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十八 トンギスハル聖教国
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「少し問題の有る国ですが、この道を通らないと東に行く道が無いので」
「山越えは?」
「山はそんなに高く無いのですが、急峻な崖が多く地盤も弱いので滑落の危険が高いのです。越えるのは犯罪者くらいですね」
フォンシーヌの言う事を聞いて厄介だがトンギスハル聖教国を通る事にする。
何が厄介って、この国カブナ神を邪神扱いしてるんだよね。
しかもトンギスハル神っているかどうかも世間では怪しいって噂らしい。
それはトンギスハルなる神がこの国でしか顕現していないからだ。
そしてこの聖教国はトンギスハルって交通の要所に有る町だけの小国の為、割と国としては裕福なのだとか。
別に国を奪う程の国土でも無いからどこも攻めない。
裕福とは言え取る程でも無い。
そんな国だ。
だけどね、町に入ろうとして門で止められたよ。
「何でだよ、通るだけだろ」
「カブナ神の聖女だから聖教会に聞いてからだ」
「いやいや、道がここしか無いじゃん」
「姐御は普通に冒険者の一人として道を通るだけだよ」
「それでもいちおう聞いてからだ」
「面倒だね本当に」
結構待たされてから、教会の司祭らしき人が来た。
「カブナ神の聖女など通す訳にはいかん!」
「・・・あっ、ヤバ。姐御がキレた」
「今日は二度目なんだよね。もう日が暮れるし、頭にきてるから」
「それがどうした」
「・・・押し通る。フォンシーヌ行くよ」
「おい!、門番取り押さえろ」
「風よ散らせ」
小さな竜巻が起こり門兵は数メートル吹き飛んだ。
ついでに司祭も吹き飛ばす。
「おのれえ~。騎士だ教会騎士団を呼べ!」
地面に這いつくばって司祭が叫ぶ。
不様だ。
まさに押し通るで、門兵が立ち上がって槍を構えるが、堂々と町のメインを歩き出す。
さっきの魔法で足が震えて動けないしらしい。
これが門兵かよ、情けない。
町のメイン通りの大きな十字路の向こうに大きな教会が見えるが、そこから何やらガチャガチャと兵士らしき輩がこっちに向かって来る。
「あれもしかして教会騎士団かい?」
「多分」
「へえ~。・・・シロッコ!」
突風と共に教会騎士団は教会側に吹き飛ばされた。
「姐御この十字路を東に行くとオジロ国でして、そこから南下すると例の湿地帯の北西側に出ます」
「そうだねえ・・・その前に、あの教会ぶっ潰そうか」
「えっ」
「なに今ねカブナ様から神託が有ってね。
あのトンギスハルって神は偽物らしいんだよ。
金儲けのインチキ宗教だってさ。
潰してくれないかって言われてね」
「・・・中には民衆もいますが」
「うん、だから中に入って民衆が出てから潰すよ」
ゆっくりと教会へ向かって歩き、司祭・司教・教会関係者をぶっ飛ばしながら門の前に来たら、門を閉じられたので身体強化最大にして、門を蹴破ってやった。
「姐御・・・」
「うん、何だい」
「下着丸見えです」
「別に中身が見えた訳じゃ無し、どうって事無いさ」
「ふっふざけた聖女擬きが、この聖剣でぶった斬ってやる」
「姐御ヤバいあれは本物の聖剣で、ダンジョン産の国宝です」
「そうかい」
立派な司教服の男が剣を振りかぶって来た。
キシュンッ。
「ありゃ長ドスが切られちまった」
横に躱して難を避けたが、聖剣とは言え日本刀を切る腕前は前の騎士団より上みたいだ。
その時目映いばかりの光と共に女神が舞い降りた。
「未だレベルが低い時に作った刀だからね仕方無いさ、これを使いな。鍛冶神ルフタの打った刀だ」
「おのれえ邪神があ~」
司教服の男はカブナ神を斬ろうとしたが、その前に消えてしまった。
「くそ、逃げおって」
