?」

「俺のいた国では立派な産業になっている。観光立地化すれば他の人も呼び込めるし、人口も増えるだろう。」

「なるほど。それでは初期投資が問題ですな。」

「それについては、コルトン家にも相談してみようと思ってる。コルトン家もここに別荘を持つくらいだ。前向きに考えてくれるんじゃないだろうか。」

「なるほど。コルトン家が支援してくれれば大丈夫そうですな。」

「あ、街の発展に貢献できるならヴァレンティ家もお金を出せるかもしれないよ?父上に話してみるね!」

「ありがとうアイリス。」

「ふむ・・コルトン家にヴァレンティ家が・・では何とかなるかもしれませんな。」

「他にもビーチ・・海岸を電灯・・魔石で光を当てたり、綺麗な砂浜の部分を作って歩くのが楽しいものにもしたい。あとは・・そうだな。海に潜る娯楽があるんだがその設備や専門店もそろえたい。」

「ふむ・・ユージ様は様々な考えをお持ちのようだ。では私も昔の仲間に当たって国から援助金が出ないか交渉してみましょう。」

「ああ、そうしてくれると助かる。」

俺たちはその後も話しあい、クリスに俺の考えを理解してくれるように努めた。

――――――――

「ユージ、あなたの国ってホント興味深いわ。」
話し合いの後、皆で海岸を歩いているとアカネがそう言って来た。

「まぁ、俺の国だけじゃないんだけどね。さっきの考えも俺の国だけじゃなく他国からも持ってきたものだ。」

「でも楽しそうね!恋人同士が歩くのが楽しい街だなんて、今まで考えもしなかったわ!」

それはそうだろうな。

「僕もユージが作る街を見てみたい。氷竜族もスキーで助かってるみたいだし。」
アイズが言う。

「ああ、俺の知識が役立つならどんどん使っていくつもりだ。基本的にこの国には娯楽が少ないからな。」

「ユージ君が王様になったら楽しい国ができそうだね?」
アイリスがそんなことを言って微笑む。

「いやぁ・・王様なんて柄じゃないし、王様にはやることがたくさんあるだろう?」

何よりもここの国の王は稀代のリーダーシップを持った信長様だ。ちょっと信長様以上の為政者を考えるのも難しいんじゃないだろうか。

そういえば他にも転移者がいるって言ってたな。その人たちはこういったことを進言しなかったのだろうか。まぁ娯楽に関することは進言するようなことじゃないかもしれない。

信長様がすすめてらっしゃる電気事業が軌道に乗ればもっと色々なことができそうだが。

「それにしても家族や恋人同士が歩くのが楽しい街か・・ホントいいね!そういうの!」
アイリスは女の子の目でそんなことを考えていたようだ。

「でもこのままでも十分美しいわよね・・」
アカネが夕日を見ながらそんなことを言う。

「まぁ、確かにな。人に荒らされてない土地はまた趣があるからな。」

「でもユージはこの街を発展させたいんでしょう?」

「ああ。でもできるだけ美しい自然は残していきたい。美しい自然と楽しい娯楽は両方実現できる。」

「それができたら素晴らしいわね!」

「うん。今後もクリスとは色々話し合っていうつもりだ。まかせっきりと言うわけにもいかないしな。」

俺たちはそんなことを話しながら海岸を歩いていった。

――――――――

俺たちはしばらくライン・ビーチに滞在し、あれこれと話しあったあと、街を立った。

最も話していたのは俺だけで、アカネ、アイリス、アイズはほとんど街や海を楽しんでいたみたいだけど。

帰りもアイズに乗って帰ることにした。早いからな。

「ユージさまぁ!また来てくだされ!」
「今度は魚介類だけではなく、美味しいお肉も用意しておきますぞ!」
「この街をよろしくお願いいたします!」

「ああ、できることはするつもりだ。皆も楽しみにしていてくれ。」
俺はそう挨拶を返すした。

そして、皆のお別れの挨拶を受けて俺たちは飛び立った。

――――――――

翌日。

「レイン、話があるんだが。」

「あら、何かまたお金儲けのお話ですの?」
レインは目ざといな。

「実はそうなんだ。今度与えられた領地のライン・ビーチでこんなことを考えていて・・」
と説明すると、

「あら!また面白いことをお考えになりましたわね!いいでしょう!スキー場も軌道に乗りそうですし、お父様にお話しておきますわ!」

「ありがとうレイン!助かる!」

「ユージ君。私も昨日父上にお話ししたよ!父上も乗り気だった。街の発展に貢献できるし、何より恩義あるユージ君に応えたいって!」

「ありがとうアイリス。感謝するよ!大貴族のヴァレンティ家が加わってくれたら財力だけじゃなく領地経営のやり方も知っているだろうしな。」

「ううん。なにせユージ君は命の恩人だからね?」
といってアイリスは笑った。

「また新事業か?君はいったい武術を志しているのか事業家を志しているのか・・・」
フレンダに苦言を呈されてしまった。

「ああ、事業の方はたまたまだよ。俺はあくまで1学生だから。」

「そのたまたまで武功をあげてきたのだな。まったく君は何をやらかすかわからんな。」

俺は苦笑するしかなかった。

「そのうち、事業家として名があがったりしてな!面白いじゃねぇか!名誉騎士に事業家なんてよ!」
ダースがそんな無責任なことを言う。

「いや、本当に事業はたまたまなんだ。またライム道場でしごいてもらうさ。」

「うむ。父上も待っているからな。まぁ君の忙しい事情は知っているから大丈夫だ。」

確かに、あちこちに行ってて中々ライム道場にもいけてないな。よしこれからしばらく修業に没頭するか。

「ああ、そうそうダースには少し相談があるんだ。」

「俺に相談?珍しいな?」

「ああ、ライムビーチの発展の一つとして街を充実させたい。その店の一つにダイビング・・海に潜れる器具ややり方を教える店を出したいんだ。」

「だいびんぐ・・?それは儲かるものなのか?」

「ああ、これも俺の国じゃ立派な産業として成立している。儲けにもなると思う。今の武具店で使っている道具を改良したら行けると思うんだが、どうだろう?初期投資はコルトン家とヴァレンティ家が面倒みてくれそうだし。」

俺はそこで細かいダイビングについての話をした。

「そりゃあ、儲けになるならありがてぇ話だけどよ。まぁ親父に話してみるわ。」

「うん。頼むよ。」

俺はそういうと席に戻った。

アカネは新しいオリジナル魔法、アイリスはキースに教えてもらって魔力障壁を修業するみたいだ。俺も負けないように頑張らないとな。
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