魔法学園のFPSプレイヤー

青空鰹

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第3話

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「はぁー、退屈だ」

教室に着いて、先生から適当な席に座って待ってるように言われたので窓側の席を確保して先生を待っている。

「ちょっと遅くないか?」

そう言った途端、教室のドアが開いて先生が入ってくる。

「遅れてすまないな。全員席に座ってるみたいだな。よし、これからリクリエーションを始める」

先生はそう言うと教卓の後ろに立つと、黒板に向かってチョークで名前を書き始める。

「一年間このE-1-2を担当する事になった。【ダリット・マスリード】だ。よろしく。さて質問については後で受け付けるから、まずはこの学園の規則について話をする」

彼はそう言った後にさっき書いた自分の名前を消し、また別の事を書き始める。

「みんな知っての通り、この学園には他の学園とは違う規則がある。一つ目は半年ごとにクラスのランク調査試験。簡単に言えば半年ごとに学力と魔力の両方のテストを行いランクづけを行うんだ。成績が良ければランクが上がり、悪ければランクが落ちる。無論その時にクラスの移動も行ってもらう。後、落第もあるから頑張れよ」

実力制にして互いを競わせて能力を高めさせる。現代的なやり方だな。

「二つ目、この学園の勉強は時間通りに教室へ入らなければ授業を受ける事が出来ない。理由があれば免除し授業を受けさせるが、それ以外だったら成績に響くから気を付けておけ」

つまり大学みたいな感じかな?

「三つ目、最後のこれは重要だ。学園に通っている間は身分を平等にし、そして身分を使って何か悪さをするようであれば、帝国で定められた法律により厳罰に処する。念のために言っておくが、これに触れた場合は爵位剥奪どころか死刑になる事があるから気を付けろよ」

死刑!? そこまでなるのか恐いな。

「とまぁ話はこんなもんだな。何か質問のあるヤツはいるか?」

「はい、先生!」

一人の男子学生が手を上げる。

「ん、なんだ? 言ってみろ」

「昨日のダンブルス伯爵家のやり取りを見ていたのですが、生徒会長の話に授業以外で攻撃魔法の使用を禁止する。と言う話を聞きましたがそちらについてはどうなんですか?」

「ああ、そうだった。ジュニアスクールとかから来ているヤツらばかりじゃなかったんだな。これも話しておくべきだったな。」

ダリット先生は頭をかいた後に話始める。

「そうだな。案外基本的でもあり、重要な事だから覚えておけよ。生活魔法の使用は大丈夫だが、学園内での攻撃魔法の使用は一部の場所を除いて基本的不可能だから覚えておくようにしておけ」