「逃げたんじゃ無くて、相手にする必要も無かったんだと思うよ」
「何だと」
「代わりにあたいが相手するよ」
「ふん、邪な妖怪女が・・・退治してくれるわ」
再び私に聖剣を振るって来るが、今度はなんなく受け止める。
流石に神刀は違うね。
「ぬう、神刀(かみがたな)だと。何だそれは」
「そうね、直刀だと神剣(しんけん)だけど、これは日本刀だから神刀ね」
「何を訳わからん事を」
二合目合わせた時に相手の聖剣が折れた。
「何だと聖剣が折れただと?」
「正確には切れただね」
「ふざけるな」
「分かんないかねえ。
神剣や神刀は聖剣より上なんだよ。
何せ本物の神様が打ったんだから」
「馬鹿なこれは教祖様がダンジョンで手に入れられた物だぞ」
「低級ダンジョン産とちゃうかい」
「・・・・・・」
「あっ、当たりの様だ」
「くそっ」
そう言うと司教服の男は教会の本殿みたいな所へ飛び込んだ。
「話は中まで聞こえていたよ。さあこれを手にして邪教の徒を殺しなさい」
豪奢で煌びやかな服を着た枢機卿らしき男が命令する。
「あ~殺せって言ったね。それじゃあこちらも本気で行くよ」
「馬鹿目この槍を何だと思っていやがる。オリハルコン製の槍だぞ。しかも人々の信仰心を集めた神の槍だ」
「それ只の燭台だろ?」
「燭台に見せた邪神を屠る為の槍だよ」
「あっそ」
私は容赦なくその槍を先からスパッスパッと細切れにしていった。
最期は司祭服の男を真っ向唐竹割りに斬って捨てた。
ドサッと倒れる男に見向きもせず、一直線に枢機卿らしき男の胸をひと突きにして絶命させる。
その頃には教会内部には人は居なくなっていた。
私は枢機卿らしき男の首をはねたが、それを見たフォンシーヌは流石に引いている。
私とフォンシーヌは教会の外に出て枢機卿らしき男の首を刀に刺し高く掲げた。
「神の名を騙るトンギスハルは今ここに滅んだ。
見るが良い偽りの神の姿を、偽りの教会の最期を。
主神であるカブナを邪神と呼んだ偽宗教の末路を」
私は教会の建物から少し距離を取り、更にフォンシーヌを少し後ろに下がらせ後に、首の刺さった刀をゆっくり下げ、もう片方の腕を天に大きく向けた。
そうしてゆっくり手のひらを広げると眩むような白い光が現れる。
その手のひらを更にゆっくり下ろすと、白い光と共に教会の全てが石の粉の様に成って崩れていった。
それは二人の死体をも粉に変えた。
「二度と主神であるカブナを貶めるな。今度は町ごと滅ぶぞ。胆に命じておけ。そして二度と偽りの神を崇めるな」
私が枢機卿らしき男の首を元教会の跡地に投げ入れると、その首は石に変わった。
そしてその首を足で踏みつける石の像が現れた。
姿形から明らかに女神と分かるが、その像には右肩と首が無かった。
そしてその像の左肩が動くと頭の髪を掴まれている女神の頭が現れる。
頭から首そして肩と生成される石像。
そして腕が伸び手や指が出来る。
その指は恐怖におののいた石の男の首の目蓋を優しく閉じた。
カブナ神の最期の慈愛だろうか、実に不思議な光景だった。
私は思わず両手を合わせて黙祷した。
目を開くとフォンシーヌも同じ姿勢をとっていた。
私はふと刀に目をやると血糊がきれいに消えていたので鞘に納めた。
「フォンシーヌ西に行こうか」
「はい」
私達はさっきの十字路を西に向かった。
道々では民衆や兵士達までが平伏して見送ってくれたが、実に後味の悪い処理の仕方だ。
カブナ神も人が悪・・・いや神が悪い。
門兵も教会騎士団も誰も追って来ない。
それは良い、それは良いのだが。
日が暮れつつあって。
「今日もベッドで寝れねえのかよ~」
「姐御・・・そこですか」
「そこなんだよ」
「はあ~豪胆と言うか何と言うか」
「フォンシーヌ、私はね(聖女はちきゅうさん)なんだよ」
「はあ~?」
極道なんかを崇めないで欲しい。
