Al戦艦と異世界ドラゴン

やるふ

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生き方

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『何のつもりだ?』

『この続きがシタいなら、私もシャーハンに連れてって…』

クフィールは吐息混じりに囁くと、ズムワルドのはだけたシャツから垣間見えている分厚い胸板に手を添えた。

『なるほどな…。
そうやって、あの老いぼれ(ウェイビー)に口を割らせたわけか』

クフィールから漂ってくる香酒の香りの、その奥に隠されている雄の臭いをズムワルドの研ぎ澄まされた嗅覚がとらえる。

『シャーハンに行ってどうする』


『その巨船とやらを乗っ取るつもりなんでしょ?
邪魔はしないから、私も一緒に…』

『断る。
俺にそんな安っぽい色仕掛けが通用すると思うのか?
それに…』


ズムワルドはそう言うと、クフィールの両方の手首を鷲掴みにするとそのまま頭上へと持っていった。
酒瓶が床に落ち、溢れた中身が床に染みをつくる。

『剣も飛竜も無い今のお前は、只のか弱い女に過ぎん。
この状況で、俺と対等な取引ができるとでも…?』

ズムワルドは、クフィールの白い太腿に手を、色気を発している細い首筋には舌を這わせる。

クフィールは体の自由を奪われ体をまさぐられているにも関わらず、その端麗な顔立ちからは怖じける表情など一切感じられず、むしろ余裕の笑みすら浮かんでいる。

ズムワルドのゴツゴツした手は止まることなく、クフィールの腰ベルトを弛め服の下に滑り込み、腹部からゆっくりと胸の方へと上がってゆく。

軍人としての強さと、女としての柔らかさを兼ね揃えた全くの無駄を感じさせないその体つきは、今さっき、シェリラへと注ぎ切ったはずの性欲を再び蘇らせるには十分過ぎるものだった。

『フフ…か弱い女に無理矢理だなんて、どこかの島の蛮族と同じね…』

その言葉で我に返ったズムワルドが弾かれるようにクフィールから体を離した。

『あら、やめるの?
見た目のわりに意気地無しなのね』

クフィールが挑発するようにズムワルドの頬へと手を延ばす。

『大した女だな。
目的の為なら、かつての後輩の上官すら寝取ろうとするか』

ズムワルドは昨夜の戦闘を思い出す…。

シェリラたちを引き連れ族長の屋敷に突入した時にズムワルドが目にしたのは、無惨に切り刻まれて床に転がっている巨体を冷徹な表情で見下ろしているクフィールの姿だった。

『二人は奥です。
連れ出すの手伝ってくれます?』

クフィールはズムワルドたちに気がつくと、子供のように微笑んだ。

そして、最後にこう付け加えた。

『さっ、こんな集落さっさと焼き払って帰りましょう…』
━━━━━…。




その時からズムワルドの心にはある疑問が浮かんでいた。

『何故、お前ほどの女がこんな島に留まっている?
軍の上層部たちの目は、そこまで節穴では無いはずだ』

『この島が好きだからよ』

『質問の答えになっていない』

『誰が何と言おうとも、これが私の生き方なの。
誰にも邪魔させないわ』

クフィールは乱れた服を整えながら返す。

『雷撃隊へ来い。
お前は戦場でこそ輝く存在だ。
そしたら、望み通りシャーハンに連れて行ってやる』

『悪いけど…
私、貴方みたいな男、タイプじゃないの』

落ちた酒瓶を拾いながら、クフィールが笑う。

『…ていうか、殺したいくらいよ』

その言葉と同時に空気を凍てつかせるような殺気が辺りにはしり、ズムワルドの背筋を撫でた。

目の前に立っているのは、只のか弱い女なはず…。
ズムワルドからしたら、この距離で、しかも武器すら持っていない相手など、秒で絞め殺せる自信はある。

だが、まるで狂暴なドラゴンと相対しているかのような感覚に陥るほど、その殺気は凄まじいものだった。


『…フフ、なんてね』

突然、まるで張りつめた糸を切ったかのようにクフィールの雰囲気が変わる。

『後で弁償しなさいよ、これ』

クフィールは空になった酒瓶をズムワルドへと翳すと、玄関の方へと身を翻した。

『また、貴様とは戦場で逢いたいものだな』

颯爽と去ってゆく背中にズムワルドが声をやると、クフィールは軽く顎を上げて手をヒラヒラと振りながら言った。

『出発の日、見送りにくらいは来てあげるわ』




























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