勘違いから始まりましたが、最強辺境伯様に溺愛されてます

かほなみり

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最終章 深淵

まどろみ※

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 天蓋を覆うレースのカーテンの向こう、空がうっすらと白んできた頃。遠くに鳥の声がする。

 ぼんやりと目を開き、側に熱を感じて視線を向けるとベッドにはレオニダスが眠っていた。

「!?」

 驚いて飛び起きそうになるのを必死に耐える。
 寝て…、寝てる? レオニダスが寝てる! 初めて見た!

 いつもは私より先に起きていたり、仕事に行っていなかったり。だから、レオニダスが無防備に眠っているのを初めて見た。

 ……この際だからしっかりと観察する事にしよう、うん。

 長い睫毛、彫りの深い目許。高い鼻梁に薄らと開いた唇。白い肌はきめが細かく綺麗。無造作に降ろされた前髪が眠っている顔をいつもより幼く見せる。
 なんか…凄くイケメン…
 なんだかキュンとときめいてしまった。そっと頬にキスをする。うふふ。


 ……それにしてもどうして上半身裸なのかしら。
 暑かった? あれ? ここ私の部屋だよね?
 今まで部屋にいつの間にか入ってきた事はなかったのに。

 ついでに上半身もしっかり観察してみる。

 胸にある大きな傷跡。他にも細かな傷跡が身体のあちこちに幾つもあり、そっと指でなぞってみる。鍛えられた肉体。胸筋も腹筋も作り物みたい。
 こんな身体テレビでしか見た事ない。ていうか何これ、こんなとこにも筋肉ってあるの? 何筋? 脇腹とか、何これ背中とか!?

「……くっ」

 レオニダスの筋肉を真剣に観察していると、頭上から笑い声が降ってきた。

 ぎゃーっ! 起きてた!
 一気に頭が覚醒する。

「れ、れれれれおっ」
「くっ、すまん、くっくっ、何やら楽しそうで、声を掛けそびれた」

 身体を震わせて笑うレオニダス。

「い、いつから…っ」
「うん? キスをくれた所から?」

 結構前ですね!?

「好きなだけ触っていいぞ? 言っただろう、俺の心も身体もカレンのものだと」

 そうですけど! それって物理的な意味なのかな!?

「キスは? こっちにくれないのか?」

 レオニダスの胸元で羞恥に身悶える私をグイッと引き上げて視線を合わせる。

「待っていたんだが」

 レオニダスは至近距離で真っ赤になった私を面白そうに覗き込む。

「レ、レオニダス」
「うん?」
「…おはよう…」
「おはよう」

 ちゅ、とレオニダスにキスを贈る。
 ~~っ、恥ずかしすぎる…っ!
 身体を観察しまくってたとか! いやだって、あんまりじっくり見ることなんてないからね? なんかつい!

「今日は何をして過ごす予定だ?」

 ちゅ、と唇を触れ合わせながらレオニダスがゆったりと背中を撫でる。気持ちいい。

「今日は…ナサニエルと、新しいパン作り…ん…」

 レオニダスの掌が背中から腹部へと大きく撫でながら移動する。

「そうか…。カレン、…しばらく街へ出るのを控えて欲しい」
「……うん、分かった」
「そうか…? そう、か」
「何?」
「…いや、随分聞き分けがいいと思ってな」
「ふふ、何それ。だって、ちゃんと理由があるんでしょう?」
「……ああ」
「うん、だから大丈夫。オーウェンさんに手紙も出しておくから」

 分かったよ、ともう一度返事をしてレオニダスの身体に腕を回すと、抱き締め返してくれたレオニダスが頭上で深く息を吐いた。
 レオニダスは意味もなく私に駄目だとは言わない。街へ行かない方がいい理由がちゃんとあるはず。分かってるから、大丈夫だよ。

「あ、でも一日だけ許して欲しい日があるんだけど」
「うん?」
「夏祭りの屋台で出すメニューをね、オーウェンさんと料理人と相談しなくちゃいけなくて」
「……分かった。その日が決まったら教えてくれ。ただし早い時間だ。夜は駄目だぞ」
「大丈夫。ちゃんと護衛と一緒に行くし、長居はしないから」
「それにしてもカレンは祭りが好きだな」
「好きだよ! レオニダスは?」
「もう暫く祭りには行っていないが……カレンと一緒に回りたいな」
「本当? 私もレオニダスと回りたい」
「約束だ。一緒に回ろう」

 優しく額にキスをくれるレオニダスに愛しさが込み上げて来て見上げると、今度は唇にゆっくりとキスをくれる。でもなんだかそれだけじゃ物足りなくて、優しく背中や頭を撫でてくれるその手にもっと、と強請りたくなる。

「…カレン?」
「ん、ん?」
「いつもこんな姿で眠っているのか?」

 そう言えば。
 私の格好はシュミーズを短く切ってキャミソールにした肌着とオリビアさんが作ってくれたあの下着。
 ん? またこのパターン?

「え…っと、アンナさんが来る前には部屋着を着るよ?」

 レオニダスの眉間に皺が寄る。
 あれ? そういう事じゃなく?

