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第四章
底辺
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俺たちは初日にして底辺となった。
廊下を歩いていると
「おい、アイツ・・」
「ああ、レオルさんたちにこっぴどくやられた奴らだろ?」
「やっぱ人間族なんて大したことねぇな・・」
「しっ!聞こえるよ。一応女の子もいるんだから・・」
「聞こえたってかまわないでしょ?女もレィディンやパルティにやられてたじゃない。」
「くっ!」
アカネがくってかかろうとする。
「アカネ。今は我慢だ。」
と止める。
「だって・・あんまりじゃない!たかが一回負けたくらいで・・」
「もしかしたらエルフ族って人間にいい印象もってないのかな・・」
アイリスが心配そうに言う。
「それにしても失礼だわ!」
「僕も我慢できない。」
俺はなんとかアカネとアイズを押さえると与えられた教室へ向かった。
「あーみんな知ってると思うが、ローム王国からきた生徒さんだ。まぁ仲良くやるように。」
どこかなげやりに先生が言う。
「センセ―そんな奴らから学ぶことなんてないんですけどー!」
「予定早めてさっさと帰ってもらえばぁ?」
「ぎゃははは!みんなもっと優しくしろよ!女の子は見た目だけはいいんだからよ!見た目だけはな!」
もう罵詈雑言だ。
「はは・・まぁなんだ。その、短い間だが共に学ぶ仲間だ。とりあえずよろしく。」
先生が言う。
そして俺たちは指定された席へ着いた。
コツンッ
何か飛んでくる。
何だ?
紙屑のようだ。
後ろの方で男子学生がニヤニヤしてこっちを向いている。
そして次々に紙屑が投げられてくる。
さすがにアカネ達には投げられていないようだが、アカネは気づいている。
「ちょっと!あなた達いい加減にしなさいよね!」
アカネが立ち上がって声を荒げる。
「はぁ?俺たち何もしてないぜ?」
「被害者ぶんなよな?雑魚が」
「先生~早く授業進めてくださ~い」
「おいおい、お前らいいかげんにしないか。一応他国のお客さんなんだぞ?」
本当に一応、と言った感じで先生がたしなめる。
「はーい、わかりましたぁ!」
「ねぇそこの緋色の彼女?今度デートしない?」
「俺は金髪だな。スタイル抜群じゃん!」
「銀髪も中々だぜ?まぁ幼児体型だけどな!」
「男はどーでもいいけどな!ぎゃはは!」
罵声がやむことはない。
俺たちは一応ローム王国立魔術学園の代表だ。
何かあったらローム王国に悪影響を与えるかもしれない。
俺たちはじっと耐えた。
――――――――
休み時間。
俺がトイレに行こうとすると、
「おーい、俺が連れていってやろうかぁ?」
と男子学生数人が群れて俺を囲む。
「いや、大丈夫だ。場所はわかってるから・・」
「そういうなよ。一緒に行こうぜ?」
と言って肩に手を回す。
久々の感覚だな。
いじめられていたころは良くこんなことがあったっけ。
「おいおい!何黙ってんだよ!こっちこねぇか!」
とトイレの方へ連れて行く。
「お前みたいな冴えない奴がなんであんなカワイ子ちゃんばっか連れてんだぁ?何か弱みでも握ってんのかぁ?」
「いや、そんなことはしてない・・グハッ!」
「てめぇの返事は聞いてねぇんだよ!」
俺が答えようとしたときに膝蹴りを入れられた。
丁度息を吸った時だったので効いてしまった。
「おいおい、見た目通り軟弱かぁ?まぁこの前のレオルさんたちとの戦いでわかってるけどなぁ?」
「おいおい、いい加減にしたまえ。」
声がして振り向いてみるとレオルが大柄のイオンを連れて歩いて来ていた。
「弱いものいじめは感心しないな。その辺でやめておけ」
「へーい」
男子学生たちが立ち去る。
「まぁ、俺があいつらでも同じことしてたかもしれねぇけどな!ぎゃはは!」
イオンが金髪をかきあげながら笑う。
「・・あの、助かった。ありがとう」
「勘違いするな。君を助けたわけじゃない。我が誇りあるエルフ族に恥ずかしい真似をしてほしくなかっただけさ。」
「・・・・」
「ほら、もう授業がはじまるだろう?せめて勉強くらい少しは頑張ってほしいものだな。」
皮肉げにレオルが言った。
授業はさほど魔術学園と変わらないレベルだった。
