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進撃
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ゆっくりと開き始めた皇女の間の扉を見た時、革命組織の兵士たちは誰もが皇女の降伏を疑わなかった。
『遂に…革命が達成されるぞ…』
どこからか、そんな喜びに震える声が漏れてきた時、扉の一番前に立つ革命組織の部隊長である老兵の目に、信じられないものが入ってきた。
『ジン…リュウ…?』
それが、その部隊長が発した生涯最後の言葉となる。
彼は、かつて陸竜暗部の隊員として戦場を駆け巡っていた一人だ。
だからこそ憶えていたのだ、今、眼前に立つ男が、人間と呼ぶにはあまりにもバケモノじみているということを…。
物凄い速さで首筋にめり込んできた鋭い刃が、そのまま骨を切断している刹那の間にも彼の脳裏には、かつての戦場で目の当たりにしたジンリュウが行う殺戮の様子が浮かびゆっくりと流れる。
普段は無愛想で堅い表情なのに、人を殺す時だけ見せるジンリュウの、不気味な笑みとともに…。
走馬灯とは、危機に瀕した時に死から逃れる術を無意識的に記憶から探そうとする防衛本能だと言われているが、殺意を向けてくるジンリュウを前にした今は、もはやその生存本能ですら諦めているのだろう…。
頭が宙を舞う頃には、その表情は絶望的な恐怖に染まりきっていた。
『ジンリュウだぁぁーーー!!』
鮮血を撒き散らせながら首無しの部隊長が崩れ落ちるのと同時に、横に立っていた兵士が絶叫に近い声を上げた。
『ジン…なんだ?』
『何が起こってる!』
『嘘だろ…部隊長が!』
前の様子が窺えない者たちが混乱している間にも、ジンリュウは剣を振りながら進み始めた。
人の頭や腕が血とともに飛び、まるで爆発でも起こっているかのような中を一歩一歩と…。
『ひぃっ!何で…居ないはずじゃ…』
『退け!退けぇーー!』
普段は、勇猛で強靭な老兵たちが真っ先に狼狽え怯えている、この只らぬ状況に、他の兵士たちが一斉に後方へと向けて駆け出した。
『うお!何だ!』
『ここまで来て撤退するのか!?』
まだ状況が呑み込めていない兵士たちと慌てふためく兵士たちとで、皇女の間へと続く廊下は、まさに大パニック状態に陥っていた。
『敵はたった1人だろ!
大勢でかかれば問題ない!』
血気盛んな若い兵士たちが、老兵の制止を振り切りジンリュウを囲む。
『良い…良いぞ、久方ぶりだ…。
人を斬る感触は…やはりクセになるな…』
ジンリュウがニタリと口許を弛めた。
その不気味な笑みを見た瞬間、兵士たちは自分の浅はかで愚かな行為を悔いた。
『さあ…羽虫ども、儂を愉しませよ』
突進してくるジンリュウの剣が、正面の兵士を貫く。
若き兵士の口と鼻から大量の血が吹き出し、ジンリュウの頬を濡らした。
『うわぁぁああーーーー!!』
恐怖に駈られた他の者たちが剣を振り上げ四方から斬りかかるが、ジンリュウは胸を突かれて息絶えている兵士を片腕で投げつけると、その反対側の二人をまとめて横一線に薙いだ。
そしてそのまま、仲間を投げられてよろめいていた二人へと斬りかかる。
『ぎゃあぁぁーーー!』
『助けてくれぇ!!』
断末魔と鮮血に包まれて、返り血に身を染めたジンリュウの進撃を誰も止めることはできずに、青い軍服たちは蜘蛛の子を散らすように逃げまどう。
次々と、その背中に容赦なく剣を突き立てながら進むジンリュウは、全てを呑み込む闇のように周りの命を奪い取ってゆく。
『かつての軍隊と今の軍隊、その実力に大差は無い…。
ただ…違うのは、戦場で人を殺した数だけだ。
その差が、これか…』
