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カイリ達の……帰還?
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進んでいる内にエイリィンの声が聞こえなくなった。恐らくサクラ様か誰かが黙らせたのか、もしくは飽きて自分の仕事に戻ったんじゃないか? と考えている。
まぁどちらにしろ静かになって有り難いのは変わりない。
「ん? カイリ。難しそうな顔をさせてるけど、どうかしたの?」
「……いや、うち従魔達は頼もしいなぁ~。なんて考えていました」
ここで「エイリィンがしつこく話し掛けて来るから、ちょっとウザイ」なんて言ったら「何を言ってるの?」と言われ兼ねないので誤魔化しておいた方が正解だと思う。
「ああ~、確かに。ルル達のレベルに見合ってなかったぽいねぇ~」
「3階に降りること検討します?」
「いんや。時間的に3階に降りるの無理っぽそうだから、そこら辺を散策して帰ろうよ」
マナさんって、おちゃらけているように見えて意外としっかりしているところがあるんだなぁ。
そんなことを思っていたら、何故かマナさんがジト目で俺のことを睨んで来る。
「カイリ。もしかして私のことをポンコツかおちゃらけてるって、思ってない?」
「そんなこと思ってないですよ」
「そう?」
意外と直感があるのか?
「キャンッ⁉︎」
そんなやり取りをしていたらルルが、「行こうよ!」と言って急かして来るので、しゃがんで頭を撫でて落ち着かせる。
「そうだな。そろそろ行こうか。……マナさん」
俺がそう言ってマナさんの方に顔を向けると、ジト目のまま話して来る。
「………分かったよ。ちょっとこの辺をうろついたら街に戻ろう」
マナさん達の先導の下、周囲を探索したら2回モンスターとの戦闘があったが、ルル達が速攻で倒してしまった。
「やっぱりルル達の実力があるから、この階層じゃ消化不良かな?」
「そうですね。今度来るときは3階に行って様子見しましょうか」
「そうだね。みんな、カードを使って帰るから私の下に集まって」
「「「ええ~~~っ⁉︎」」」
あれ? 変態メイド達が不満そうな声を上げてる。
「どうしたの?」
「もう帰ってしまうんですか⁉︎」
「ここで帰ってしまったら、いつカイリ様とお出かけ出来るか分かりませんよ⁉︎」
「そうです! それに私のハプニングエッチなシュチュエーション計画も破綻してしまいます!」
「おい、今聞き捨てならない言葉が聞こえて来たぞ!」
そう言ってもなおマナさんに抗議する変態メイド達に対して、マナさんが「ハァ~……」と深くため息を吐いた。
「いい、みんな。帰りが遅くなったら、サシャに何て言われるか想像出来る?」
マナさんの一言に変態メイド達は一瞬身体を強張らせた。
「た、確かに。サシャ様なら“どうして帰りが遅いのですか?”なんて聞かれる可能性がありますね」
「そ、そうですね! まさかカイリ様を危険な目に遭わせてなかったのでは? とか疑いを掛けられかねません!」
「それに再訓練となると…………イヤ⁉︎ もうあんな地獄に行きたくないですぅ‼︎」
地獄って、サシャさんはメイド達に何しているんだ⁉︎
「そういう訳だから、邸に帰ろう」
「「「了解しました!」」」
どうやら変態メイド達は納得したご様子。よかったこれ以上ゴネなくて。
「みんな、そろそろ帰るけど準備出来てる?」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達は「いつでもOK!」と言いたそうな返事をしてから、マナさんの下へと向かう。
「それじゃあ、転移するよぉ!」
マナさんがそう言うと、カードが光り輝き出し目の前の光景がガラリと変わった。
「はい到着」
「はぁ~……ダンジョン入り口に戻って来たんだなぁ」
そんなことを言っていると、マナさんが肩に手を置いて来た。
「今から帰ればアイテムの換金してくれる筈だから、冒険者ギルドと錬金術ギルド、どっち先に向かうの?」
「連れて行ってくれるんですか?」
