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3話
缶詰になります【6】
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ドアの前を離れてバスルームに入った。
熱いお湯に浸りにながらぼーっとする。お風呂は至福の時間。
ぼんやりと湯気を眺めながら新井さんの事が浮かんだ。
新井さんって可愛いよね。
彼女がうちの課に来た時、男性社員は嬉しそうだったもんな。
ウェストは細いし、そこそこ胸はあるし。
髪型もいつも女性らしくまとまってるし。
お化粧もパッチリお目目で可愛いし。
誰に対しても感じは良くて、笑顔も素敵だし。
しかもまだ23だし。
やっぱ若い子がいいよね。森山君も。
30過ぎのおばさんといるよりいいよね。
あんな可愛い子に誘われれば気分転換に散歩に行きたくなるよね。
はあぁ。
新井さんはおへそが隠れる程のデカパンなんて絶対にはかないんだろうな。
バスタブの中に視線を落とすと、ぽっこりとした自分のお腹が目についた。
こんなぷよぷよした物、森山君に見せられない。
自分の考えにびっくりした。
森山君に見せるって、何を考えてるんだ。私は。
ありえない。
森山君とはそういう関係には絶対にならない。
最近はちょっとキスとかしてあれだけど……。
なんであんなに気持ちいいキスが出来るんだろう。
舌とか絡まって、凄く感じちゃう。
今思うと、大学時代の彼氏はそんなにキス上手くなかったな。
そう思うのは森山君のキスを知ったからかな……。
森山君、今頃、新井さんとキスしてたりして……。
二人のキスシーンが浮かんで、お腹が痛くなる。
もう、出よう。
バスタブから上がって、バスローブを着た。
髪を拭いていると、インターホンが鳴った気がした。
バスルームから出て、部屋に行くともう一度インターホンが鳴る。
やっぱり気のせいじゃなかった。
でも、こんな時間に誰?ルームサービスとか頼んでないし。
「春川さん、寝ちゃいました?」
ドア越しに森山君の声が聞えた。
「どうしたの?」
ドアを開けると、森山君が立っていた。
「お土産を買って来たんで」
コンビニのレジ袋を森山君がかかげた。それから気まずそうにじっとこっちを見る。視線が痛い。
「何?」
「バスローブ姿が意外だったんで。お風呂でしたか」
「今出た所」
「丁度いい。一緒に食べましょう。アイス買って来ました」
森山君が勝手に部屋に入ってくる。
「ちょっと、勝手に入って来ないでよ。夜の11時過ぎに許可なく女性の部屋に入るのはどうかと思うけど」
新井さんには注意してたくせに。
なんで私の所には図々しく来るのよ。
「それって誘い文句ですか?」
「はあ?」
森山君は当たり前のようにベッドの上に座り、こちらを見上げて微笑んだ。
「春川さんが言うと何でもエロく聞こえる。その恰好もそそられます」
バスローブ姿があまりにも無防備だった事に気づいた。
慌てて、体を隠すように両腕を胸の前でクロスさせた。
森山君が長い足を組んで、楽し気に笑った。
「襲いませんよ。アイス食べるだけ。こっちに来て下さい」
隣に座れとばかりにベッドを叩いた。
「食べたら帰る?」
「はい」
素直に頷いた森山君がちょっとだけ可愛い。
丁度、喉も乾いてたし、アイスぐらいいいか。
森山君の隣に座ると、カップのアイスをもらった。
バニラ味の豆乳アイスだった。
「夜も遅いから、ヘルシーなやつ選んどきました。そういうの気にするでしょ?」
「まあね。100kcal未満というのは優秀ね」
「でしょ」
森山君は同じシリーズのチョコ味のを取り出した。
「チョコ好きなんだ」
「知りませんでした?会社でよく食べてますけど」
「知らなかった」
「俺に全く興味がないんですね」
「新井さんと違って?」
眼鏡越しの瞳が瞬きをした。
「由香ちゃんが来たの知ってたんですか?」
「彼女、間違えて最初は私の所に来たのよね。栄養ドリンク1本恵んでもらったわよ」
「こっちは1ダースでもらいましたよ」
勝ち誇ったように森山君が言った。
「1ダースもらっちゃう程、新井さんと仲良しなのね」
「妬けます?」
「なんで私が妬くのよ」
プラスチックのスプーンでやや乱暴にアイスをすくった。
自分で振っといて何だけど、新井さんの話は面白くない。
親し気な二人の様子を思い出すだけで、胸がムカムカしてくる。
「髪、ちゃんと乾かしました?」
森山君が肩にかかる私の髪に触れた。
「軽く」
「かなり濡れてますよ」
「いつもこんな感じだから」