ふと見ると、アカネとアイリスが必死に授業を聞いている。
勉強ができる2人だ。せめて勉強くらいは負けまいと思っているのかもしれない。
SクラスのアカネとBクラストップクラスのアイリスだ。そうそう勉強で遅れは取らないだろう。
「はい、じゃーこの問題を・・」
「はい!」
アカネが勢いよく手を挙げる。
「ああ、君は・・うーんと・・」
先生が名簿を見る。
「ああ、アカネ・ローゼンデール君ね。君らはいいから。」
それを聞いてアカネが柳眉を逆立てる。
「いいってどういうことですか?」
「君たちはお客さんだから。その辺で寝ててくれてればいいから。」
全く俺たちに教える気はなさそうだ。
「ユージ。僕あの先生嫌い。」
「ああ。俺もだ。だが我慢してくれよアイズ。下手したら魔術学園の悪評になっちゃうから。」
俺たちは歯ぎしりしながら授業を聞いていた。
相変わらず色んなものが飛んでくる中で。
――――――――
やっと昼食の時間になった。
「ユージ!私もう我慢できないわ!あいつら丸焦げにしてやりたい!」
アカネが憤慨する。
「私も・・ちょっとあのクラスはおかしいと思うな・・ケース学院長に言って変えてもらおうよ?」
「僕も賛成。」
「そうだな・・ちょっと話してみるか・・」
とそんなことを話していると。
「あれぇ~!ローム王国の雑魚軍団じゃん!」
クラスの奴らがからんできた。
「俺とデートしようぜぇ?人間じゃ味わえない楽しみを教えてやるからさぁ?」
「おいおい、やめとけよ。人間族なんてすぐババァになるぜ?」
「だから今だけなんだよ。一時の楽しみってやつ?」
俺たちが聞き流していると、
「無視すんなよ!可愛い子ちゃん!」
といきなりアイリスの胸を掴んできた。
「きゃっ!」
アイリスが悲鳴をあげる。
「ちょっと!あんたたち!」
すっかり頭に血が上っていたアカネが立ち上がる。
「アカネ!ダメだ!事件でも起こしたら学園に迷惑がかかる!」
俺はあわてて止めに入る。
「アイリス、大丈夫か?」
アイリスは動揺で震えていた。
「う・・うん。大丈夫。たいしたことないから・・」
「おいおい、俺たちに何かしたらレオルさんに言いつけちゃうからな~!」
「ぎゃははは!やばいって!今度こそこいつら手加減なしでやられちゃうじゃん!」
「あ~やっぱたまんねぇ!金髪ちゃんの胸、柔らかかったぁ~」
俺たちはそこで席を立って立ち去った。
――――――――
学院長の部屋にそのまま行く。
「ケース学院長、ちょっとよろしいですか?」
俺がノックをすると、
「ああ、誰だい?入りたまえ」
と声が返ってきた。
俺たちは部屋に入ると、
「ああ、なんだ君たちか。私は忙しいんだ。手短に頼むよ。」
とのっけから冷や水を浴びせてきた。
初日とえらい違いだな。
「あの、今のクラスですが、問題が多くて変えてもらいたいんですが・・。」
俺が言うと、
「ああ、あのクラスは問題児ばかり集まったクラスだからねぇ。まぁ・・そのなんだ。君たちの実力を見てあのクラスにしたんだよ。」
「私たちの実力ってなんですか?あの戦いだけで全てを知った風に言われるのは心外です!」
アカネが怒りもあらわに言う。
「何だキミは・・ああ、没落貴族のローゼンデール家の・・名前は・・アカネ君か。私にそんな口きいてると、外交にも悪影響が及ぶよ?私は政府にも繋がりがあるからね?」
「く・・」
アカネが堪える。
「家名だけで判断されるのは心外です!とにかく今のクラスはひどすぎます!」
アイリスが言う。
「アイリス・ローム・ヴァレンティ君。そうは言ってもねぇ・・うちは実力主義なんだよ。それが初日にああも無様な格好を全校生徒の前でさらされてはねぇ・・」
「戦いだけが全てじゃない。」
アイズが普段の無表情も忘れたように怒りもあらわに言う。
「戦いにはすべてが凝縮されている。少なくとも私の考えだ。さぁ、話は終わりだ。帰りたまえ。」
俺たちは追い出されるように学院長室を出された。
午後の授業。
俺たちは授業前に話し合い、なんとか一矢報いることを考えていた。
とりあえず、この学院滞在中に各々修業に励むことにした。
というかそれしか思い浮かばなかった。
放課後。与えられた宿舎にて。
俺は瞬動と後の先の技を。
アカネとアイリスは魔術起動速度の鍛錬。