「一部の場所ですか?」

「そう、訓練施設とかの場所だな。後は教師が許可すれば使用出来る。だか人に向けてになると、決闘とかそう言う話になるからな。覚えておくように」

「分かりました」

「他に質問はないか?」

ダリット先生はそう言いながら周りを見回して、誰も手を上げてない事を確認すると背筋を伸ばして口を開き始める。

「手帳の中に一週間の授業スケジュールが書いてあるから確認しておくようにしておけ。最後に明日から授業が始まるから遅れないようにしろよ。それじゃ終わりだ。解散!」

ダリット先生はそう言った後に教室を出て行ってしまう。

え、終わりの挨拶無しで良いの? これがこの学園の授業スタイルなら文句は言わないけど・・・・まぁ、良いや。帰って明日の支度をしようか。

そう思いながら席を立ち、出入口に顔を向けるとヤツの顔が俺の目に映る。

うわぁ、皇子がそこにいるよ。しかも手を振ってるし。

面倒な事になったかもしれない。

そう思いながらリッシュに近づいて行く。

「やぁ、シュンくん。迎えに来たよ」

「何でお前がここにいるんだ?」

知らん顔して逃げようと思っていたのに、まさかの迎えに来るなんて。

「冷たいなぁ~、彼女もそばにいるのにね」

「彼女?」

「どうも・・・・シュンくん」

リッシュの後ろで手を振ってくるレイラがそこにいた。

「えっと、どうも」

「まぁ、ここで話をするのも何だから食堂の方に行こうか」

この場から逃げるのを諦めて、大人しく付いて行った方が良いかもしれない。

「分かった」

そう返事をした後に、無言のままリッシュの後ろに付いていく。




食堂に着いた俺達は昼食も兼ねて、食事を頼んだ後に適当な椅子に座る。

「・・・・でだ、昨日のお礼を言いたくて俺達を呼んだ。って訳か」

「ええ」

「まぁ、話はリッシュから聞いているから話さなくても構わない」

それに個人的にもこれ以上面倒事に関わりたくないし。

「はぁ、そうですか」

どこか間の抜けた返事レイラに対して、リッシュがニコニコしながら話掛けてくる。

「僕は詳しく聞きたいなぁ」

「リッシュ、お前ちょっと陰湿じゃないか?」

「そんなヒドい人に思えるの? まぁ、個人的な感情もあるけど彼の横暴に釘を刺すと言う事もしたいからね」

「後、アイツの家の弱味を握りたいんだろ」

「フフッ! そう思う?」

黒い顔をするなぁ。まぁ、もうすでに帝国皇子に手を上げようとした。と言う弱味を握っている状態だけどな。

「・・・・まぁいいや。彼女を置いてきぼりに可哀想だ」

「そうだね。レイラさん、話したいのなら話して良いよ」

「あ、はい!」

彼女は一瞬だげ身体を強張らせると、顔を深々と下げてくる。

「昨日はありがとうございました。アナタ方のお陰で私は助かりました」

「いや、今朝も言ったけど俺は何にもしてない。ただアイツが俺達の勝手に突っ掛かって来ただけで気にする必要はない。それに解決したのは生徒会の人達何だから、そっちの人達に感謝するべきだ」

「僕もシュンくんと同意見だよ」

「はぁ、そうですか。でも私はアナタ達が心配なんです」

少しオドオドしながら言うレイラを見せるので、念のために確認を取る事にする。

「どうして心配なんだ?」

「はい、バッツは昔から自分の思い通りに物事が進まなかったり、少しでも嫌な事があると感情的になって周りが見えなくなるんです。しかも悪い事に何がなんでも自分の思い通りにしようとして、権力を使って圧力を掛けたりしたり、脅したり、ましてや暴力を振ふるう事もあるんです」

聞いている限りじゃ典型的なボンボンな感じしかない。

「それがあの平民との問題に繋がった。って訳だね」

あぁ~、リッシュが昨日言ってた一触即発になりかけたと言う話か。

「はい。その事件を解決した後に、ダブルス伯爵様から婚約の話を無かった事にする話を持ちかけられました。私の父もそれを聞いて容認しました」

・・・・なるほど。自分の家どころか相手の家に迷惑が掛かるか、もしくは向こうから婚約破棄を言われるだろう。と考えたから自分の家から婚約破棄を申し出たんだ。

「なるほど、ご両親も喜んでいたのかい?」

「はい。いくら政略結婚とは言え、バッツとの結婚に思う所があったみたいなので喜んでました」

多分、レイラの両親は後悔している所があったんだと思う。

「何にせよだ。昨日の事でもう悪さをする事はないだろう。ましてや、ウィーレン魔法学園にせっかく受かったのに退学したと聞いたら今度こそ家から勘当受ける嵌はめになるだろう」

二人は、あぁ~。と言いながら納得した顔をしながら俺の顔を見る。

「まあ、学園にいる間は安心してす「おい、貴様!!」ごせば良いよ」

「え? ・・・・は、はぁ」

おや? 何処か納得いかない顔してる。しかも顔が俺じゃなく別方向を向いてるし。

「ましてや昨日の今日で俺達に突っ掛かってくるような事なんてするヤツじゃないだろ? ただでさえ学園側から目をつけられているのに、自分から問題を起こすような真似をするんだったら、ゴブリン並みの馬鹿としか「何だと貴様!!」ん?」

耳障りな声が聞こえる方向を向くとバッツが睨んでいた。

お、噂をすれば何とやら。

「もしかして、俺達に昨日の事で謝りに来たのか?」

「フンッ! この俺様が貴様ら格下共何かに頭を下げる訳ないだろ」

じゃあ何しに来たんだよ。

「俺はともかく、この二人はお前が負けてる所が色々あるぞ」

「ブフゥッ!?」

リッシュが吹いた後に口を押さえて笑い堪えていて、バッツは恥ずかしそうにしながら顔を真っ赤にして身体を震わせている。

「き、貴様」

「悪い事は言わないから大人しく帰った方が身のためだ。こっちからお前に手を出すつもりは微塵もないから安心しろ」

「ふ、そんな事よりもだ。貴様に話がある」

「話って何?」

この流れは嫌な予感しかしないけど。

「貴様に決闘を申し込みに来たのだ! 俺様と決闘をしろ平民!!」

めんどくさい事になった。入学早々クズ野郎に決闘を挑まれたよ。
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