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楽しい食事会と切り札ゼラフ!
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「ブンゼ……あの最低なブンゼがカイリに目を付けた? ……サニー、事実なの?」
「ええ…ブンゼがカイリに突っ掛かっていたわ」
「……カイリ、本当?」
「うん。まぁ…事実だけどぉ~……」
マナの表情が怖くてカイリの声が震えてしまっているのだが、マナはカイリ様子に気付いていないのか、その表情のままイスから立ち上がった。
「そうなんだぁ~……。じゃあ懲らしめてやらないとねぇ~……」
懲らしめるって何っ⁉︎ マナさん物騒なことを考えてないよなっ?
「マナ、落ち着いて」
「落ち着いてられないよ! あのブンゼのことだから、もしかしたらカイリに手を出す準備をしてるかもよ!」
「まだブンゼがカイリに手を出すと決まった訳じゃないわ。それにね。あの商会は商業ギルドから注意を受けているから、下手なことはして来ない筈よ」
「だけど……」
「マナ。今あの商会に手を出したら、こっちが大変な目に会うからダメよ」
「う~ん……わかったよ」
マナさんはそう言うと素直にイスに座った。
「ねぇカイリちゃん。念の為聞くけど、ブンゼちゃんの商会のブンドロー商会のことを何処まで知ってるの?」
「押し売りすることや、物を安く買い付ける暴力を振るう最低商会
で、たったこの街でブンドロー商会が出している店はたったの2店舗しかないぐらい」
俺がそう言うとサニーさんが合っていると言いたそうに「うんうん」と頷いていた。
「そうねぇ……それだけじゃないのよ。彼はね。売買の契約違反に商業ギルド法の違反を犯していて、商業ギルドから追放一歩手前なのよ」
「商業ギルドからの追放……ん? でも商業ギルドから追放されても、商売事態は出来るんじゃないの?」
商業ギルドへ登録しなくてもお店を構えること事態は出来る。
「……そうね。でも冒険者ギルドと同じで商業ギルドに加入すれば恩恵が受けられるのよ。
例えば各地の売れ筋の物を教えてくれたり、行き先までの情報。それに荷物の紛失とか事故があったら、補償してくれる制度もね」
「他にもお客に商業ギルドのカードを見せれば、安心して買ってくれるんだよ!」
「いいこと尽くめじゃん」
何て思っていたら料理が運ばれて来た。
「お待たせしました。ミートソースパスタとオレンジジュース。それと従魔様達のお食事です」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達は嬉しそうな様子で自分達に用意された食事の前へ行く。
食べずに待てるなんて…何ていい子達なんだろうっ‼︎
「話は聞いたんだなぁ~」
むっ⁉︎ この特長的な話し方は……。
「ゼラフさん、いつから話を聞いてたんですか?」
しかもオヤツかどうか分からないけど、アメリカンドックを両手に持ってるし。
「商業ギルドの入会のところからなんだなぁ~。それよりもブンゼくんはいっぱい悪いことしてるから、関わらない方がいいんだなぁ~。……ハムハム」
「それを言うのは手遅れね。ルルとファニーがどうしても欲しいみたいなのよ」
「ふぅ~ん、なるほどね。色々話したいことはあるけど、美味しい料理が冷めない内に食べた方がいいんだなぁ~。
カイリくんの従魔達も待ってるし。ハムハム……」
ルル達に目を向けて見ると、「まだ食べちゃダメなの?」と言いたそうな顔で俺の顔を見つめていた。
「待たせてゴメンね! 食べようか。…いただきます」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達も「いただきます!」と言いたそうな返事をした後に、用意された食事を食べ始めた。
「それで話の続きだけど、カイリをどうやってブンゼの手から守りましょうか?」
「サニーさん。念の為に商業ギルドに今日のことを報告した方がいいわ」
「そうね。この後ゼラフと一緒に話を通しに行きましょう」
「カイリくんの為なら強力するんだなぁ~! ……ハムハム」
アメリカンドックを美味しそうに食べるゼラフに、カイリは頼りになるのか少し不安になってしまった。
「ゼラフ様のお屋敷にお泊まりする!」
「ナイスアイディアよ! マナちゃん!」
「早速お屋敷に戻って……」
「ダメです」
「どうして?」
「頼んだ料理を食べ終えてからにしないと御行儀が悪いわ。アイリちゃんもそう思うわよねぇ~?」
そう言って自分のお腹を撫でる姿にカイリを含めた周りに居た人達は、「親バカだなぁ~」なんて思ってしまう。
「そこまでしても不安要素がありますよ。ブンゼは周りの注意も跳ね除けて行動するようなタイプですから」
「おおうっ⁉︎ ザバンさん、いつの間にいたんですかぁっ?」
つーか後ろから話し掛けて来たからビックリしたわっ⁉︎
「つい先ほどこの部屋に来ました。一応こちらの方で軽く調べてみたのですが、商業ギルドから注意を受けて行こうは大人しくしていたみたいです」
仕事早くない? …って言うよりも、叩けば埃が出る布団のように、すぐに情報が手に入る状態なのか?
