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第6話
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真夜中の帝国内で、息を荒くして走っている男がいた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・な、何なんだ! アイツらは一体何なんだ!!」
冒険者ギルドの仲間3人と一緒に飲んでいる時に、フードを被った2人がこっちに来て「お前は魔物使いか?」と聞いて来たから俺が「ああ、そうだ」と言ったら、いきなり襲い掛かって来た。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、クソッ! クソッ!?」
仲間は全員アイツらに殺られてしまい、酒場の店主に逃げて兵隊に言うように言われた為、今は帝都の門を目指して走っている。
あそこに行けば、門番達が助けてくれる! 早く、早く行かないと追い付かれる!!
「うわっ!?」
つまづいて転んでしまったので起き上がり顔を上げたら、そこに仲間を殺した2人が立っていた。
「ヒィッ!?」
「見つけましたよ。悪あしき能力を身体に持つ者よ」
「我々の手で君の魂たましいを救済しよう」
「救済? ふざけるな!? 何なんだ、お前達は何が目的で俺を殺そうとするんだ!!」
「何度も言ってるじゃないか我々の目的は君を助けると。そう、君のその呪われた身体に縛り付けられている魂を我々の手で救って上げようとしているのだよ。それなのに何故キミは逃げるのかな?」
「俺の仲間と店の客を殺しておいて救済だと、テメーらはただ人を殺しているだけじゃねえか!!」
「キミの悪しき身体から発する魔力に当てられて操られた為、ああ言う行動をしてしまったんだよ」
「だから私達は彼らの魂を救ってのだよ。きっと我らが神が彼らを許し、そして正しい道に導いて下さる」
コイツら、笑顔で何を言ってるんだよ。完全に頭が狂くるってやがる。
「だからキミの魂も救済しようじゃないか」
血に濡れた剣を見せつけるように構えながら、ゆっくり近づいて来る二人の姿を見て、男は恐怖で顔を歪ゆがませた上に身体を震わせて這いつくばりながら逃げる。
「だ、誰か、誰か助けてくれぇーーーっ!?」
「さぁ、行ゆきなさい。アナタを救って下さる神様の元へ!」
突くように振り下ろされた剣は彼の心臓を貫く。それと同時に彼は苦悶の表情を浮かべながら絶命をしてしまう。
「「あぁ、我らが神よ! 彼かの者を呪われた肉体から魂を救い上げました! どうか、彼の魂をアナタ様の手で救って導いて下さい!!」」
天に向かい祈りを捧げていると、何者かが近づいて来る気配がするので祈る事を止め、立ち上がる。
「ここらへんから声がしたな」
「はい、自分にも聞こえました」
「ヤツらがここらへんにいるはずだ。全員この一帯を捜索するんだ!」
『了解!』
その返事をした後に走り回っているのか、鎧の音が街中に響き渡る。
「・・・・チッ!? 何故だ。何故彼らは我々がやっている事を理解してくれないんだ!!」
「落ち着くんだ。我々の行動を理解して貰う為に明日あそこに行くんじゃないか」
「そうだな。今は身を引こう。あの場所にいる沢山の悪しき者達を救済すれば分かってくれるはずだ」
「あぁ、そうだな」
彼らはそう話し合うと、真夜中の帝都を走り始めるのであった。
「おはようシュンくん。今日も良い天気だね」
「シュンくん、おはようございます」
学園に登校する為に家の玄関を開けたら、リッシュとレイラが立っていた。
「・・・・何でお前らが家の前にいる?」
「せっかくキミを迎えに来たのに、冷たいなぁ~」
「学園の方で会えるだろ。はぁ」
俺はコイツらに気に入られたのか?