カブナ神はもしかしたら私より極道かも知れない。
「極道の女神達!」
「何ですか、それ」
「高島○子だよ、知ってるか」
「知りません」
「山越えは?」
「山はそんなに高く無いのですが、急峻な崖が多く地盤も弱いので滑落の危険が高いのです。越えるのは犯罪者くらいですね」
フォンシーヌの言う事を聞いて厄介だがトンギスハル聖教国を通る事にする。
何が厄介って、この国カブナ神を邪神扱いしてるんだよね。
しかもトンギスハル神っているかどうかも世間では怪しいって噂らしい。
それはトンギスハルなる神がこの国でしか顕現していないからだ。
そしてこの聖教国はトンギスハルって交通の要所に有る町だけの小国の為、割と国としては裕福なのだとか。
別に国を奪う程の国土でも無いからどこも攻めない。
裕福とは言え取る程でも無い。
そんな国だ。
だけどね、町に入ろうとして門で止められたよ。
「何でだよ、通るだけだろ」
「カブナ神の聖女だから聖教会に聞いてからだ」
「いやいや、道がここしか無いじゃん」
「姐御は普通に冒険者の一人として道を通るだけだよ」
「それでもいちおう聞いてからだ」
「面倒だね本当に」
結構待たされてから、教会の司祭らしき人が来た。
「カブナ神の聖女など通す訳にはいかん!」
「・・・あっ、ヤバ。姐御がキレた」
「今日は二度目なんだよね。もう日が暮れるし、頭にきてるから」
「それがどうした」
「・・・押し通る。フォンシーヌ行くよ」
「おい!、門番取り押さえろ」
「風よ散らせ」
小さな竜巻が起こり門兵は数メートル吹き飛んだ。
ついでに司祭も吹き飛ばす。
「おのれえ~。騎士だ教会騎士団を呼べ!」
地面に這いつくばって司祭が叫ぶ。
不様だ。
まさに押し通るで、門兵が立ち上がって槍を構えるが、堂々と町のメインを歩き出す。
さっきの魔法で足が震えて動けないしらしい。
これが門兵かよ、情けない。
町のメイン通りの大きな十字路の向こうに大きな教会が見えるが、そこから何やらガチャガチャと兵士らしき輩がこっちに向かって来る。
「あれもしかして教会騎士団かい?」
「多分」
「へえ~。・・・シロッコ!」
突風と共に教会騎士団は教会側に吹き飛ばされた。
「姐御この十字路を東に行くとオジロ国でして、そこから南下すると例の湿地帯の北西側に出ます」
「そうだねえ・・・その前に、あの教会ぶっ潰そうか」
「えっ」
「なに今ねカブナ様から神託が有ってね。
あのトンギスハルって神は偽物らしいんだよ。
金儲けのインチキ宗教だってさ。
潰してくれないかって言われてね」
「・・・中には民衆もいますが」
「うん、だから中に入って民衆が出てから潰すよ」
ゆっくりと教会へ向かって歩き、司祭・司教・教会関係者をぶっ飛ばしながら門の前に来たら、門を閉じられたので身体強化最大にして、門を蹴破ってやった。
「姐御・・・」
「うん、何だい」
「下着丸見えです」
「別に中身が見えた訳じゃ無し、どうって事無いさ」
「ふっふざけた聖女擬きが、この聖剣でぶった斬ってやる」
「姐御ヤバいあれは本物の聖剣で、ダンジョン産の国宝です」
「そうかい」
立派な司教服の男が剣を振りかぶって来た。
キシュンッ。
「ありゃ長ドスが切られちまった」
横に躱して難を避けたが、聖剣とは言え日本刀を切る腕前は前の騎士団より上みたいだ。
その時目映いばかりの光と共に女神が舞い降りた。
「未だレベルが低い時に作った刀だからね仕方無いさ、これを使いな。鍛冶神ルフタの打った刀だ」
「おのれえ邪神があ~」
司教服の男はカブナ神を斬ろうとしたが、その前に消えてしまった。
「くそ、逃げおって」
「逃げたんじゃ無くて、相手にする必要も無かったんだと思うよ」
「何だと」
「代わりにあたいが相手するよ」
「ふん、邪な妖怪女が・・・退治してくれるわ」