アイズはどこかに飛んで行ってボロボロになって帰ってきていた。
廊下を歩いていると
「おい、アイツ・・」
「ああ、レオルさんたちにこっぴどくやられた奴らだろ?」
「やっぱ人間族なんて大したことねぇな・・」
「しっ!聞こえるよ。一応女の子もいるんだから・・」
「聞こえたってかまわないでしょ?女もレィディンやパルティにやられてたじゃない。」
「くっ!」
アカネがくってかかろうとする。
「アカネ。今は我慢だ。」
と止める。
「だって・・あんまりじゃない!たかが一回負けたくらいで・・」
「もしかしたらエルフ族って人間にいい印象もってないのかな・・」
アイリスが心配そうに言う。
「それにしても失礼だわ!」
「僕も我慢できない。」
俺はなんとかアカネとアイズを押さえると与えられた教室へ向かった。
「あーみんな知ってると思うが、ローム王国からきた生徒さんだ。まぁ仲良くやるように。」
どこかなげやりに先生が言う。
「センセ―そんな奴らから学ぶことなんてないんですけどー!」
「予定早めてさっさと帰ってもらえばぁ?」
「ぎゃははは!みんなもっと優しくしろよ!女の子は見た目だけはいいんだからよ!見た目だけはな!」
もう罵詈雑言だ。
「はは・・まぁなんだ。その、短い間だが共に学ぶ仲間だ。とりあえずよろしく。」
先生が言う。
そして俺たちは指定された席へ着いた。
コツンッ
何か飛んでくる。
何だ?
紙屑のようだ。
後ろの方で男子学生がニヤニヤしてこっちを向いている。
そして次々に紙屑が投げられてくる。
さすがにアカネ達には投げられていないようだが、アカネは気づいている。
「ちょっと!あなた達いい加減にしなさいよね!」
アカネが立ち上がって声を荒げる。
「はぁ?俺たち何もしてないぜ?」
「被害者ぶんなよな?雑魚が」
「先生~早く授業進めてくださ~い」
「おいおい、お前らいいかげんにしないか。一応他国のお客さんなんだぞ?」
本当に一応、と言った感じで先生がたしなめる。
「はーい、わかりましたぁ!」
「ねぇそこの緋色の彼女?今度デートしない?」
「俺は金髪だな。スタイル抜群じゃん!」
「銀髪も中々だぜ?まぁ幼児体型だけどな!」
「男はどーでもいいけどな!ぎゃはは!」
罵声がやむことはない。
俺たちは一応ローム王国立魔術学園の代表だ。
何かあったらローム王国に悪影響を与えるかもしれない。
俺たちはじっと耐えた。
――――――――
休み時間。
俺がトイレに行こうとすると、
「おーい、俺が連れていってやろうかぁ?」
と男子学生数人が群れて俺を囲む。
「いや、大丈夫だ。場所はわかってるから・・」
「そういうなよ。一緒に行こうぜ?」
と言って肩に手を回す。
久々の感覚だな。
いじめられていたころは良くこんなことがあったっけ。
「おいおい!何黙ってんだよ!こっちこねぇか!」
とトイレの方へ連れて行く。
「お前みたいな冴えない奴がなんであんなカワイ子ちゃんばっか連れてんだぁ?何か弱みでも握ってんのかぁ?」
「いや、そんなことはしてない・・グハッ!」
「てめぇの返事は聞いてねぇんだよ!」
俺が答えようとしたときに膝蹴りを入れられた。
丁度息を吸った時だったので効いてしまった。
「おいおい、見た目通り軟弱かぁ?まぁこの前のレオルさんたちとの戦いでわかってるけどなぁ?」
「おいおい、いい加減にしたまえ。」
声がして振り向いてみるとレオルが大柄のイオンを連れて歩いて来ていた。
「弱いものいじめは感心しないな。その辺でやめておけ」
「へーい」
男子学生たちが立ち去る。
「まぁ、俺があいつらでも同じことしてたかもしれねぇけどな!ぎゃはは!」
イオンが金髪をかきあげながら笑う。
「・・あの、助かった。ありがとう」
「勘違いするな。君を助けたわけじゃない。我が誇りあるエルフ族に恥ずかしい真似をしてほしくなかっただけさ。」
「・・・・」
「ほら、もう授業がはじまるだろう?せめて勉強くらい少しは頑張ってほしいものだな。」
皮肉げにレオルが言った。
授業はさほど魔術学園と変わらないレベルだった。
ふと見ると、アカネとアイリスが必死に授業を聞いている。
勉強ができる2人だ。せめて勉強くらいは負けまいと思っているのかもしれない。