「まぁまぁ、良いじゃないか。とにかく学園に行こうよ」
「・・・・分かった。カギを締しめるからチョット待ってくれ」
何を言っても無駄と感じたので、諦めて二人と共に学園へ登校する事にした。
「良しカギを掛けたな。こっちは準備出来た」
「うんうん! それじゃあ出発~!!」
「あ! うん」
「はいはい」
元気歩いて行くリッシュに対して、テンション低い返事をしながらリッシュに付いて行くのであったのだが。
「・・・・ん?」
「シュンくん、キョロキョロしてどうしたの?」
「今、誰かに見られた気がする」
「え!? そうなの?」
「レイラ」
「ハ、ハイッ!?」
辺りを見回すレイラに対して両肩に手を置いてから話始める。
「俺の方で警戒するから、そんなに気にするな」
「・・・・うん」
ん? 何か顔が赤いな。
「大丈夫か、風邪でも引いてるのか?」
そう言いながらレイラの額ひたいに手を当てると、何故か顔をさらに赤くして身体を石のように硬直させた。
「・・・・ヒャウッ!?」
いきなり変な声を出した後に、何故か手を振り払ってくる。
「わ、私は大丈夫ですから! だからシュンくん、リッシュ王子様、学園に行きましょう!!」
早口の言った上、振り返り早足で学園へ向かい始める。
「・・・・俺、嫌われてるのか?」
「違うと思うよ」
「ならレイラは照れてるのか?」
「そうだよ」
「それほど男性と触る機会が無かったのか。今後は気安く触らないように気を付けるか」
「・・・・ハァ~」
「何呆れてるんだ?」
「キミ、よく鈍いと言われない?」
コイツは呆れた顔をしながら何を言ってるんだ?
「言われた事はないが・・・・どうした?」
「お二人共、早く来ないと遅刻してしまいますよ!」
「はぁ~い!」
「あぁ、分かった待ってくれ!」
先を歩いているレイラに駆け足で追い付いた時に、気配が消えている事に気が付いた。
一体何だったんだ? バッツが来たのか、はたまた昨日の決闘で俺に興味を持ったヤツが来たのか・・・・まぁ、どちらにせよ消えたんだから良いか。
警戒するのを止めて、レイラ達と話ながら学園に向かって歩いて行くと、校門の方から色んな人の掛け声が聞こえてくる。
「何だ? また一昨日みたいな騒ぎが起きてるのか?」
「違うよ。サークル勧誘をしているんだよ」
「え、勧誘!?」
勧誘するの早いな。普通はどんな物があるのかレクリエーション、とかで説明してからじゃないか?
「シュンくんは何処かのサークルに入るんですか?」
「俺は入らないつもりでいる」
「え! どうして入らないんですか?」
「アリスが俺のお金を使ってお酒を買い込んで飲んだせいで、金が無いから稼がないといけない。だからサークルに入って活動している暇がない」
その話を聞いた二人は苦笑いをしている。
「そのアリスさんは自分勝手な所があるんですね」
「本当に自分勝手な人だから困る。全く、この大陸で有名な魔導師だと思えない」
「有名な魔導師、アリス?」
リッシュはそう言いながら首を傾かしげると、何かに気付いたのか目を見開いて俺を見てくる。
「シュンくん! もしかして【セレス・ヴァレンタイン】理事長の姉の【アリス・ヴァレンタイン】魔導師様の事であってるよね?」
「リッシュの言う通り合ってるぞ」
「エェッ!?」
レイラもかなり驚いているのか口に手を当てて、目を見開いて俺を見てくる。
「アリスに様を付けるって、それほど有名なのか?」
「有名ですよ!!」
声を張り上げながら顔を近づけてくるレイラに対して、少し驚いたので体を仰け反りながら一歩下がってしまう。
「私達が使っている魔法や魔法陣のほとんどが、アリス様が作られた物を使用しています! それに魔法の理論の方も根本的な部分から変えた人なのですよ」
あの大酒飲みがそんな事をしてたのか。
「あの方と会う事が出来るなんて、シュンくんが羨ましいです」
「・・・・そ、そうか」
レイラの思い描いている人物像を壊さない為にも、アリスと会わせないようにした方が良さそうだ。
「・・・・ところで二人共」
「ん?」
「はい」
「僕達、校内に入るまでサークルに勧誘されなかったね」
「「あ!?」」
そう言えばそうだ。校内に入るまでに勧誘の声がなかったな。
「・・・・もしかして、俺達に声掛けづらかったのか?」
「そうだと思うよ」
まぁ、断る手間が省けたから、ある意味ありがたい。
「ここでお別れだな。じゃあな」
「うん、また後でね!?」
「え・・・・うん、またね」
二人と別れて、自分のクラスに向かうのであった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・な、何なんだ! アイツらは一体何なんだ!!」
冒険者ギルドの仲間3人と一緒に飲んでいる時に、フードを被った2人がこっちに来て「お前は魔物使いか?」と聞いて来たから俺が「ああ、そうだ」と言ったら、いきなり襲い掛かって来た。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、クソッ! クソッ!?」
仲間は全員アイツらに殺られてしまい、酒場の店主に逃げて兵隊に言うように言われた為、今は帝都の門を目指して走っている。
あそこに行けば、門番達が助けてくれる! 早く、早く行かないと追い付かれる!!