「春川さん、こっち」
腕をぐいっと引っ張られて、バスルームに連れて行かれた。
熱いお湯に浸りにながらぼーっとする。お風呂は至福の時間。
ぼんやりと湯気を眺めながら新井さんの事が浮かんだ。
新井さんって可愛いよね。
彼女がうちの課に来た時、男性社員は嬉しそうだったもんな。
ウェストは細いし、そこそこ胸はあるし。
髪型もいつも女性らしくまとまってるし。
お化粧もパッチリお目目で可愛いし。
誰に対しても感じは良くて、笑顔も素敵だし。
しかもまだ23だし。
やっぱ若い子がいいよね。森山君も。
30過ぎのおばさんといるよりいいよね。
あんな可愛い子に誘われれば気分転換に散歩に行きたくなるよね。
はあぁ。
新井さんはおへそが隠れる程のデカパンなんて絶対にはかないんだろうな。
バスタブの中に視線を落とすと、ぽっこりとした自分のお腹が目についた。
こんなぷよぷよした物、森山君に見せられない。
自分の考えにびっくりした。
森山君に見せるって、何を考えてるんだ。私は。
ありえない。
森山君とはそういう関係には絶対にならない。
最近はちょっとキスとかしてあれだけど……。
なんであんなに気持ちいいキスが出来るんだろう。
舌とか絡まって、凄く感じちゃう。
今思うと、大学時代の彼氏はそんなにキス上手くなかったな。
そう思うのは森山君のキスを知ったからかな……。
森山君、今頃、新井さんとキスしてたりして……。
二人のキスシーンが浮かんで、お腹が痛くなる。
もう、出よう。
バスタブから上がって、バスローブを着た。
髪を拭いていると、インターホンが鳴った気がした。
バスルームから出て、部屋に行くともう一度インターホンが鳴る。
やっぱり気のせいじゃなかった。
でも、こんな時間に誰?ルームサービスとか頼んでないし。
「春川さん、寝ちゃいました?」
ドア越しに森山君の声が聞えた。
「どうしたの?」
ドアを開けると、森山君が立っていた。
「お土産を買って来たんで」
コンビニのレジ袋を森山君がかかげた。それから気まずそうにじっとこっちを見る。視線が痛い。
「何?」
「バスローブ姿が意外だったんで。お風呂でしたか」
「今出た所」
「丁度いい。一緒に食べましょう。アイス買って来ました」
森山君が勝手に部屋に入ってくる。
「ちょっと、勝手に入って来ないでよ。夜の11時過ぎに許可なく女性の部屋に入るのはどうかと思うけど」
新井さんには注意してたくせに。
なんで私の所には図々しく来るのよ。
「それって誘い文句ですか?」
「はあ?」
森山君は当たり前のようにベッドの上に座り、こちらを見上げて微笑んだ。
「春川さんが言うと何でもエロく聞こえる。その恰好もそそられます」
バスローブ姿があまりにも無防備だった事に気づいた。
慌てて、体を隠すように両腕を胸の前でクロスさせた。
森山君が長い足を組んで、楽し気に笑った。
「襲いませんよ。アイス食べるだけ。こっちに来て下さい」
隣に座れとばかりにベッドを叩いた。
「食べたら帰る?」
「はい」
素直に頷いた森山君がちょっとだけ可愛い。
丁度、喉も乾いてたし、アイスぐらいいいか。
森山君の隣に座ると、カップのアイスをもらった。
バニラ味の豆乳アイスだった。
「夜も遅いから、ヘルシーなやつ選んどきました。そういうの気にするでしょ?」
「まあね。100kcal未満というのは優秀ね」
「でしょ」
森山君は同じシリーズのチョコ味のを取り出した。
「チョコ好きなんだ」
「知りませんでした?会社でよく食べてますけど」
「知らなかった」
「俺に全く興味がないんですね」
「新井さんと違って?」
眼鏡越しの瞳が瞬きをした。
「由香ちゃんが来たの知ってたんですか?」
「彼女、間違えて最初は私の所に来たのよね。栄養ドリンク1本恵んでもらったわよ」
「こっちは1ダースでもらいましたよ」
勝ち誇ったように森山君が言った。
「1ダースもらっちゃう程、新井さんと仲良しなのね」
「妬けます?」
「なんで私が妬くのよ」
プラスチックのスプーンでやや乱暴にアイスをすくった。
自分で振っといて何だけど、新井さんの話は面白くない。
親し気な二人の様子を思い出すだけで、胸がムカムカしてくる。
「髪、ちゃんと乾かしました?」
森山君が肩にかかる私の髪に触れた。
「軽く」
「かなり濡れてますよ」
「いつもこんな感じだから」
「春川さん、こっち」
腕をぐいっと引っ張られて、バスルームに連れて行かれた。
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