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03 救いとお誘い
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今日は、私にとって見過ごせないイベントがある。それは王宮魔導士部へ回復ポーションを届けることだ。フランさんのポーションは優秀なため、主に重傷者に配給される。
ルーク様に会えるなら会いたいけれど、重傷を負っていて欲しいわけではない...
そんな微妙な心持ちで王宮へ向かった。
「フラン様の使いが来たぞ。」
「門を開けろ」
そんなに盛大に言われるとなんだか私が偉い人見たいに思えてしまう・・・
さてと・・・あ、あった。魔物討伐軍救護場。えーと私は重傷者のところだから
もう少し、奥かな・・・・
「おい、聞いたかお前?」
「あぁ騎士団長様のことだろ?」
「なんでもあの傷じゃ、復帰は望めないみたいだぞ・・・」
え・・・・?騎士団様?まさか・・・
私は気がついたときには走り出していた。はぁはぁ・・・ここだ...
深呼吸をしてから扉に手をかける。
あ・・・・・
ガチャンッ
私は目の前の光景に驚き、持ってきたポーションを落としてしまった。
「ル...ルーク様?」
「あぁ、この前の君か・・・こんな情けない姿を見せたくなかったんだけどなあ」
そこには片足がないルークが横になっていた。他にも周りにはひどい重傷を負っている人が大勢いた。いったいなにがあったのだろうか?
「みなさん。何があったのですか?」
「実は、上位魔獣の群れにわしらの部隊は遭遇しちまったんだよ。それで、ここにいる者たちは殿として本部隊を逃すための時間稼ぎをしていたわけじゃ」
「それで・・・ルーク様も?」
「はい、騎士団長は僕たちを庇ってあのような怪我を・・・・・」
ルーク様があれぼどやられるなんてどんな魔物なんだろう。
そういえば、あの聖女はいないのかな?
重傷者の集まりならいるはずだよなぁ...
私は無事だったポーションを負傷者に渡しながら周りを確認するも見つけることは出来なかった。
「あの、聖女はいないのですか?ルーク様。」
「メリダのことか・・・彼女なら中軽傷者の治療をしているよ」
「なぜ、ここには来ないのですか?一番優先すべきはこの方々では?」
「彼女は、自分の良い噂だけを流したいがために重傷者のような治療が難しい者たちには構わないんだよ・・・」
どこまでも腐ってる・・・あの駄目聖女は。私がやるしかない・・・この人たちを救えるのはわたしだけだ。だが、私の時間魔法は連発することができない。この人数をどう治療しろと・・・?頭を抱えていると聞き慣れた声が聞こえてきた。
「レナ、どうしてここに・・・?」
「フランさんがどうしてもこれをセナに届けてほしいって言うから無理言って入ってきた。」
私はレナから一つのポーションを受け取った。私はそのポーションを見て驚いた。そのポーションは魔力増強の高ポーションだった。こんな貴重なものをどうして・・・
「フランさんがね、あなたが救いなさい。って言ってたよ」
「でも・・・」
「今は迷ってる暇なんてないよ。目の前の救える命を救わないと・・・」
「うん、そうだよね。分かった」
私はポーションの蓋を外し、中身を飲んだ。なんだか優しい味がした。フランさん、ありがとう・・・。いつもたすけてもらってるな・・・
『時間魔法ー空間反転ー』
天井に巨大な時計盤が現れ、この部屋にいる全ての人を傷を負う前の体に戻していく・・・なかなか魔力の消費が多い...
でも、私がやらなきゃいけないんだ・・
「おぉ、傷が治ったぞ。」
「俺もだ。なくなっていたはずの左手が動く・・・」
「セナ。お前はすごいな、私の足まで治せるとは・・・」
「はぁはぁ、でもフランさんがいなかったら・・・きっと無理でした」
「セナの力あってこそだな。」
すると。ルークは私の頭を優しく撫で始めた。
「えっ?・・・」
自分でも分かるほど顔が熱かった。湯気でも出てるんじゃないか?
はわぁ、どうしよぉ~こんなとこ誰かに見られたら・・・
「ふーん。そうなんだセナ。まさか、王子とねぇ。うん。いいと思うよ私は」
「いや、別にそう言うのじゃないから!」
「はいはい、分かったよ。ツンさん」
「誰がツンよ。ほら薬師見習いは出て行け~~」
私はどうにかして彼女を部屋から出すと
周りの人が私に注目していることが分かった。
「まるで・・・聖女のようだ。傷は癒え
付き人との関係も良いみたいだし・・」
「もう、いっそ、二人目の聖女でいいんじゃないかな・・・」
多くの称賛の声で部屋が満ちてた。
私なんかがこんなに色々な人に必要としてもらえていいのかなぁ・・・・
「あのっ。今日は失礼します」
私は恥ずかしくなり、部屋を出ていってしまった。
パシッ
ん・・・?
「ちょっと待てセナ。こんどフランさんの店に遊びにきてもいいか?今日のお礼もしたいし・・・フランさんにも感謝しないといけない。騎士団長として・・・」
「はい、べ、別に良いですよ...」
「そうか、それはよかった・・・」
「じゃあ、気をつけて帰れよ。私は職務があるから今日はこの辺で...」
はぁ、びっくりした。
私はルークに握られた手をじっと見つめていた・・・でも、今更、人を救ったていう自覚がでてきたなぁ・・・
もう少し魔法を勉強してこの力を人のために役立てたいな
その日は魔導書店で基本の魔法書を買い
スキップをしながら家に戻った。
ルーク様に会えるなら会いたいけれど、重傷を負っていて欲しいわけではない...