「そう? 錬金術ギルドに来た時はそんな感じに見えなかったわよ」
「それに付いてですが、どうやら商会を維持する為のお金に困っているようです」
まぁ押し売りとかやってれば……ん?
お店の入り口だろうか、怒鳴り声が聴こえて来た。
何か問題でも起きたのか?
「……キャンッ⁉︎」
耳をピィ~ン! と立てていたルルが「アイツが来た!」と言いたそうに吠えた。
プルンッ⁉︎
プル太郎も「ええっ⁉︎ アイツがぁ?」なんて言いたそうな感じで震えた!
「~~~♪」
そしてプル太郎の隣でファニーちゃんがウンザリした顔で「いい加減して欲しい……」と言いたそうな声を上げる。
「ルル達が、ブンゼが来た。って言ってる」
「ハァ~……全く嫌になっちゃうわね」
「ブンゼのことはボク達が何とかするから、食事を続けてていいんだなぁ~。……ハムハム」
イヤイヤ……それじゃ悪いでしょ。
「あの……俺のことなんで俺が対処して来ます」
そう言って立ち上がった途端、マナさんが飛び付いて来た!
「マナさん、何すんのっ⁉︎」
「カイリ、こういう時は任せた方がいいんだよ」
「任せた方がいいって……」
「ゼラフだって商会長なんだから、サラっと解決してくれるよ!」
「そうかなぁ~?」
ついこの間俺にバルグさんに自分の代わりに謝って来て欲しい。って言っていた人だぞ。
「まぁまぁ……ここでカイリちゃんが出ると余計拗れると思うから、ゆっくり食事を楽しみましょう」
「そうね。そうしましょう」
ミレイさん達はそう言うと自分達が頼んだ食事を食べ始める。
ミレイさん達がそう言うのなら信じて食べよう。
ミートソースパスタをフォークで絡めてから口へと運んだ。
ん~……ソースがパタにちゃんと絡んでいて美味しい!
「もしかしたらバルグさんのお店で提供しているヤツよりも美味しいかも」
「あらあらぁ~……カイリちゃんたら傷付くことを言うのね」
「あっ⁉︎ ゴメンなさい! ちょっと言い過ぎました!」
「でもカイリが言うことは合ってるよ。もしかしたらカイリが教えたレシピを切っ掛けに自分達で試行錯誤したのかもしれないよ」
「そうねぇ~……私達にもレシピをちょっと教えて貰っちゃおうかしら?」
「そんなことしたら、ゼラフさんの立場がなくなっちゃいますよ。
あ、でも……ミートソースパスタの隠し味に荒く砕いた胡桃を入れる人もいるって聞いたことがある」
「あらそうなの! 今度試してみましょうマナちゃん!」
「はい! 奥様!」
何か「いいこと聞いた!」って言いたそうな顔をしているけど、噂程度だから真実かどうかわからないぞ。
何て思っているとルルが再びドアの方を気になる様子で向いた。
「どうしたルル?」
「キャンッ⁉︎」
ルルが「アイツが来る!」と言ったのと同時に、ドカドカうるさい足音が聴こえて来た。
「ゲッ⁉︎ マジかよ!」
俺と同じように嫌な顔させているルルを含めプル太郎とファニーに対して、サニーさん達は怪訝そうな顔で見つめている。
カイリが「ブンゼが来る!」と言おうとしたのだが、その前にドアが開け放たれてしまった!