もはや、統率された部隊とはかけ離れたその有り様に、呆れたように呟いた後、ジンリュウは再びニタリと笑って言う。
『まあ…全員殺すがな…』
『遂に…革命が達成されるぞ…』
どこからか、そんな喜びに震える声が漏れてきた時、扉の一番前に立つ革命組織の部隊長である老兵の目に、信じられないものが入ってきた。
『ジン…リュウ…?』
それが、その部隊長が発した生涯最後の言葉となる。
彼は、かつて陸竜暗部の隊員として戦場を駆け巡っていた一人だ。
だからこそ憶えていたのだ、今、眼前に立つ男が、人間と呼ぶにはあまりにもバケモノじみているということを…。
物凄い速さで首筋にめり込んできた鋭い刃が、そのまま骨を切断している刹那の間にも彼の脳裏には、かつての戦場で目の当たりにしたジンリュウが行う殺戮の様子が浮かびゆっくりと流れる。
普段は無愛想で堅い表情なのに、人を殺す時だけ見せるジンリュウの、不気味な笑みとともに…。
走馬灯とは、危機に瀕した時に死から逃れる術を無意識的に記憶から探そうとする防衛本能だと言われているが、殺意を向けてくるジンリュウを前にした今は、もはやその生存本能ですら諦めているのだろう…。
頭が宙を舞う頃には、その表情は絶望的な恐怖に染まりきっていた。
『ジンリュウだぁぁーーー!!』
鮮血を撒き散らせながら首無しの部隊長が崩れ落ちるのと同時に、横に立っていた兵士が絶叫に近い声を上げた。
『ジン…なんだ?』
『何が起こってる!』
『嘘だろ…部隊長が!』
前の様子が窺えない者たちが混乱している間にも、ジンリュウは剣を振りながら進み始めた。
人の頭や腕が血とともに飛び、まるで爆発でも起こっているかのような中を一歩一歩と…。
『ひぃっ!何で…居ないはずじゃ…』
『退け!退けぇーー!』
普段は、勇猛で強靭な老兵たちが真っ先に狼狽え怯えている、この只らぬ状況に、他の兵士たちが一斉に後方へと向けて駆け出した。
『うお!何だ!』
『ここまで来て撤退するのか!?』
まだ状況が呑み込めていない兵士たちと慌てふためく兵士たちとで、皇女の間へと続く廊下は、まさに大パニック状態に陥っていた。
『敵はたった1人だろ!
大勢でかかれば問題ない!』
血気盛んな若い兵士たちが、老兵の制止を振り切りジンリュウを囲む。
『良い…良いぞ、久方ぶりだ…。
人を斬る感触は…やはりクセになるな…』
ジンリュウがニタリと口許を弛めた。
その不気味な笑みを見た瞬間、兵士たちは自分の浅はかで愚かな行為を悔いた。
『さあ…羽虫ども、儂を愉しませよ』
突進してくるジンリュウの剣が、正面の兵士を貫く。
若き兵士の口と鼻から大量の血が吹き出し、ジンリュウの頬を濡らした。
『うわぁぁああーーーー!!』
恐怖に駈られた他の者たちが剣を振り上げ四方から斬りかかるが、ジンリュウは胸を突かれて息絶えている兵士を片腕で投げつけると、その反対側の二人をまとめて横一線に薙いだ。
そしてそのまま、仲間を投げられてよろめいていた二人へと斬りかかる。
『ぎゃあぁぁーーー!』
『助けてくれぇ!!』
断末魔と鮮血に包まれて、返り血に身を染めたジンリュウの進撃を誰も止めることはできずに、青い軍服たちは蜘蛛の子を散らすように逃げまどう。
次々と、その背中に容赦なく剣を突き立てながら進むジンリュウは、全てを呑み込む闇のように周りの命を奪い取ってゆく。
『かつての軍隊と今の軍隊、その実力に大差は無い…。
ただ…違うのは、戦場で人を殺した数だけだ。
その差が、これか…』
もはや、統率された部隊とはかけ離れたその有り様に、呆れたように呟いた後、ジンリュウは再びニタリと笑って言う。
『まあ…全員殺すがな…』
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