そんな微妙な心持ちで王宮へ向かった。
「フラン様の使いが来たぞ。」
「門を開けろ」
そんなに盛大に言われるとなんだか私が偉い人見たいに思えてしまう・・・
さてと・・・あ、あった。魔物討伐軍救護場。えーと私は重傷者のところだから
もう少し、奥かな・・・・
「おい、聞いたかお前?」
「あぁ騎士団長様のことだろ?」
「なんでもあの傷じゃ、復帰は望めないみたいだぞ・・・」
え・・・・?騎士団様?まさか・・・
私は気がついたときには走り出していた。はぁはぁ・・・ここだ...
深呼吸をしてから扉に手をかける。
あ・・・・・
ガチャンッ
私は目の前の光景に驚き、持ってきたポーションを落としてしまった。
「ル...ルーク様?」
「あぁ、この前の君か・・・こんな情けない姿を見せたくなかったんだけどなあ」
そこには片足がないルークが横になっていた。他にも周りにはひどい重傷を負っている人が大勢いた。いったいなにがあったのだろうか?
「みなさん。何があったのですか?」
「実は、上位魔獣の群れにわしらの部隊は遭遇しちまったんだよ。それで、ここにいる者たちは殿として本部隊を逃すための時間稼ぎをしていたわけじゃ」
「それで・・・ルーク様も?」
「はい、騎士団長は僕たちを庇ってあのような怪我を・・・・・」
ルーク様があれぼどやられるなんてどんな魔物なんだろう。
そういえば、あの聖女はいないのかな?
重傷者の集まりならいるはずだよなぁ...
私は無事だったポーションを負傷者に渡しながら周りを確認するも見つけることは出来なかった。
「あの、聖女はいないのですか?ルーク様。」
「メリダのことか・・・彼女なら中軽傷者の治療をしているよ」
「なぜ、ここには来ないのですか?一番優先すべきはこの方々では?」
「彼女は、自分の良い噂だけを流したいがために重傷者のような治療が難しい者たちには構わないんだよ・・・」
どこまでも腐ってる・・・あの駄目聖女は。私がやるしかない・・・この人たちを救えるのはわたしだけだ。だが、私の時間魔法は連発することができない。この人数をどう治療しろと・・・?頭を抱えていると聞き慣れた声が聞こえてきた。
「レナ、どうしてここに・・・?」
「フランさんがどうしてもこれをセナに届けてほしいって言うから無理言って入ってきた。」
私はレナから一つのポーションを受け取った。私はそのポーションを見て驚いた。そのポーションは魔力増強の高ポーションだった。こんな貴重なものをどうして・・・
「フランさんがね、あなたが救いなさい。って言ってたよ」
「でも・・・」
「今は迷ってる暇なんてないよ。目の前の救える命を救わないと・・・」
「うん、そうだよね。分かった」
私はポーションの蓋を外し、中身を飲んだ。なんだか優しい味がした。フランさん、ありがとう・・・。いつもたすけてもらってるな・・・
『時間魔法ー空間反転ー』
天井に巨大な時計盤が現れ、この部屋にいる全ての人を傷を負う前の体に戻していく・・・なかなか魔力の消費が多い...
でも、私がやらなきゃいけないんだ・・
「おぉ、傷が治ったぞ。」
「俺もだ。なくなっていたはずの左手が動く・・・」
「セナ。お前はすごいな、私の足まで治せるとは・・・」
「はぁはぁ、でもフランさんがいなかったら・・・きっと無理でした」
「セナの力あってこそだな。」
すると。ルークは私の頭を優しく撫で始めた。
「えっ?・・・」
自分でも分かるほど顔が熱かった。湯気でも出てるんじゃないか?
はわぁ、どうしよぉ~こんなとこ誰かに見られたら・・・
「ふーん。そうなんだセナ。まさか、王子とねぇ。うん。いいと思うよ私は」
「いや、別にそう言うのじゃないから!」
「はいはい、分かったよ。ツンさん」
「誰がツンよ。ほら薬師見習いは出て行け~~」
私はどうにかして彼女を部屋から出すと
周りの人が私に注目していることが分かった。
「まるで・・・聖女のようだ。傷は癒え
付き人との関係も良いみたいだし・・」
「もう、いっそ、二人目の聖女でいいんじゃないかな・・・」
多くの称賛の声で部屋が満ちてた。
私なんかがこんなに色々な人に必要としてもらえていいのかなぁ・・・・
「あのっ。今日は失礼します」
私は恥ずかしくなり、部屋を出ていってしまった。
パシッ
ん・・・?
「ちょっと待てセナ。こんどフランさんの店に遊びにきてもいいか?今日のお礼もしたいし・・・フランさんにも感謝しないといけない。騎士団長として・・・」
「はい、べ、別に良いですよ...」
「そうか、それはよかった・・・」
「じゃあ、気をつけて帰れよ。私は職務があるから今日はこの辺で...」
はぁ、びっくりした。
私はルークに握られた手をじっと見つめていた・・・でも、今更、人を救ったていう自覚がでてきたなぁ・・・
もう少し魔法を勉強してこの力を人のために役立てたいな
その日は魔導書店で基本の魔法書を買い
スキップをしながら家に戻った。
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