魔法学園のFPSプレイヤー

青空鰹

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第4話

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今、コイツ決闘って言ったか?

「聞こえなかったのか、もう一度言うぞ平民! 俺様との決闘を受けろ、そして貴様をズタズタにしてやる!!」

本当にコイツはゴブリン並みの頭を持った馬鹿だった。

頭に手を当てて呆れている俺をバッツはニヤニヤしながら見てくる。多分、勝てると見込んでいるからだと思う。

「・・・・お前、自分が何をしているのか分かってる?」

「はぁ? 馬鹿なのかお前? 決闘の申し込むに決まっているだろう。笑っちまうぜ! ギャハハハハ!!」

そう言いながら大声で笑っているバッツを余所に、何かをしようとしているレイラに対して、手のひらを見せた上に首を横に振り静止させる。

「おーいっ! みんな聞いてくれー!!」

俺は食堂にいる人達に向かって大声で話始める。

「Cランクのバッツくんが格下のEランクに決闘を申し込むそうだ! みんなどう思う?」

俺の言葉を聞いた周りの人達はヒソヒソと話を始める。

「嘘! 格下に決闘を挑む? 勝てる決闘を挑むなんて何を考えてるだ?」

「アイツ何を考えているの? 昨日学生寮で問題起こしておいて、また問題を起こそうとしてる。馬鹿じゃないの?」

「アタシ、見てた! アイツ、ここに居られるだけでもありがたいと分かってないのかなぁ~?」

「格下に決闘を挑むなんて・・・・卑怯者ひきょうもののする事だな」

「そうだな」

バッツはヒソヒソ話をする野次馬達を眉まゆを吊り上げながらキョロキョロ見始める。

「・・・・これで自分がどう言う立場にいるか分かった? また怒られる前に帰った方が良いと思うぞ」

「う、うるさいっ!? 黙れ黙れ黙れぇぇぇえええーーー!!?」

俺達が使っている机を殴り付けると周りは静まり帰える。

「貴様ぁ~・・・・この俺様の顔に、また泥を塗りやがって」

「自分の手で道端みちばたの泥を掬すくって、自分の顔に塗っている気がするんだけど・・・・気のせいかな?」

「ブッ!!」

あ、またリッシュが吹いた。しかも、レイラの前に立って守っている。

「グ、グヌヌヌヌ!?」

今にも殴り掛かって来そうな態度を取るので、何があっても良いように距離を取りながら話し掛けようとすると。

「何の騒ぎだ!?」

ん? この声は聞き覚えがあるな・・・・てかさっき聞いた声だ。

「せ、生徒会長」

生徒会長来たか。それにしてもバッツの声が上擦っているな。生徒指導室で何があったんだ?