再び私に聖剣を振るって来るが、今度はなんなく受け止める。
流石に神刀は違うね。
「ぬう、神刀(かみがたな)だと。何だそれは」
「そうね、直刀だと神剣(しんけん)だけど、これは日本刀だから神刀ね」
「何を訳わからん事を」
二合目合わせた時に相手の聖剣が折れた。
「何だと聖剣が折れただと?」
「正確には切れただね」
「ふざけるな」
「分かんないかねえ。
神剣や神刀は聖剣より上なんだよ。
何せ本物の神様が打ったんだから」
「馬鹿なこれは教祖様がダンジョンで手に入れられた物だぞ」
「低級ダンジョン産とちゃうかい」
「・・・・・・」
「あっ、当たりの様だ」
「くそっ」
そう言うと司教服の男は教会の本殿みたいな所へ飛び込んだ。
「話は中まで聞こえていたよ。さあこれを手にして邪教の徒を殺しなさい」
豪奢で煌びやかな服を着た枢機卿らしき男が命令する。
「あ~殺せって言ったね。それじゃあこちらも本気で行くよ」
「馬鹿目この槍を何だと思っていやがる。オリハルコン製の槍だぞ。しかも人々の信仰心を集めた神の槍だ」
「それ只の燭台だろ?」
「燭台に見せた邪神を屠る為の槍だよ」
「あっそ」
私は容赦なくその槍を先からスパッスパッと細切れにしていった。
最期は司祭服の男を真っ向唐竹割りに斬って捨てた。
ドサッと倒れる男に見向きもせず、一直線に枢機卿らしき男の胸をひと突きにして絶命させる。
その頃には教会内部には人は居なくなっていた。
私は枢機卿らしき男の首をはねたが、それを見たフォンシーヌは流石に引いている。
私とフォンシーヌは教会の外に出て枢機卿らしき男の首を刀に刺し高く掲げた。
「神の名を騙るトンギスハルは今ここに滅んだ。
見るが良い偽りの神の姿を、偽りの教会の最期を。
主神であるカブナを邪神と呼んだ偽宗教の末路を」
私は教会の建物から少し距離を取り、更にフォンシーヌを少し後ろに下がらせ後に、首の刺さった刀をゆっくり下げ、もう片方の腕を天に大きく向けた。
そうしてゆっくり手のひらを広げると眩むような白い光が現れる。
その手のひらを更にゆっくり下ろすと、白い光と共に教会の全てが石の粉の様に成って崩れていった。
それは二人の死体をも粉に変えた。
「二度と主神であるカブナを貶めるな。今度は町ごと滅ぶぞ。胆に命じておけ。そして二度と偽りの神を崇めるな」
私が枢機卿らしき男の首を元教会の跡地に投げ入れると、その首は石に変わった。
そしてその首を足で踏みつける石の像が現れた。
姿形から明らかに女神と分かるが、その像には右肩と首が無かった。
そしてその像の左肩が動くと頭の髪を掴まれている女神の頭が現れる。
頭から首そして肩と生成される石像。
そして腕が伸び手や指が出来る。
その指は恐怖におののいた石の男の首の目蓋を優しく閉じた。
カブナ神の最期の慈愛だろうか、実に不思議な光景だった。
私は思わず両手を合わせて黙祷した。
目を開くとフォンシーヌも同じ姿勢をとっていた。
私はふと刀に目をやると血糊がきれいに消えていたので鞘に納めた。
「フォンシーヌ西に行こうか」
「はい」
私達はさっきの十字路を西に向かった。
道々では民衆や兵士達までが平伏して見送ってくれたが、実に後味の悪い処理の仕方だ。
カブナ神も人が悪・・・いや神が悪い。
門兵も教会騎士団も誰も追って来ない。
それは良い、それは良いのだが。
日が暮れつつあって。
「今日もベッドで寝れねえのかよ~」
「姐御・・・そこですか」
「そこなんだよ」
「はあ~豪胆と言うか何と言うか」
「フォンシーヌ、私はね(聖女はちきゅうさん)なんだよ」
「はあ~?」
極道なんかを崇めないで欲しい。
カブナ神はもしかしたら私より極道かも知れない。
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