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青ざめる商人
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カイリは岩の下敷きになっているゴーレムを鑑定目で確認して、ようやく勝ったことを自覚するのと同時に地面に座り込んでしまった。
「やっと終わったぁ……」
「キャンッ⁉︎」
俺は「大丈夫?」と言いたそうに吠えて近付いて来たルルの身体を撫でながら話を掛ける。
「ルル、お疲れ様。怪我はないか?」
「キャンッ⁉︎」
「平気!」と言いたそうな感じで吠えるたので、俺は安堵した顔になる。
プルンッ⁉︎
「プル太郎も頑張ったねぇ~。怪我はない?」
プルンッ⁉︎
「攻撃されてないから平気!」と言いたそうな感じで震えた後に、膝の上に乗った。
「~~~♪」
「ファニーちゃんもお疲れ。身体は大丈夫?」
「~~~♪」
「みんなのおかげで無事だよ!」と言いたそうな声を出した後に、肩に乗って頬擦りして来る。
みんな甘えん坊だなぁ~。
「よしよし……ってぇ、そうだ! ブンゼのこと忘れちゃいけない!」
ルル達も「ハッ⁉︎」と気付いた様子でブンゼがビッグゴーレムにぶっ飛ばされた壁を見つめた。
逃げたかもしれないと言う心配もしたが、ぶっ飛ばされたときの姿と変わりなく気絶したままのブンゼがいた。
「~~~♪」
ファニーちゃんがブンゼの姿を見て「死んだんじゃないの?」と言いたそうな声を出したので、念の為に鑑定目でHPを確認しておく。
「いや、ちゃんと生きてるからね」
ファニーちゃんにそう言った後、ブンゼの下へ行くとポーションを取り出して身体にぶっ掛けた。
「カイリ、そいつ元凶だよ!」
「そうですよ! 加害者にそんなことをする必要はありません!」
「むしろ私に使って下さい。ほら、ここ。さっきの戦闘で腕に擦り傷が出来ちゃいました」
「わ…私はさっきの戦闘で唇噛んじゃったから……」
「あ! 2人共ズルイ。そう言うのなら私だって太ももに擦り傷が出来ちゃったからポーション飲ませて欲しいです!」
変態メイド達は俺が作ったポーションを飲みたいだけだろうが⁉︎
そんなことを思っていたらポーションを降りかけたブンゼが気が付いたのか、目を開いて俺に顔を向けて来た。
「う……ここは?」
「覚えてないの? お前召喚石でビッグゴーレムを呼んで俺達…じゃなかった。話し相手に襲わせようとしてたんだぞ」
「…そうだ! ヤツらは何処じゃ?」
「お前を置いてどっか行ったよ」
逃げたって言った方が正しいかもしれないな。
「……フ、フハハハハハハッ⁉︎」
ブンゼは笑いながら立ち上がると何故かガッツポーズをする。
「ヤツらがいなくなったと言うことは、借金が帳消しになったもんだ! これでワシは借金を気にせず商売が出来る!」
「へぇ~、それはよかったねぇ……」
「そして小娘! 今度こそフェンリルと妖精をこちらに渡して貰うぞ! 無論ワシに迷惑を掛けたと言うことで無料でな‼︎」
そう言って片手を差し伸べて来る姿に、俺は呆れて頭を抱えてしまった。
「…あのさ、お前自分の立場がどうなってるのかわかって言ってる?」
「無論、商人としての交渉じゃ!」
「お前が言ってるのは交渉じゃなくて横暴! そしてお前はこれから犯罪者として連行されるんだよ!」
「ワシが犯罪者? フンッ、デタラメも大概にするんじゃな」
「ハァ~……周りを見たら?」
「周り?」
ブンゼは「何を言ってるんだ?」と言いたそうな顔で辺りを見回してみると、目を見開いて驚いた表情になる。
「こ…これはどういうことじゃ? 何で周りがこんなに……」
「お前が呼んだビッグゴーレムが暴走して建物を破壊したんだよ!」
「ワシが呼んだアレが……」
事の重大さを自覚したのか顔が青ざめてる。
「……フ、フン⁉︎ ワシが召喚した証拠は何処にもないし、ビッグゴーレムが勝手に暴れ出しただけじゃからワシは悪くない!」
コイツ開き直りやがった。
「目撃者がたくさんいますし、何よりもアナタ自身に黒い噂話があるので、その理由は通らないかと思いますよ」
「なんじゃと! 貴様何様のつもりなぁ……」
ブンゼは声を掛けられた方向に顔を向けた瞬間、尻すぼみしてしまい、最後まで言えないまま固まってしまった。
甲冑を着た人達は誰なんだ?