「キミは昨日の・・・・ハァー、今度は退学にでもさせられたいのか?」

「ち、違う! いや、違います!?」

「ほぅ・・・・何が違うんだ?」

「俺はただ決闘を挑みに来ただけで」

「皇子にか?」

その言葉と共に生徒会長の眉がつり上がる。その様子を見ていたバッツは身体を強張らせる。

「え、え~っと・・・・その」

「ハッキリ言え」

埒らちが開かないな・・・・仕方がない。

「俺に決闘を挑んで来た」

「なっ!?」

生徒会長は、俺に目線だけ向けながら話始める。

「ほぅ、事実か?」

「ち、違います!?」

「キミに聞いては無い。黙っているんだ」

「し、しかし」

「黙っているんだ」

「は、はい」

バッツに顔を向けから一喝して黙まらせた後に、俺に顔を向けて話始める。

「キミのランクは?」

「Eランクです」

「・・・・バッツくん。どう言う事だ。Eランクに決闘を申し込むと言うのは違法ではないが帝国貴族にあるまじき行為だぞ?」

声、そしてバッツを見るその目にも怒り込もっているのが分かる。

「そ、それは・・・・こ、コイツが俺の事を馬鹿にしたからです!」

まぁ、間違いじゃないな。そんな事を思っていたら野次馬からブーイングが飛んで来た。

「嘘つけ!? 俺は見ていたぞ! 勝てると見越して決闘を申し込んでいたぜ!! 俺が証人になってやる!」

「そうだそうだ!?」

「この恥さらし!?」

「俺も証人だ」

「私も証人です!?」

「そんな事するようなお前は帝国を出て行けぇー!!」

「そうだ! 出て行け!!」

『出てけ!! 出てけ!!! 出てけ!!!!』

出てけ。コールを受けているバッツを見てみると、何故か身体を震わせて歯軋はぎしりを立て始める。

相当屈辱を感じてるなコイツ・・・・仕方ない。

「まぁ、その決闘受けるけどな」

その場にいる人達は俺の言葉に驚きの顔を見せる。

「装備を整えるのに時間が欲しいから、少し待ってろ」

そう言いながらメニューと書いてあるスクリーンを操作して、自分の装備を取りだし身に付けて行く中で、生徒会長が俺に話し掛けてくる。

「正気か? キミはEランクなんだぞ。勝てるとは」

「勝算はあるから受けてるんだ。それに今コイツに釘を刺して置かないと、後々面倒な事になるだろ?」

チェストリグ、ニーパッド、SOGナイフ、CQBホルスターの装備は・・・・良し付け忘れは無いな。SIG MCX 9インチモデル(5.56×45mm使用) に付いているコンバットT1のドットは光が付くか確認してからマガジン差し込み、スリングに付けてぶら下げる。その後にSIG GSRにマガジンを差し込んでからホルスターに入れる。最後にチェストリグにマガジンポーチにマガジンを差し込めば準備完了。

「これで良し準備完了」

念のために聞いておくか。

「そんでハンデは何かいるか?」

「・・・・は?」

「ハンデは何か欲しいか? と言ってるんだが・・・・どうするんだ?」

「ギャァーーーッハッハッハッハッ!?馬鹿か貴様!? 俺様が貴様にハンデを与えるのが普通だろうが!! まぁ、俺様は貴様に対してハンデ何て与える気は、更々無いがな。ギヒヒ!?」

さっきの青ざめた表情とは違い、笑っているバッツに向けて俺は真剣な顔で話始める。

「・・・・本当にそれで良いんだな?」

「ああ! 良いぞ。ゲヒヒ!?」

「俺が勝ったら学園に通っている間は、生涯俺達に関わって来ない。そして周りに迷惑を掛けずに大人しくしている事を契約して貰おう」

「良いぞ。その条件を呑のんでやる。どうせ貴様を再起不能になるまで魔法を叩き込むのだからな!」

「生徒会長、立会人の先生をお願いします」

「本当にキミはそれで良いのか?」

生徒会長が心配している中、俺は彼女を真っ直ぐ見つめて言う。

「良いです」

「・・・・分かった。私が立会人をやろう」

「・・・・はぁ?」

今、この人何て言った?

「聞こえなかったのか? 私が立会人をやると言ったんだ」

マジかよ!