SクラスのアカネとBクラストップクラスのアイリスだ。そうそう勉強で遅れは取らないだろう。
「はい、じゃーこの問題を・・」
「はい!」
アカネが勢いよく手を挙げる。
「ああ、君は・・うーんと・・」
先生が名簿を見る。
「ああ、アカネ・ローゼンデール君ね。君らはいいから。」
それを聞いてアカネが柳眉を逆立てる。
「いいってどういうことですか?」
「君たちはお客さんだから。その辺で寝ててくれてればいいから。」
全く俺たちに教える気はなさそうだ。
「ユージ。僕あの先生嫌い。」
「ああ。俺もだ。だが我慢してくれよアイズ。下手したら魔術学園の悪評になっちゃうから。」
俺たちは歯ぎしりしながら授業を聞いていた。
相変わらず色んなものが飛んでくる中で。
――――――――
やっと昼食の時間になった。
「ユージ!私もう我慢できないわ!あいつら丸焦げにしてやりたい!」
アカネが憤慨する。
「私も・・ちょっとあのクラスはおかしいと思うな・・ケース学院長に言って変えてもらおうよ?」
「僕も賛成。」
「そうだな・・ちょっと話してみるか・・」
とそんなことを話していると。
「あれぇ~!ローム王国の雑魚軍団じゃん!」
クラスの奴らがからんできた。
「俺とデートしようぜぇ?人間じゃ味わえない楽しみを教えてやるからさぁ?」
「おいおい、やめとけよ。人間族なんてすぐババァになるぜ?」
「だから今だけなんだよ。一時の楽しみってやつ?」
俺たちが聞き流していると、
「無視すんなよ!可愛い子ちゃん!」
といきなりアイリスの胸を掴んできた。
「きゃっ!」
アイリスが悲鳴をあげる。
「ちょっと!あんたたち!」
すっかり頭に血が上っていたアカネが立ち上がる。
「アカネ!ダメだ!事件でも起こしたら学園に迷惑がかかる!」
俺はあわてて止めに入る。
「アイリス、大丈夫か?」
アイリスは動揺で震えていた。
「う・・うん。大丈夫。たいしたことないから・・」
「おいおい、俺たちに何かしたらレオルさんに言いつけちゃうからな~!」
「ぎゃははは!やばいって!今度こそこいつら手加減なしでやられちゃうじゃん!」
「あ~やっぱたまんねぇ!金髪ちゃんの胸、柔らかかったぁ~」
俺たちはそこで席を立って立ち去った。
――――――――
学院長の部屋にそのまま行く。
「ケース学院長、ちょっとよろしいですか?」
俺がノックをすると、
「ああ、誰だい?入りたまえ」
と声が返ってきた。
俺たちは部屋に入ると、
「ああ、なんだ君たちか。私は忙しいんだ。手短に頼むよ。」
とのっけから冷や水を浴びせてきた。
初日とえらい違いだな。
「あの、今のクラスですが、問題が多くて変えてもらいたいんですが・・。」
俺が言うと、
「ああ、あのクラスは問題児ばかり集まったクラスだからねぇ。まぁ・・そのなんだ。君たちの実力を見てあのクラスにしたんだよ。」
「私たちの実力ってなんですか?あの戦いだけで全てを知った風に言われるのは心外です!」
アカネが怒りもあらわに言う。
「何だキミは・・ああ、没落貴族のローゼンデール家の・・名前は・・アカネ君か。私にそんな口きいてると、外交にも悪影響が及ぶよ?私は政府にも繋がりがあるからね?」
「く・・」
アカネが堪える。
「家名だけで判断されるのは心外です!とにかく今のクラスはひどすぎます!」
アイリスが言う。
「アイリス・ローム・ヴァレンティ君。そうは言ってもねぇ・・うちは実力主義なんだよ。それが初日にああも無様な格好を全校生徒の前でさらされてはねぇ・・」
「戦いだけが全てじゃない。」
アイズが普段の無表情も忘れたように怒りもあらわに言う。
「戦いにはすべてが凝縮されている。少なくとも私の考えだ。さぁ、話は終わりだ。帰りたまえ。」
俺たちは追い出されるように学院長室を出された。
午後の授業。
俺たちは授業前に話し合い、なんとか一矢報いることを考えていた。
とりあえず、この学院滞在中に各々修業に励むことにした。
というかそれしか思い浮かばなかった。
放課後。与えられた宿舎にて。
俺は瞬動と後の先の技を。
アカネとアイリスは魔術起動速度の鍛錬。
アイズはどこかに飛んで行ってボロボロになって帰ってきていた。
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