聖女はちきゅうさん。

hikumamikan

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十九 託された想い。

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 ┅┅┅┅┅日本の神 ヒルコが承けた依頼┅┅┅┅

「清い魂とな?」
「ああ、出来るだけ平等に見れる魂をな」

 異界の神の突然の訪問。
 たまに有るのだが魂の受け渡しが主目的。

 記憶を強く持った思念エナジーの交換みたいな事は時折行われる。
 それはお互いの世界のエネルギー均衡を保つ為。
 或いは神の改革促進促進の為等多岐に渡る。

 今回私(ヒルコ)の所に来たのは清らかな魂が欲しいと言う依頼。
 ここで言う清らかは概ね平等な心を有した者で有る。

「聖女候補ねえ・・・」
「妾の世界に一つ困った宗教が出来てな。宗教自体は自由に作らせておるが、どうにも近年悪徳過ぎて困っておる。なに、妾が潰せばそれで終わりじゃが・・・」

「・・・まあ余計な民を殺す事にも成るわなあ」
「有能な人物なんかも居るでのう」
「まあ儂でも津波とか起こして滅する事も有るが、関係ない民をも殺してしまうからなあ」
「印を付け保護するにしても、妾の神力では無事とはいかんから、妾の加護を与えた聖女がいるのじゃ」
「何で儂に頼むかのう。カチの神かもっと上の神、或いはそれに特化した世界の神がおろうに」
「・・・ほれ、あ奴等は大雑把であろう」
「儂にしても海の死者しか扱えんから、カチの神に頼むしか無いぞ」
「それ、それをお主が精査してくれれば良い」
「う~ん、神としては儂より上位のお主の頼みだからやってはみるが・・・」
「それで良い。完全でも無くて良い。少し位欠陥品の方が面白いであろうし」
「あい分かった。探して送る事にしよう」
「済まぬのう。ではお暇するぞえ」
「ああ御苦労、近日中に連絡を入れる」
「頼む」


 全く、昔からの付き合いじゃから承け負うたが、早速兄弟神に頼まねば成るまいて。


 ┅┅┅┅ヒルコ兄弟神─カチ(陸)の神┅┅┅┅


「和多都美(ヒルコ)様から頼みの有った魂を集めましたがお送り致しますか?」
「そうじゃな兄上の頼みじゃお送りいたせ。望みの魂を見つけたなら、下々の神を労いを・・・何時もので」
「主様の大好きなお酒がまた減りますな」
「苦労をかけておるからそれぐらいせねばな。ささ、手早く頼む」
「はっ、即座に」


   ┅┅┅┅┅ヒルコの舘┅┅┅┅┅

 
おお、弟から早速来たのう。
ポイッ、ポイッ。
ポイッポイッポイッ。
魂にしてはぞんざいな扱いである。

まあそんなに簡単には見・・・つかったかな?。
あはは、ヤクザの組長だと。
・・・しかし、うむ確かに清らかじゃ。
まさかヤクザとはな。
・・・・・・確かにこれで有れば文句はあるまい。


  ┅┅┅┅┅┅カブナ神の舘┅┅┅┅┅┅

 うん!。
「随分と早いのうヒルコからの連絡かえ」
「はいその様です」
「大義じゃ下がって良いぞ」
「はっ、それでは」
 妾の眷属が消えてから結界を張り、送られて来た空間魔法の箱を開けた。

 成る程清らかな魂だのう。
 荒ぶる心と清らかな心が同席した魂だったが、カブナ神は体を若い頃に再構築した。
 神が再構築した体はこの世界のヒト族より頑丈で有る。
 送られた空間魔法の箱はそのまま付与されている。

 ふむ、元ははちきゅうさん?。
 何じゃこれは・・・、まあ良い。
 それから各魔法や固有スキルなんかの付与。
 まあ変な、腕っぷしなんて物を注文されたわな。
 さてさて、いちおうテストはしておくか。

 妾はきゃつを川の中洲へ落とした。
 何か心の中で画策しおったが・・・。
 面白いやって見せろと乗ってやった。
 こやつ面白い。
 気に入ったので言葉に表した事等も含めて色々魔法とかサービスしてやったわい。


 その後をみてこやつなら任せられると、ついにトンギスハル聖教の粛清に踏み切った。
 妾が印を付けミズキが魔法で吹っ飛ばす。
 罪が重い者は死に、軽い者は生き延びた。
 一番悪い二人はミズキ自ら成敗せよと、神託を出しておいた。
 この事の前に、各教会や各国王そして各ギルドマスター等には神託を出しておいたから、トンギスハルの冒険者ギルドが現場に急行した。
 地下の入り口の鍵も妾が壊したので、彼等は難なく入って様々なおぞましい証拠も見つけおった。
 ミズキが成敗した二人は、近隣や旅人のおなごを監禁して、手篭めにしたり凌辱の限りを尽くしていた。またそのおなごを探しに来た家族や知人をも殺して、金品を奪っていた。
 その他有りとあらゆる不正や盗賊を使っての目の余る横暴。
 その証拠も殆どがそこに有った。
 この事でミズキには追手も指名手配なんてのも無い。
 無罪放免と成った。

 だが、カブナ教聖女ミズキは世間からは恐れられる存在には成る。
 それも耐えてくれると思っての起用だ。


 ┅┅┅カブナ教大聖女ミズキ一行の北巡行┅┅┅

「追手も全く来ませんね」
「それは大丈夫だ。カブナ神が先触れを出して色々通達している。彼奴等の悪行は白日の下に晒され私達が罪に問われる事は無い」
「そっそうなんだ・・・」
 改めて個人で神託を受けていたミズキをフォンシーヌは聖女と実感した。


