Al戦艦と異世界ドラゴン

やるふ

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歴史

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『皇女とテロリストが直接対話することなど有り得ん!
無礼にも程があるわ!!』

『しかし…交渉を拒否して警備船や港に攻撃でもされたらどうしますかな…。
それこそ、民間人に犠牲者でもでたら…』

『しかし、相手が指定してきた対話の場は、その巨船の上…。
皇女が赴く場所としては普通に考えて危険過ぎる…。
少なくとも先ずは我々、元老院が行き交渉すべきではないか?』


議会は紛糾していた。
シャーハンにおける皇女制度の歴史は古い。
いくら世界広しとはいえ、2000年以上も同じ血筋で続く王朝というのはシャーハン国皇女だけであり、破竜大戦での敗戦時も占領国の指導者たちは皇女に対して敬意を示し、その立場を保障した。

そして現在は、大小関わらず各国の王族ですら、皇女リノハルとの面談を望むなら半年以上前からシャーハン国政府へと申請を出さなければならない規定がある。

それを、どこから来たのかも知れない正体不明の存在が、突然一方的に要求してきたことに何人かの長老が憤慨していたのだ。

『もし、シャーハンとの交渉が不可能、又は破談に終わった場合、ベニボタル殿は他の国との交渉に移るそうです』

グレンダが言う。

『その、他の国というのには、ノスカリアも含まれておるのか?』

『勿論です』

カイテンが訊くと、グレンダは直ぐに頷いた。

『ノスカリアは、自軍の船を沈められてはいますが、あのイルのことだ…、
交渉を持ちかけられたら飛び付くでしょうな』

キリシマの発言に皆が無言で同意した。

戦後、ノスカリアは食料や燃料が国内に不足する度に破竜保有国であることを全面的におし出し、シャーハンなどの軍事小国を恫喝し支援を要請しているような国であり、巨船の軍事力なら喉から手が出るほど欲しいはずということくらい誰しも想像つく。

『私は、この目で直接見て確信致しました…』

グレンダが再び口を開く。

『あの巨船は、破竜すら凌ぐ最強の兵器だと』

それに反応したかのように、ジンリュウが席から立ち上がった。

議場に緊張がはしる。

長い白髪の眉から覗く鋭い目がグレンダをとらえている。

大戦中、剣一本で敵海軍の船を3隻沈めたという伝説の持ち主であるその眼力に、流石のグレンダも気圧されそうになる。

『御主、その目で見たと申したが…破竜の恐ろしさを、目の当たりにしたことはあるのか?』

ジンリュウの言葉に、長老たちもそれぞれが、あの日の大戦に思いを馳せた。

『一度飛べば、その衝撃波で周りの家屋や木々を薙ぎ倒し、人も動物も…竜ですら別け隔て無く全てを喰らい尽くす、あの化け物を、御主は目の当たりにしたことがあるのか…?』

『私の父は*タワン島先制攻撃*に参加した飛竜騎士でした。
破竜の破壊力やもたらした悲劇は、幼い頃より伝え聞き理解しているつもりです…』

『理解だと…?
アレは、理解などという浅はかな次元では言い表せぬわ。
御主、その巨船が異世界とやらから来たと申したな…。
ならば、破竜も同様の存在だ。
あんなもの、この世界で生まれたはずが無い。
其ほどの存在なのじゃよ…破竜というものはな』

ジンリュウが着席し、重苦しい雰囲気に沈黙が漂う中、それを破ったのはカイテンだった。

『しかし、我々が巨船の実力を目の当たりにしておらぬのも、また事実』

ジンリュウの視線が発言したカイテンへと向く。

『それに、警備団の命を救ってくれた礼も含めて、何らかの対話ができる方法を考えなければならん。
ユーナイトやシーナとの連携も必要だ』

カイテンはそう言いながらジンリュウと目を合わせる。

『ユーナイトはともかく、シーナやノスカリアは反発するぞ。
我々が安易に交渉などに乗り出したら、それこそ反乱条項にひっかかりかねん』

シデンが眉間に皺を寄せた。

『だが、交渉しないという選択肢は無いでしょうからな。
しかし、少なくとも破竜保有国の内の一国からの承諾は、取らねばなりますまい』

『なら、巨船から何の被害も受けていないユーナイトが適当では』

カーガの言葉にカイテンが返す。

『ふん…ついでにユーナイトに交渉権も渡すつもりか?
まさに属国精神だな』

マヤが嫌みったらしく呟いた時、再び銀剣が交わる音が議場に響いたのだった。

































    
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