「うわっ!?」
つまづいて転んでしまったので起き上がり顔を上げたら、そこに仲間を殺した2人が立っていた。
「ヒィッ!?」
「見つけましたよ。悪あしき能力を身体に持つ者よ」
「我々の手で君の魂たましいを救済しよう」
「救済? ふざけるな!? 何なんだ、お前達は何が目的で俺を殺そうとするんだ!!」
「何度も言ってるじゃないか我々の目的は君を助けると。そう、君のその呪われた身体に縛り付けられている魂を我々の手で救って上げようとしているのだよ。それなのに何故キミは逃げるのかな?」
「俺の仲間と店の客を殺しておいて救済だと、テメーらはただ人を殺しているだけじゃねえか!!」
「キミの悪しき身体から発する魔力に当てられて操られた為、ああ言う行動をしてしまったんだよ」
「だから私達は彼らの魂を救ってのだよ。きっと我らが神が彼らを許し、そして正しい道に導いて下さる」
コイツら、笑顔で何を言ってるんだよ。完全に頭が狂くるってやがる。
「だからキミの魂も救済しようじゃないか」
血に濡れた剣を見せつけるように構えながら、ゆっくり近づいて来る二人の姿を見て、男は恐怖で顔を歪ゆがませた上に身体を震わせて這いつくばりながら逃げる。
「だ、誰か、誰か助けてくれぇーーーっ!?」
「さぁ、行ゆきなさい。アナタを救って下さる神様の元へ!」
突くように振り下ろされた剣は彼の心臓を貫く。それと同時に彼は苦悶の表情を浮かべながら絶命をしてしまう。
「「あぁ、我らが神よ! 彼かの者を呪われた肉体から魂を救い上げました! どうか、彼の魂をアナタ様の手で救って導いて下さい!!」」
天に向かい祈りを捧げていると、何者かが近づいて来る気配がするので祈る事を止め、立ち上がる。
「ここらへんから声がしたな」
「はい、自分にも聞こえました」
「ヤツらがここらへんにいるはずだ。全員この一帯を捜索するんだ!」
『了解!』
その返事をした後に走り回っているのか、鎧の音が街中に響き渡る。
「・・・・チッ!? 何故だ。何故彼らは我々がやっている事を理解してくれないんだ!!」
「落ち着くんだ。我々の行動を理解して貰う為に明日あそこに行くんじゃないか」
「そうだな。今は身を引こう。あの場所にいる沢山の悪しき者達を救済すれば分かってくれるはずだ」
「あぁ、そうだな」
彼らはそう話し合うと、真夜中の帝都を走り始めるのであった。
「おはようシュンくん。今日も良い天気だね」
「シュンくん、おはようございます」
学園に登校する為に家の玄関を開けたら、リッシュとレイラが立っていた。
「・・・・何でお前らが家の前にいる?」
「せっかくキミを迎えに来たのに、冷たいなぁ~」
「学園の方で会えるだろ。はぁ」
俺はコイツらに気に入られたのか?