そして北東のある町が見えてきた。
「ツエンティの町です」
「ここはどんな町なのかな?」
「何でも紡績業が盛んで機織り所が多数有って、色々な生地や服が買えるそうです」
「それにしてもフォンシーヌは良く知ってるな」
「そりゃ冒険者に成る為勉強しましたから」
「あたしゃ何にも知らないから助かるよ」

そう言えば二人とも随分と服が傷んでいるから、ここで作り直そうかな。
セーラー服を濃紺にしてみよう。
勿論スカーフは白だ。


町に入る時、私の顔や服装はマジマジと見られた。
おそらく門番には通達がしてあるのだろう。
今ので各ギルドや領主には連絡が行く事になる。

まあ何も手出ししなければ此方も穏便に済ます。


早速宿を取り飯屋も物色して時間が有るから冒険者ギルドを覗いた。
「これなんかどうだフォンシーヌ」
「あっ、丁度東に行く依頼ですね」
「そうだろ依頼料金安目だけど馬車1台だしな」
「そうですね余り裕福な商人でも無いからでしょうね」

そう言う訳で明日の朝直に依頼者と顔を合わせる事に成ったが、護衛が得られなくとも明日の朝出発予定だったとか。


次の朝指定の門に行くと親子連れの馬車だった。
父と娘の二人連れ商人で確かに裕福ではなさそうだ。
「護衛依頼受けて頂き有り難うございます」
「「いえいえこちらこそよろしく」」
「ヨロシク~」
「う~ん可愛いね、よろしく」
フォンシーヌは娘さんにメロメロだ。

2頭引き馬車には荷物満載なので、私達は徒歩で行く。
積み荷は主に生地(反物)で、後は少しの生活品と旅の食料。


野営中寝る前に・・・。

「来ぬ人を 松帆の浦の・・・」
「はいっ」
「あ~、早いよマイムちゃん」
「あはは、5才児に負けてるぞフォンシーヌ」
「もう、悔しいわ」
私が厚紙を生成して作ったカルタを馬車の中でやっている。
マイムちゃんは百人一首の綺麗な着物に喜んでいた。
護衛が終わったらあげよう。


因みにこの依頼、二つ先の町に行く片道依頼である。
来た時も護衛者がツエンティを拠点としており、片道依頼だったそうな。

普通は往復が当たり前だが、たまに片道の時もある。
そんな時は冒険者は戻りながら採取や狩りをする。
人の良い依頼人だと帰りのお金もくれたりする。


マイムちゃんとカルタをした翌日の昼には目的の一つ手前の町に入った。
ちゃんとした宿の部屋を取ってくれた。
これも依頼主の。払いだ。

次の日は馬を休めてもう一泊。
翌々日に出立した。
どうやら連泊は予定外だったらしいので、密かに馬2頭にヒールをかけて歩いている。
目に見えないからね疲労は。
よくマイムちゃんのお父さんは気がついたね。


「止まって」
「どうかされましたか?」
「前方に魔物がいる」
「う~ん・・・オークかな」
「よく見えますね」
「オークの匂いがするんだよね姐御」
「うん。しかも結構いるぞ」
「何頭ぐらいですか」
「12・3頭かな」
「そっそんなにですか」

「フォンシーヌここを頼めるかい」
「はい任せて下さい」
「お父さん(マイムちゃんの)こっちに気付く前に片付けて来ます」
「えっ、でも数が」
「気付く前ならそのぐらいの数簡単です」
「依頼主、気付く前なら魔法の射程圏内で一気に片付ける方が楽なんだ」
「そっそんなものですか?」
「そんなもんです」


そう気付かれて無いなら、風刃で一瞬だ。
足早に近付き手前では音をさせないで、射程圏で一気に風刃をそれぞれに放った。
いちおう遺骸はそのままにして依頼人にも見せる事にする。

足早に戻ると何とフォンシーヌがオーク2頭を倒していた。
こっちにも現れるとは。残りの1頭は私に気付いておらず刀で斬り倒した。
馬車が有るので風刃は使えない。

「いやあ有り難うフォンシーヌ」
「何々、この程度の数なら」
「頼もしく成ったね」
「あはは恐縮です」
「・・・・・・」
「・・・依頼人?、大丈夫ですか」
「あっ、ああ・・・お二人ともこんなに強いとは」
「「まあ冒険者ですし」」

「いやしかし驚きましたな。この数のオークが出るのは初めてですし、おそらく話にも聞いた事は無いかと」
「そうなのフォンシーヌ」
「そうですねこの街道にこれだけのオークは普通でないと思います。
北の主幹道ですからね。
ここより北はあの高い山脈が有るので幅広の街道が作れないんですよ」
「・・・ああ成る程」
私の目の先にはエベレストかと思う山脈が見えていた。
そしてその裾野は私達のいる街道からの脇道が坂に成って見えている。

「オークはあの裾野から来たんだと想いますけど、何かに追われたんですかね」
フォンシーヌの言葉に私は依頼人に尋ねた。
「次の町迄あとどれくらい」
「夕方前には入れると思うよ」
「では急ぎましょう。またオークや強い魔物が出るといけない」
そうして3頭のオークをストレージにしまうと。
「おお!、凄いですな」
って言われた。

そして少し移動して今度は12頭のオークをしまうと。
「・・・・・・」
依頼人の顎がしばらく閉まらなかった。

そうして私達は目的の町カスクスに入った。
依頼人の商店で荷下ろしを手伝い依頼達成証明書に判子を貰い、急いで冒険者ギルドへと向かった。


「そうなのよ15頭のオークが出たのよ」
「えっ、ちょっと待って下さいギルマス呼んで来ますので。少しそちらの控え室でお待ち下さい」
そう言って受付嬢は少し奥まった所の部屋を手で指し示した。
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