異世界で山家として生きる者。

hikumamikan

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第14話 真夜中のキター!。

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冒険者ギルドの宿に泊まろうとギルトの受け付けに行くと。
「レイナさん丁度良い処に」
「あっ、水脈の時の人」
「アンナです」
「ああアンナさん何ですか?」
「ちょっと今年は全般的に魔物の繁殖数が多いのですが、まあそれは数年に一度有るので大した事は無いと判断してました。ですが今年は蜥蜴類が多くてまずいと成ったんです」
「トカゲそんなに多かったんですか、確かに卵は割りと見ましたが」


「奥の高い山々でかなり孵化した様です。中には羽根の生えた種類も多くいて困った事に成りそうです」
「あ~あれは厄介ですねえ」
「ええ、ですからですから。レイナさんにも討伐隊に参加して欲しいんです。山家だけに」
「・・・何を言ってるんだこいつ」
「駄目ですか?」
「いや別に私もあれは退治したいから参加しますよ。山家だけにね」
「レイナさんてそんなノリでした」


「おい!、何で干し肉が売り切れてるんだよ」
購買部の方で怒鳴り声がする。
「どうしたんですあれ」
「蜥蜴のせいなんです」
「そんなに多いの」
「それはもう羽根の生えたのがわんさかわんさか」
レナ○ン娘か。


「飛ぶし火球吐く奴もいて大変なんですよ。それで山や森に入れる冒険者が少なくて肉不足してます」
「火球?」
「ワイバーンの小型みたいな蜥蜴でして」
「ああカナビですか、あれも羽根が生えるんですね?」
「はい大繁殖すると移動するために希に生えるらしいです」
「あいつら地上でも火を吐くから飛んでたら敵わんなあ。見た目普通の可愛い蜥蜴なんだけどね」
「火力こそ弱いですが何せ数がですね・・・」
「で、討伐隊は何時から」
「明日の朝西門から」
「早っ!」
「すいません緊急なもので」
「了解しました。取り敢えずギルトの宿空いてますか」
「あっはい女性専用棟は空いてますよ」
「ここのギルト宿食事が美味しいから好きなんですよ」
「ありがとうございます。明日の準備品ですが・・・」
「あっ大丈夫です。リュックに有りますから、一通りは」
「そうですか、実は今保存食の在庫が少なくて、ちょっと・・・そのう」
「それも大丈夫です。ビッグレッドの干し肉が2匹分有りますからね。その毛皮や牙と爪を売りたいんですけど」
「・・・出来たら、出来たらですけど干し肉も売っては貰えませんか」
「ええ、良いですよ」
「ありがとうございます!」



「へえ、これ嬢ちゃんが作ったのか?。中の上の鑑定が出てんな。よし四分の三買い取らして貰うよ」
「全部でも良いよ」
「いやいやそれだと嬢ちゃんが山で困るだろ」
「大丈夫だよ他にも有るし」
「嬢ちゃん随分良いアイテム袋買ったんだな」
「鉱脈調査のお金が入ったからね」
「ああ、あれ嬢ちゃんか。ありがとな領主様も喜んでたよ」
「えへへ。だから食料も水も大丈夫」
「わかった。これだと毛皮や牙とかも含めて金貨5枚だなほらよ」
「こんなに良いの。半年は暮らせるよ」
「毛皮は鞣しとか必要だがビッグレッドだからな貴重だ。肉はオークの方が断然上だが、まあウルフとどっこいどっこいだからな。今は干し肉が無くて困ってるし助かる」
肉より他の素材が高いんだ。

ビッグレッドって前にキィと出会った時に初めて倒したから魔石が高いのは知っている。
今回は魔石を売ってはいない。
「嬢ちゃん魔石は魔道具にでも使うのかい?」
「うん!」
「そうか、やっぱりな。嬢ちゃんが変なゴーレムで来たって若いもんが噂してたから、魔石はそう言うのに使うからな」
「うん、造りたい物が有るから」
「それはそうと明日は参加するのか?」
「飛ぶ蜥蜴なんて厄介だからね」
「そっか気いつけてな」
「ありがとう」



早速干し肉が売れていた。
明日の討伐隊の人かな。


私は宿に入りその日は夕飯を食べて早くに寝た。


「うん?、何だろう」
この真夜中にやけに外が騒がしい。
木窓を上に開けるとバタバタと音がしている。
時々ポンポンと音がしてオレンジの丸い物が飛んでいた。
「カナビだ!。飛んでイスタ・・・ちゃう、飛んで来たんだ」
弓が飛び交っているが何分暗すぎるから当たらない。

ライトを建物の屋上にインスタント・インスタント・インスタント・インスタント。
もう一回あっちこっちにインスタント・インスタント・インスタント・インスタント。

翌朝冒険者ギルトに30個の魔道具ライトが寄せられたと言う。
私は真っ直ぐ朝は西門に向かったので知らなかった。


「あっ!、ゴドルフさんカリーナさんにマールさんも」
「俺達もいるぞ」
「メムットさんにアラルさんも。どうもご無沙汰してます」
彼等は鉱脈調査の時の護衛(夏の星座)の面々だ。
「おう、嬢ちゃんまたよろしくな」
「「「「ヨロシク~」」」」
「よろしくお願いします」


ゴドルフさんはビッグレッドの干し肉を持っていた。
後でラーメンでも差し入れよう。

副ギルド長を先頭に総勢30余名。
討伐隊は西の山に向かって歩いて行った。
カナビはそんなに高くは飛べないし、飛行距離も長くは無い。
なので普通の移動は地面を歩いている。
そこを叩きながら、時には飛んだ奴を弓で射たりして進む。

いた、大群だ。
「投網インスタント・インスタント・インスタント・インスタント・インスタント」
「おっ、網で炎が防がれて・・・」
見ると火球が網で消えている。
(火災時金網は炎の延焼を防ぐ役目をする。焼き魚の網は目が大きいので無理だけどね)

「諸君!、この戦い我らの勝利だ」
ク○シュさんかよ。
そんな言葉が聞こえた気もしないでは無い。
副ギルド長の勝鬨だった。


「これ貰えないかな?」
ゴドルフさんが言って来たので、快く了承した。
30近い投網は流石に処理に困る。
まあ売れなくも・・・ナイナイ。
所々焦げてちゃ売れないよ。
穴は空いて無いけどね。

矢の損失も少なくて、殆どが投網の中の蜥蜴退治だった。
ボコスカボコスカと、可哀想に成るくらいにね。
叩き殺したよね、うん。
私もカナビを何匹か貰った。
意外と旨いんだなこれが。

総数752匹。
その後辺りを散策して34匹退治した。
更に夜営の後で半日散策も見つからず。
副ギルド長の勝鬨で帰還と成ったのだ。
めでたしめでたし。


だけどね去年の秋から今年の春にかけて魔物が大繁殖したからこの年は、街道から浅い森そして山中と冒険者は大忙しだった。
私もこの年は山家では無くて、ニューラの町に家を借りて其処から、魔物討伐に参加した。
山家だけに、いやいや魔物が多くて一人で山小屋に泊まるのは危険だったんだよ。
本当に。
「ねえキィ」
「・・・そうだね」



余談だけど、あの後魔道具ライトが町で売られていた。
・・・持ち主不詳でギルドが。
こんちくせう。





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