「まぁまぁ、良いじゃないか。とにかく学園に行こうよ」
「・・・・分かった。カギを締しめるからチョット待ってくれ」
何を言っても無駄と感じたので、諦めて二人と共に学園へ登校する事にした。
「良しカギを掛けたな。こっちは準備出来た」
「うんうん! それじゃあ出発~!!」
「あ! うん」
「はいはい」
元気歩いて行くリッシュに対して、テンション低い返事をしながらリッシュに付いて行くのであったのだが。
「・・・・ん?」
「シュンくん、キョロキョロしてどうしたの?」
「今、誰かに見られた気がする」
「え!? そうなの?」
「レイラ」
「ハ、ハイッ!?」
辺りを見回すレイラに対して両肩に手を置いてから話始める。
「俺の方で警戒するから、そんなに気にするな」
「・・・・うん」
ん? 何か顔が赤いな。
「大丈夫か、風邪でも引いてるのか?」
そう言いながらレイラの額ひたいに手を当てると、何故か顔をさらに赤くして身体を石のように硬直させた。
「・・・・ヒャウッ!?」
いきなり変な声を出した後に、何故か手を振り払ってくる。
「わ、私は大丈夫ですから! だからシュンくん、リッシュ王子様、学園に行きましょう!!」
早口の言った上、振り返り早足で学園へ向かい始める。
「・・・・俺、嫌われてるのか?」
「違うと思うよ」
「ならレイラは照れてるのか?」
「そうだよ」
「それほど男性と触る機会が無かったのか。今後は気安く触らないように気を付けるか」
「・・・・ハァ~」
「何呆れてるんだ?」
「キミ、よく鈍いと言われない?」
コイツは呆れた顔をしながら何を言ってるんだ?
「言われた事はないが・・・・どうした?」
「お二人共、早く来ないと遅刻してしまいますよ!」
「はぁ~い!」
「あぁ、分かった待ってくれ!」
先を歩いているレイラに駆け足で追い付いた時に、気配が消えている事に気が付いた。
一体何だったんだ? バッツが来たのか、はたまた昨日の決闘で俺に興味を持ったヤツが来たのか・・・・まぁ、どちらにせよ消えたんだから良いか。
警戒するのを止めて、レイラ達と話ながら学園に向かって歩いて行くと、校門の方から色んな人の掛け声が聞こえてくる。
「何だ? また一昨日みたいな騒ぎが起きてるのか?」
「違うよ。サークル勧誘をしているんだよ」
「え、勧誘!?」
勧誘するの早いな。普通はどんな物があるのかレクリエーション、とかで説明してからじゃないか?
「シュンくんは何処かのサークルに入るんですか?」
「俺は入らないつもりでいる」
「え! どうして入らないんですか?」
「アリスが俺のお金を使ってお酒を買い込んで飲んだせいで、金が無いから稼がないといけない。だからサークルに入って活動している暇がない」
その話を聞いた二人は苦笑いをしている。
「そのアリスさんは自分勝手な所があるんですね」
「本当に自分勝手な人だから困る。全く、この大陸で有名な魔導師だと思えない」
「有名な魔導師、アリス?」
リッシュはそう言いながら首を傾かしげると、何かに気付いたのか目を見開いて俺を見てくる。
「シュンくん! もしかして【セレス・ヴァレンタイン】理事長の姉の【アリス・ヴァレンタイン】魔導師様の事であってるよね?」
「リッシュの言う通り合ってるぞ」
「エェッ!?」
レイラもかなり驚いているのか口に手を当てて、目を見開いて俺を見てくる。
「アリスに様を付けるって、それほど有名なのか?」
「有名ですよ!!」
声を張り上げながら顔を近づけてくるレイラに対して、少し驚いたので体を仰け反りながら一歩下がってしまう。
「私達が使っている魔法や魔法陣のほとんどが、アリス様が作られた物を使用しています! それに魔法の理論の方も根本的な部分から変えた人なのですよ」
あの大酒飲みがそんな事をしてたのか。
「あの方と会う事が出来るなんて、シュンくんが羨ましいです」
「・・・・そ、そうか」
レイラの思い描いている人物像を壊さない為にも、アリスと会わせないようにした方が良さそうだ。
「・・・・ところで二人共」
「ん?」
「はい」
「僕達、校内に入るまでサークルに勧誘されなかったね」
「「あ!?」」
そう言えばそうだ。校内に入るまでに勧誘の声がなかったな。
「・・・・もしかして、俺達に声掛けづらかったのか?」
「そうだと思うよ」
まぁ、断る手間が省けたから、ある意味ありがたい。
「ここでお別れだな。じゃあな」
「うん、また後でね!?」
「え・・・・うん、またね」
二人と別れて、自分のクラスに向かうのであった。
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