「不埒な奴が侵入して来たらどうする」
「侵入」
「窓だって開いていたぞ」
「それは、ごめんなさい…」

 邸は護衛騎士が二十四時間体制で警備していると聞いていたから、確かに不用心だった。でもこの季節、窓閉めて寝るとか辛い…。

「これだって」

 ゆっくりと身体を撫でていた手がキャミソールの中に侵入してくる。

「ん、…ぁ」

 レオニダスの指が下胸を羽のように擽ぐる。

「こんなにすぐ、カレンに触れる事が出来る」

 やわやわと胸を揉みあげ、頂きの周りを指で擽ぐる。その焦らすような動きに思わず腰が揺れた。レオニダスはグイッと脚の間に片脚を割り入れて私の秘部に膝を擦り付ける。

「…っん、あっ」

 腰を引き寄せ身体を密着させる。
 でも、それ以上は触れてこない。

 唇を合わせ、ちゅ、ちゅ、と啄むだけ。
 我慢できず、はむ、とレオニダスの唇を食むとレオニダスの口角が上がる気配がした。ペロリと唇を舐められ、その舌に自分の舌を差し出して絡め合わせてもそれ以上は深くならない。
 レオニダスはちゅ、ちゅっと唇から顎、そして首と、唇を這わせていく。ねっとりと分厚い舌が首筋を舐め上げ唇で食み、その気持ちよさに深く息を吐いた。

「カレン」

 仰向けに身体を倒されレオニダスが覆いかぶさってくる。
 見上げると今にも食い付かんとする獰猛な眼差しで黄金の瞳が私を見下ろしている。幼く見えるなんて撤回。
 情欲に濡れた瞳は大人の色気が溢れ出て、目があっただけなのにお腹の奥がジンとした。
 それでもレオニダスの手はやわやわと胸を触りお腹を撫で、太ももを撫で上げるだけ。首筋や鎖骨に舌を這わせお腹や腰にキスをするけど、それ以上は決してしない。
 中途半端な快感がもどかしく、身を捩って逃げようとするとレオニダスが指を絡め取り私の脚の間に身体を割り入れた。下腹部にレオニダスの硬い楔が押しつけられて顔が熱くなった。

「カレン……どうして欲しい?」

 そう言ってレオニダスはゆっくり身体を擦り付ける。熱い楔が花芽を擦り腰が跳ねた。

「んっ、ぁあっ」

 熱の灯った身体は敏感になっていて、少しの肌の触れ合いでジンジンと身体が疼く。
 ポタリとレオニダスから汗が滴り落ちた。
 見上げればじっとりと汗ばんだレオニダスの黄金の瞳が細められ、その色気にゾクゾクと身体が震えた。

「カレン?」

 変わらずゆったりと身体を揺らすレオニダスに両手の指を絡め取られたまま縋り付くこともできず、顔を見上げて私が今一番して欲しいことを伝える。

「…っ、キス、がしたい」

 レオニダスは口端を上げ、ちゅ、ちゅっとキスを降らせた。

「ダメ、ちが…っ、れお、れお、もっと…っ」

 恥ずかしくも懇願すると、すぐに唇を合わせ深く深くキスをする。レオニダスの舌が口内を蹂躙し、舌先を擦り合わせ上顎を舐め、ぐちゅぐちゅと音を立て唾液が溢れた。

「んっ、…ふ、ふぁっ、あっ」

 抱き着きたい。
 縋り付きたい。

「れお、んんっ、ぎゅって、したい…っ」

 絡め取られていた手が離され私はレオニダスの首に腕を回しギュッと縋り付く。レオニダスは私の腰に両腕を回しきつく抱き締めてくれた。
 変わらず擦り付けられる熱い楔に翻弄され、溢れ出た愛液で下着がグショグショになっている。

「カレン…、もっと、俺を求めろ」

 するりと下着の紐を解きすっかり用を成さなくなったそれを抜き取る。
 レオニダスは身体を起こしトラウザーズの前をくつろげ自分のものを取り出すと、愛液を塗りつけるようにあわいに擦り付けた。
 ぐちゃぐちゃと水音を立て鋒が花芽を擦る。

「あっ、あんっ、んんっ」

 ひくひくとあわいがレオニダスを求める。

「カレン……もっとだ」

 レオニダスの指がキュッと花芽を摘んだ。

「ああっ」

 腰が反り脚がピンと伸びる。
 レオニダスは擦り付けるのを止め、私の膝裏を押し上げ大きく開いた。あ、と声を上げる間も無くレオニダスが顔を埋めあわいを舌で舐め上げる。

「ぃ、あっ、あぁっ、レオニダス…っ」

 あわいを舌で掻き分け溢れ出る愛液を啜る。ずぶずぶ、グチュグチュと卑猥な音を立てて舌が浅い所を搔き混ぜ、嬲る。

「れお…っ、ああっ、レオニダスっ、……っ!」

 ガクガクと脚が震え出し、私の視界は白く染まった。

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