「見つけたぞ小娘っ⁉︎」
ニタァ~……。と悪そうな笑みに対して、カイリは頭を抱えるのであった。
「ええ…ブンゼがカイリに突っ掛かっていたわ」
「……カイリ、本当?」
「うん。まぁ…事実だけどぉ~……」
マナの表情が怖くてカイリの声が震えてしまっているのだが、マナはカイリ様子に気付いていないのか、その表情のままイスから立ち上がった。
「そうなんだぁ~……。じゃあ懲らしめてやらないとねぇ~……」
懲らしめるって何っ⁉︎ マナさん物騒なことを考えてないよなっ?
「マナ、落ち着いて」
「落ち着いてられないよ! あのブンゼのことだから、もしかしたらカイリに手を出す準備をしてるかもよ!」
「まだブンゼがカイリに手を出すと決まった訳じゃないわ。それにね。あの商会は商業ギルドから注意を受けているから、下手なことはして来ない筈よ」
「だけど……」
「マナ。今あの商会に手を出したら、こっちが大変な目に会うからダメよ」
「う~ん……わかったよ」
マナさんはそう言うと素直にイスに座った。
「ねぇカイリちゃん。念の為聞くけど、ブンゼちゃんの商会のブンドロー商会のことを何処まで知ってるの?」
「押し売りすることや、物を安く買い付ける暴力を振るう最低商会
で、たったこの街でブンドロー商会が出している店はたったの2店舗しかないぐらい」
俺がそう言うとサニーさんが合っていると言いたそうに「うんうん」と頷いていた。
「そうねぇ……それだけじゃないのよ。彼はね。売買の契約違反に商業ギルド法の違反を犯していて、商業ギルドから追放一歩手前なのよ」
「商業ギルドからの追放……ん? でも商業ギルドから追放されても、商売事態は出来るんじゃないの?」
商業ギルドへ登録しなくてもお店を構えること事態は出来る。
「……そうね。でも冒険者ギルドと同じで商業ギルドに加入すれば恩恵が受けられるのよ。
例えば各地の売れ筋の物を教えてくれたり、行き先までの情報。それに荷物の紛失とか事故があったら、補償してくれる制度もね」
「他にもお客に商業ギルドのカードを見せれば、安心して買ってくれるんだよ!」
「いいこと尽くめじゃん」
何て思っていたら料理が運ばれて来た。
「お待たせしました。ミートソースパスタとオレンジジュース。それと従魔様達のお食事です」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達は嬉しそうな様子で自分達に用意された食事の前へ行く。
食べずに待てるなんて…何ていい子達なんだろうっ‼︎
「話は聞いたんだなぁ~」
むっ⁉︎ この特長的な話し方は……。
「ゼラフさん、いつから話を聞いてたんですか?」
しかもオヤツかどうか分からないけど、アメリカンドックを両手に持ってるし。
「商業ギルドの入会のところからなんだなぁ~。それよりもブンゼくんはいっぱい悪いことしてるから、関わらない方がいいんだなぁ~。……ハムハム」
「それを言うのは手遅れね。ルルとファニーがどうしても欲しいみたいなのよ」
「ふぅ~ん、なるほどね。色々話したいことはあるけど、美味しい料理が冷めない内に食べた方がいいんだなぁ~。
カイリくんの従魔達も待ってるし。ハムハム……」
ルル達に目を向けて見ると、「まだ食べちゃダメなの?」と言いたそうな顔で俺の顔を見つめていた。
「待たせてゴメンね! 食べようか。…いただきます」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達も「いただきます!」と言いたそうな返事をした後に、用意された食事を食べ始めた。
「それで話の続きだけど、カイリをどうやってブンゼの手から守りましょうか?」
「サニーさん。念の為に商業ギルドに今日のことを報告した方がいいわ」
「そうね。この後ゼラフと一緒に話を通しに行きましょう」
「カイリくんの為なら強力するんだなぁ~! ……ハムハム」
アメリカンドックを美味しそうに食べるゼラフに、カイリは頼りになるのか少し不安になってしまった。
「ゼラフ様のお屋敷にお泊まりする!」
「ナイスアイディアよ! マナちゃん!」
「早速お屋敷に戻って……」
「ダメです」
「どうして?」
「頼んだ料理を食べ終えてからにしないと御行儀が悪いわ。アイリちゃんもそう思うわよねぇ~?」
そう言って自分のお腹を撫でる姿にカイリを含めた周りに居た人達は、「親バカだなぁ~」なんて思ってしまう。
「そこまでしても不安要素がありますよ。ブンゼは周りの注意も跳ね除けて行動するようなタイプですから」
「おおうっ⁉︎ ザバンさん、いつの間にいたんですかぁっ?」
つーか後ろから話し掛けて来たからビックリしたわっ⁉︎
「つい先ほどこの部屋に来ました。一応こちらの方で軽く調べてみたのですが、商業ギルドから注意を受けて行こうは大人しくしていたみたいです」
仕事早くない? …って言うよりも、叩けば埃が出る布団のように、すぐに情報が手に入る状態なのか?