「校則で問題なければ良いんですけど」

「心配するな、問題は無い。二人共、私に付いて来るんだ」

「分かった」

「ゲヒッ! ギヒヒッ!? イーッヒッヒッヒッ!!」

バッツの下品な笑い声を聞きながら生徒会長の後ろに付いて行く。




闘技場に着いた俺は真ん中で周りでキョロキョロした後に、MCXとGSR両方をコッキングする。

ここが闘技場か、真ん中の競技場を観客席がサッカースタジアムみたいに囲む形になってるのか。変な方向に魔法が飛んで行っても大丈夫なように障壁で囲ってるのか。

そんな事を思っていたら生徒会長が競技場の地面に書いた白線の真ん中に立ち、俺とバッツを交互に見る。

「両者、白線の手前に着け!」

生徒会長の指示通りに白線の手前に立ち、ニヤニヤしているバッツの足元の白線を見てから顔を見て話し掛ける。

距離にして7メートルぐらいか・・・・余裕か。

「始める前に一つ・・・・言っておく事がある」

「何だ? フヘヘヘ、これが貴様の最後になるから聞いてやろう」

「早めに降参した方が良いぞ」

「はぁ?」

何言ってるんだコイツは? と言う顔をしているバッツを無視して、生徒会長に顔を向ける。

「準備は出来てるので始めて下さい」

「あ・・・ああ、キミの方は?」

「俺様は平気だ。さっさと終わらせてやる」

「そうか」

お互いの確認を取った生徒会長は、そのまま後ろに下がって行き、ある程度距離が取れたらそこで止まる。

「それでは、シュン・カミカワ と バッツ・ダンブルス の試合を開催する。お互いヨーイ」

生徒会長のその言葉と共に右腕を上げる姿を目で見て確認ながら、FAST DRAW、分かりやすく言えば早撃ち競技で行われているポーズを取ると、視線をバッツに移して目標を定める。

「・・・・始め!!【パァン!?】え?」

生徒会長の合図と共にホルスターからGSRを素早く抜くと、バッツの膝に照準を合わせて引き金を引くと、GSRから発射された弾丸が膝をぶち抜き地面に膝を着かせると、バッツは膝を抱えながら泣き叫びだす。

「ギャァァァアアアーーー!? 足が、俺の足がイダィィィイイイーーー!!?」

「どうする、続けるか? それとも降参するか?」

銃を構えながらバッツ聞くと怯えた顔をしながら俺を見てくる。

「ひいぃ!? 【マジック・ベス】に魔力込めるのは時間が掛かるはずなのに何で?」

「俺が持ってるのはマジックベスじゃない。ハンドガンだ」

「ハンドガン?」

マジック・ベス、この世界で作られた銃で形自体はブラウン・ベス銃に似ているが、俺が持っている銃とは全く別物と考えた方も良い武器だ。銃本体に魔石が組み込まれていて、その魔石に魔力を溜めて放つのだが射程距離や命中精度、ましてや威力何て俺が持っている銃と比べ物にならないぐらい弱い。

「マジック・ベスのように魔力をチャージする必要がないから、次が撃てるぞ・・・・試してみるか?」

「ひ、ひぃ!?」

バッツは地面を這いずりながら下がると、泣きながら両手を前に出して手を振る。

「こ、降参だ!? 俺の負けだから撃たないでくれ!!」

「しょ、勝者、シュン・カミカワ!!」

その言葉を聞くと会場に来ていた見物人達の歓声が耳に入ってくる中、俺は怯えるバッツに近づき胸ぐらを掴み無理やり立たせる。

「お前、俺が言った事覚えているよな?」

「あ、ああ・・・・約束する。もうお前達に一生関わらない。学園に通っている間は大人しくしている」

「間違ってるぞ」

「な、間違っている? ・・・・ど、何処が?」

「俺は約束じゃなく契約をして貰うと言ったんだ」

「け、契約だと!?」

そう言いながら顔を青くするバッツを無視して生徒会長に顔を向ける。

「生徒会長、契約の話はしっかり聞いてますよね?」

「ああ、しっかり聞いていたよ」

「その契約は生徒会長に任せても良いですか?」

「何で私に任せるんだい? 本来勝利したキミ自身が契約する事が普通なんだが」

「ああ、俺が契約をさせようとするより、生徒会長がやった方がスムーズに契約してくれそうだからな」

それにコイツは口で言った約束を守るタイプじゃなさそうだからな。だからあの時に約束じゃなく契約と言ったんだ。

「・・・・分かった。後の事は私に任せてバッツくんを離して貰えないか?」

「・・・・了解」

その言葉を言うと胸ぐらを掴んでいる左手を離してから、出口に向かって歩き始める。
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