「あらまぁ~…領主の精兵部隊ちゃん達じゃないのぉ♡」
「こちらでビッグゴーレムが暴れていると言われたので、急いで駆け付けて来たのですが……もう討伐されてしまったようですね」
「ビッグゴーレム自体のレベルが低かったから、倒すのに苦労しなかったわ」
「冒険者ギルド長と錬金術ギルド長のお2人がいらっしゃれば、ビッグゴーレムを造作もなく倒せそうですね。それはそうと……」
精鋭部隊長と思わきし人が俺の隣りにやって来ると、眉をひそめながらブンゼを見つめる。
「先ほどの会話から察するに、お前がこの現状を作り出した張本人で間違いないな?」
「ちがっ⁉︎ この小娘が……」
お~お。俺に罪を擦り付ける気か? 今更そんなこと言っても通用しないと思うぞ。
「……そうか? 少なくとも彼らから話を聞いた限りじゃ、お前が召喚石を使ったそうじゃないか?」
そう言って部下に向かってアゴをクイッとやると、部下達の後ろからブンゼと言い争っていた3人の男達が縛られた状態で前に出て来た。
「聞けば、お前はアイツらから借金をしているそうだな。それにその借金の帳消しの条件が彼女の従魔を渡すことも話していたぞ。これはテイマー従魔保護法に違反しているが?」
「あ、それは……ヤツらの嘘です! 確かに借金はしましたがワシは無理矢理指示されたことで!」
「嘘吐き、ノリノリだったじゃん」
「キサマは黙ってろ!」
ブンゼがそう言った瞬間、俺とブンゼを遮るように精鋭部隊長が割って入って来た。
「黙るのはキサマの方だ! ここまで証拠が揃っているのに、まだ嘘を言って逃れようとするとは聞いていて呆れて来る!」
「で、ですが……」
「くどい! 私の部下がお前の店を摘発している。事と場合によっては罪状が重なる可能性があるから覚悟しておけ!」
「そんなぁ⁉︎」
「これ以上罪を重ねたくなければ、大人しく同行して貰おう!」
精鋭部隊の後ろからひょこっと顔を出してブンゼの様子を見てみたら、観念したのか俯いていた。…のだけれども。
「こ、こんなところで捕まってたまるかぁ⁉︎」
ブンゼはそう言うと走り出した!
「あっ⁉︎ 逃げた!」
「ブハハハハハハッ⁉︎ もうこんなところに用はない!見ていろ、ワシは必ず成功して再びここへ返り咲いてやる‼︎」
「…の野郎⁉︎」
そう言ってブンゼに向けてマジックリボルバーを構えたのだが、俺よりも先にアンリーさんがブンゼに追い付き、正面から身体を抱き締めて持ち上げた。
「…へ?」
「おいたする子には…お仕置きよ♡」
アンリーさんがそう言った瞬間、腕に力が篭りブンゼの胴体を圧迫する。
「求愛の証明♡」
「お“お”お“ぎょお”お“お”お“お”お“お”お“お”お“お”お“っ‼︎⁉︎」
ブンゼは身体が絞られるような痛みに悶え苦しみ、そしてえび反りになった!
「ぐる”じい“。だ、だずげで……あ」
そう言って手を伸ばして助けを求めたのだけれども、ポキッ⁉︎ という音と共に身体をぐったりさせて動かなくなった。
「…愛の重みを受け止め切れなかったのね」
イヤイヤ、アンリーさんのベアハッグのキツさに耐えかねて気絶しただけじゃん!
