雨宮課長に甘えたい

コハラ

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仲直り

《2》

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「私の方こそ……すみませんでした」

口にした途端、ポロポロと涙が流れる。
昨夜、さんざん泣いたのに。

「中島さん」

雨宮課長の困ったような声がする。
顔を上げられない。

車が走り出した。

でも、すぐに停車する気配があった。
窓の外を見ると、路肩に停車していた。

どうしたのだろうと思った時、ふんわりと甘い匂いに包まれる。
それから硬い胸と、背中に回された逞しい腕を感じる。

雨宮課長の腕の中にいるんだと思った時、かすれ気味な低い声がした。

「今日はハンカチがないから、俺の胸で泣いて」

俺の胸で泣いてなんて、キザだ。
でも、課長はいつだって優しい。優しさの塊みたいな人だ。

顔を上げると、至近距離で課長と目が合う。

課長が好き。

大好き。

もう気持ちを抑えられない。

次の瞬間、私から課長の唇を奪った。

唇が重なった瞬間、課長が驚いたように身を引いたけど、離さなかった。どうか私の想いを受け止めて欲しい。好きで好きで苦しいこの気持ちをわかって欲しい。柔らかな課長の唇を貪りながら、泣きそうな気持ちでいた。

この唇が離れたら、もう二度と課長に触れられない気がして胸が締め付けられた。けれど、課長は私が離れたら、今度は課長からキスをしてくれた。

信じられなかった。夢を見ているのかと思った。でも、間違いなく、今、課長と唇が重なっている。熱い想いを交換するように、私たちは唇を合わせている。

課長のキスはだんだん激しくなる。私の唇を食べちゃうみたいで戸惑った。半開きになった唇に課長の熱い舌が入ってくる。激しく舌と舌が絡み、下腹部の奥が熱くなっていく。

キスだけで充分、気持ちいい。
課長はなんてキスが上手なんだろう。

課長が与えてくれる快楽に堪えきれなくて、「あっ」と高い声を出すと、課長がハッとしたように唇を離した。

「ごめん。やり過ぎた」

照れたように微笑む課長は素敵だった。

「苦しかった?」

心配するように私の頬に触れる課長が優しい。

「いえ。とても素敵でした」

正直な感想を口にすると、「中島さん」と沈んだ声で課長が口にした。
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