「そう? 錬金術ギルドに来た時はそんな感じに見えなかったわよ」
「それに付いてですが、どうやら商会を維持する為のお金に困っているようです」
まぁ押し売りとかやってれば……ん?
お店の入り口だろうか、怒鳴り声が聴こえて来た。
何か問題でも起きたのか?
「……キャンッ⁉︎」
耳をピィ~ン! と立てていたルルが「アイツが来た!」と言いたそうに吠えた。
プルンッ⁉︎
プル太郎も「ええっ⁉︎ アイツがぁ?」なんて言いたそうな感じで震えた!
「~~~♪」
そしてプル太郎の隣でファニーちゃんがウンザリした顔で「いい加減して欲しい……」と言いたそうな声を上げる。
「ルル達が、ブンゼが来た。って言ってる」
「ハァ~……全く嫌になっちゃうわね」
「ブンゼのことはボク達が何とかするから、食事を続けてていいんだなぁ~。……ハムハム」
イヤイヤ……それじゃ悪いでしょ。
「あの……俺のことなんで俺が対処して来ます」
そう言って立ち上がった途端、マナさんが飛び付いて来た!
「マナさん、何すんのっ⁉︎」
「カイリ、こういう時は任せた方がいいんだよ」
「任せた方がいいって……」
「ゼラフだって商会長なんだから、サラっと解決してくれるよ!」
「そうかなぁ~?」
ついこの間俺にバルグさんに自分の代わりに謝って来て欲しい。って言っていた人だぞ。
「まぁまぁ……ここでカイリちゃんが出ると余計拗れると思うから、ゆっくり食事を楽しみましょう」
「そうね。そうしましょう」
ミレイさん達はそう言うと自分達が頼んだ食事を食べ始める。
ミレイさん達がそう言うのなら信じて食べよう。
ミートソースパスタをフォークで絡めてから口へと運んだ。
ん~……ソースがパタにちゃんと絡んでいて美味しい!
「もしかしたらバルグさんのお店で提供しているヤツよりも美味しいかも」
「あらあらぁ~……カイリちゃんたら傷付くことを言うのね」
「あっ⁉︎ ゴメンなさい! ちょっと言い過ぎました!」
「でもカイリが言うことは合ってるよ。もしかしたらカイリが教えたレシピを切っ掛けに自分達で試行錯誤したのかもしれないよ」
「そうねぇ~……私達にもレシピをちょっと教えて貰っちゃおうかしら?」
「そんなことしたら、ゼラフさんの立場がなくなっちゃいますよ。
あ、でも……ミートソースパスタの隠し味に荒く砕いた胡桃を入れる人もいるって聞いたことがある」
「あらそうなの! 今度試してみましょうマナちゃん!」
「はい! 奥様!」
何か「いいこと聞いた!」って言いたそうな顔をしているけど、噂程度だから真実かどうかわからないぞ。
何て思っているとルルが再びドアの方を気になる様子で向いた。
「どうしたルル?」
「キャンッ⁉︎」
ルルが「アイツが来る!」と言ったのと同時に、ドカドカうるさい足音が聴こえて来た。
「ゲッ⁉︎ マジかよ!」
俺と同じように嫌な顔させているルルを含めプル太郎とファニーに対して、サニーさん達は怪訝そうな顔で見つめている。
カイリが「ブンゼが来る!」と言おうとしたのだが、その前にドアが開け放たれてしまった!
「見つけたぞ小娘っ⁉︎」
ニタァ~……。と悪そうな笑みに対して、カイリは頭を抱えるのであった。
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