そんなことを思っている間に、先鋭部隊長がアンリーさんの下へと行く。
「ブンゼを捕まえて下さり、ありがとうございますアンリー殿」
「いいえ~、これもアタシの仕事だから気にしないでねぇ♡」
「左様ですか。ブンゼの身柄は我々に引き渡して貰っても構わないでしょうか?」
「はい、どうぞ。この子これだけのことをしたのだから、聴取の内容はアタシ達にも教えてねぇ♡」
「もちろん、書面にして送ります。全員戻るぞ」
精鋭部隊は部下にそう言うと、ブンゼを縛り上げてから背負って歩き出した。
「やっと終わったぁ……」
「キャンッ⁉︎」
俺は「大丈夫?」と言いたそうに吠えて近付いて来たルルの身体を撫でながら話を掛ける。
「ルル、お疲れ様。怪我はないか?」
「キャンッ⁉︎」
「平気!」と言いたそうな感じで吠えるたので、俺は安堵した顔になる。
プルンッ⁉︎
「プル太郎も頑張ったねぇ~。怪我はない?」
プルンッ⁉︎
「攻撃されてないから平気!」と言いたそうな感じで震えた後に、膝の上に乗った。
「~~~♪」
「ファニーちゃんもお疲れ。身体は大丈夫?」
「~~~♪」
「みんなのおかげで無事だよ!」と言いたそうな声を出した後に、肩に乗って頬擦りして来る。
みんな甘えん坊だなぁ~。
「よしよし……ってぇ、そうだ! ブンゼのこと忘れちゃいけない!」
ルル達も「ハッ⁉︎」と気付いた様子でブンゼがビッグゴーレムにぶっ飛ばされた壁を見つめた。
逃げたかもしれないと言う心配もしたが、ぶっ飛ばされたときの姿と変わりなく気絶したままのブンゼがいた。
「~~~♪」
ファニーちゃんがブンゼの姿を見て「死んだんじゃないの?」と言いたそうな声を出したので、念の為に鑑定目でHPを確認しておく。
「いや、ちゃんと生きてるからね」
ファニーちゃんにそう言った後、ブンゼの下へ行くとポーションを取り出して身体にぶっ掛けた。
「カイリ、そいつ元凶だよ!」
「そうですよ! 加害者にそんなことをする必要はありません!」
「むしろ私に使って下さい。ほら、ここ。さっきの戦闘で腕に擦り傷が出来ちゃいました」
「わ…私はさっきの戦闘で唇噛んじゃったから……」
「あ! 2人共ズルイ。そう言うのなら私だって太ももに擦り傷が出来ちゃったからポーション飲ませて欲しいです!」
変態メイド達は俺が作ったポーションを飲みたいだけだろうが⁉︎
そんなことを思っていたらポーションを降りかけたブンゼが気が付いたのか、目を開いて俺に顔を向けて来た。
「う……ここは?」
「覚えてないの? お前召喚石でビッグゴーレムを呼んで俺達…じゃなかった。話し相手に襲わせようとしてたんだぞ」
「…そうだ! ヤツらは何処じゃ?」
「お前を置いてどっか行ったよ」
逃げたって言った方が正しいかもしれないな。
「……フ、フハハハハハハッ⁉︎」
ブンゼは笑いながら立ち上がると何故かガッツポーズをする。
「ヤツらがいなくなったと言うことは、借金が帳消しになったもんだ! これでワシは借金を気にせず商売が出来る!」
「へぇ~、それはよかったねぇ……」
「そして小娘! 今度こそフェンリルと妖精をこちらに渡して貰うぞ! 無論ワシに迷惑を掛けたと言うことで無料でな‼︎」
そう言って片手を差し伸べて来る姿に、俺は呆れて頭を抱えてしまった。
「…あのさ、お前自分の立場がどうなってるのかわかって言ってる?」
「無論、商人としての交渉じゃ!」
「お前が言ってるのは交渉じゃなくて横暴! そしてお前はこれから犯罪者として連行されるんだよ!」
「ワシが犯罪者? フンッ、デタラメも大概にするんじゃな」
「ハァ~……周りを見たら?」
「周り?」
ブンゼは「何を言ってるんだ?」と言いたそうな顔で辺りを見回してみると、目を見開いて驚いた表情になる。
「こ…これはどういうことじゃ? 何で周りがこんなに……」
「お前が呼んだビッグゴーレムが暴走して建物を破壊したんだよ!」
「ワシが呼んだアレが……」
事の重大さを自覚したのか顔が青ざめてる。
「……フ、フン⁉︎ ワシが召喚した証拠は何処にもないし、ビッグゴーレムが勝手に暴れ出しただけじゃからワシは悪くない!」
コイツ開き直りやがった。
「目撃者がたくさんいますし、何よりもアナタ自身に黒い噂話があるので、その理由は通らないかと思いますよ」
「なんじゃと! 貴様何様のつもりなぁ……」
ブンゼは声を掛けられた方向に顔を向けた瞬間、尻すぼみしてしまい、最後まで言えないまま固まってしまった。
甲冑を着た人達は誰なんだ?
