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序章 恋に落ちる
「下がっていろ!」
声を張り上げてからすぐ、俺は頭の片隅で少しだけ後悔した。
こんな図体で大声を上げては、きっとまた怖がられるのだろう、と。
だが、その場にいた女性は臆することなく、道の反対側で暴れ出した馬に気が付き、さっと身を翻して駆けて行った。
「あっ、おい!」
スカートの裾を持ち上げて駆け出した背中に向けて、ついまた大きな声を上げる。彼女はそんな俺をパッと振り返った。
青空の下、人々の叫ぶ声や馬のいななき、荷が崩れる大きな音。そんな騒がしい混乱したこの場所で、彼女のヘーゼルの瞳が美しく輝き、まっすぐに俺を見た。
「安全な場所まで馬を移動させましょう! あなたはその子を繋いだら、あっちの子をお願い!」
「!?」
濃紺のツーピースに身を包み、真っ黒な髪をなびかせた彼女は、そう叫んですぐに背中を向けて駆けだした。
(待ってくれ、もう一度……)
もう一度、その美しいヘーゼルの瞳が見たい。
それは人生で初めて、相手から目が離せなくなるほど心を奪われた瞬間だった。
声を張り上げてからすぐ、俺は頭の片隅で少しだけ後悔した。
こんな図体で大声を上げては、きっとまた怖がられるのだろう、と。
だが、その場にいた女性は臆することなく、道の反対側で暴れ出した馬に気が付き、さっと身を翻して駆けて行った。
「あっ、おい!」
スカートの裾を持ち上げて駆け出した背中に向けて、ついまた大きな声を上げる。彼女はそんな俺をパッと振り返った。
青空の下、人々の叫ぶ声や馬のいななき、荷が崩れる大きな音。そんな騒がしい混乱したこの場所で、彼女のヘーゼルの瞳が美しく輝き、まっすぐに俺を見た。
「安全な場所まで馬を移動させましょう! あなたはその子を繋いだら、あっちの子をお願い!」
「!?」
濃紺のツーピースに身を包み、真っ黒な髪をなびかせた彼女は、そう叫んですぐに背中を向けて駆けだした。
(待ってくれ、もう一度……)
もう一度、その美しいヘーゼルの瞳が見たい。
それは人生で初めて、相手から目が離せなくなるほど心を奪われた瞬間だった。
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