「あらまぁ~…領主の精兵部隊ちゃん達じゃないのぉ♡」
「こちらでビッグゴーレムが暴れていると言われたので、急いで駆け付けて来たのですが……もう討伐されてしまったようですね」
「ビッグゴーレム自体のレベルが低かったから、倒すのに苦労しなかったわ」
「冒険者ギルド長と錬金術ギルド長のお2人がいらっしゃれば、ビッグゴーレムを造作もなく倒せそうですね。それはそうと……」
精鋭部隊長と思わきし人が俺の隣りにやって来ると、眉をひそめながらブンゼを見つめる。
「先ほどの会話から察するに、お前がこの現状を作り出した張本人で間違いないな?」
「ちがっ⁉︎ この小娘が……」
お~お。俺に罪を擦り付ける気か? 今更そんなこと言っても通用しないと思うぞ。
「……そうか? 少なくとも彼らから話を聞いた限りじゃ、お前が召喚石を使ったそうじゃないか?」
そう言って部下に向かってアゴをクイッとやると、部下達の後ろからブンゼと言い争っていた3人の男達が縛られた状態で前に出て来た。
「聞けば、お前はアイツらから借金をしているそうだな。それにその借金の帳消しの条件が彼女の従魔を渡すことも話していたぞ。これはテイマー従魔保護法に違反しているが?」
「あ、それは……ヤツらの嘘です! 確かに借金はしましたがワシは無理矢理指示されたことで!」
「嘘吐き、ノリノリだったじゃん」
「キサマは黙ってろ!」
ブンゼがそう言った瞬間、俺とブンゼを遮るように精鋭部隊長が割って入って来た。
「黙るのはキサマの方だ! ここまで証拠が揃っているのに、まだ嘘を言って逃れようとするとは聞いていて呆れて来る!」
「で、ですが……」
「くどい! 私の部下がお前の店を摘発している。事と場合によっては罪状が重なる可能性があるから覚悟しておけ!」
「そんなぁ⁉︎」
「これ以上罪を重ねたくなければ、大人しく同行して貰おう!」
精鋭部隊の後ろからひょこっと顔を出してブンゼの様子を見てみたら、観念したのか俯いていた。…のだけれども。
「こ、こんなところで捕まってたまるかぁ⁉︎」
ブンゼはそう言うと走り出した!
「あっ⁉︎ 逃げた!」
「ブハハハハハハッ⁉︎ もうこんなところに用はない!見ていろ、ワシは必ず成功して再びここへ返り咲いてやる‼︎」
「…の野郎⁉︎」
そう言ってブンゼに向けてマジックリボルバーを構えたのだが、俺よりも先にアンリーさんがブンゼに追い付き、正面から身体を抱き締めて持ち上げた。
「…へ?」
「おいたする子には…お仕置きよ♡」
アンリーさんがそう言った瞬間、腕に力が篭りブンゼの胴体を圧迫する。
「求愛の証明♡」
「お“お”お“ぎょお”お“お”お“お”お“お”お“お”お“お”お“っ‼︎⁉︎」
ブンゼは身体が絞られるような痛みに悶え苦しみ、そしてえび反りになった!
「ぐる”じい“。だ、だずげで……あ」
そう言って手を伸ばして助けを求めたのだけれども、ポキッ⁉︎ という音と共に身体をぐったりさせて動かなくなった。
「…愛の重みを受け止め切れなかったのね」
イヤイヤ、アンリーさんのベアハッグのキツさに耐えかねて気絶しただけじゃん!
そんなことを思っている間に、先鋭部隊長がアンリーさんの下へと行く。
「ブンゼを捕まえて下さり、ありがとうございますアンリー殿」
「いいえ~、これもアタシの仕事だから気にしないでねぇ♡」
「左様ですか。ブンゼの身柄は我々に引き渡して貰っても構わないでしょうか?」
「はい、どうぞ。この子これだけのことをしたのだから、聴取の内容はアタシ達にも教えてねぇ♡」
「もちろん、書面にして送ります。全員戻るぞ」
精鋭部隊は部下にそう言うと、ブンゼを縛り上げてから背負って歩き出した。
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