「うん。馬車なら早いからね」
ここで断ったらマナさん悲しみそうだから、お言葉に甘えさせて貰おうか。
「錬金術ギルドでお願いします」
「了解。それじゃあみんな、馬車に向かおう!」
ルンルン気分で歩いているマナさんの後に付いて行くような感じで移動し、馬車へ乗り込んだ。
「~~~♪」
「ん? 迷宮楽しかったのか?」
「~~~♪」
俺の問い掛けにファニーちゃんは「うん!」と言いたそうな声を出して答えた。
「そっか……それはよかった。また今度連れて行ってあげるから、楽しみにしててね」
「~~~♪」
ファニーちゃんは「本当⁉︎」と言いたそうなことを言うと、馬車内を飛び回って喜んでいた。
「キャンッ⁉︎」
ルルが「今日よりも深いところに行きたい!」と言いたそうな感じで吠えた。
「そうだな。3階で様子見してから下の階に降りるか検討しようか」
そんなことを言いながらルルの頭を撫でていると、今度はプル太郎が身体をベッタリくっ付けて語りかけて来る。
「ん? プル太郎も今日は消化不良だったのか?」
プルンッ⁉︎
俺の問い掛けに対してプル太郎は「うん!」と言いたそうに震えた。
「プル太郎の活躍も期待しているからね」
そう言って身体を撫でてあげると嬉しそうに震えた。
うんうん。プル太郎のプルプルボディはやっぱり気持ちいいなぁ~。
「~~~♪」
今度はファニーちゃんが、「私にもやってぇ~!」と言いたそうな声を上げながら、飛んで来た。
「ファニーちゃんも可愛いねぇ~!」
ああ~! ウチの従魔達は神掛かりの可愛さを持ってるなぁ~~~!⁉︎
「……あの、マナ様。カイリ様を見てると羨ましいと思えてくるのは私だけでしょうか?」
「大丈夫。私もいいなぁ。って思っているから」
「従魔とカイリ様との触れ合い……萌えますねぇ~」
「呼べばそっちに行くと思いますよ」
そんな形でルル達と触れ合っている内に街に着き、錬金術ギルドにやって来た。
「前回同様素材がたくさん採れたから、また換金に時間が掛かるかもしれない」
「そーだね。オークションに出した種も、そろそろ結果が来るんじゃないかな?」
「へぇ~…そうなんですかぁ。……ん? もしかしてマナさんはオークションの開催日を知ってるの?」
「この街では迷宮で色んなアイテムが出て来るから、オークションを月に2回やってるんだよ」
「他のところは違うのか? もしかして年1ぐらいの開催?」
「地域によって様々なんですけど、大きいオークション会場になるとそれぐらいが妥当ですね」
大きいオークション会場って言うのだから、会場の場所は王都とかになるのかな?
「ダンジョンが近い場所だと3カ月に1回とかですかね。規模が小さいですけど」
「そして掘り出し物目当てでこの街のオークションに参加する人もいます。
そしてオークションを取り仕切っているのは教会と各所ギルドのギルドマスターなので、呪いのアイテムや盗品。それと不良品なんかは競売にかけられないんです」
「へぇ~……そうなんですか」
まぁ、あの人達なら悪いことしないから安心して競売に参加出来そうだな。
「それでも偶にハズレアイテムみたいなのが出るときがあります。しかしそれは購入者の自己責任なので、クレームや返品。盗難などは一切受け付けません。
それはオークションに参加される方全員に誓約書を書かされます」
「あ~……やっぱり誓約書を書かないとオークションに参加させてくれない感じ?」
「はい。参加出来ません」
「でも見学ぐらいなら出来るから、楽しめるよ」
今度オークションが開催されたら、見学しに行ってみようかな。……ん?
錬金術ギルドに入るとサーニャさんがエルフの人達を睨んでいて、一食触発と言っていいほどピリピリした雰囲気が漂っていた。
まぁどちらにしろ静かになって有り難いのは変わりない。
「ん? カイリ。難しそうな顔をさせてるけど、どうかしたの?」
「……いや、うち従魔達は頼もしいなぁ~。なんて考えていました」
ここで「エイリィンがしつこく話し掛けて来るから、ちょっとウザイ」なんて言ったら「何を言ってるの?」と言われ兼ねないので誤魔化しておいた方が正解だと思う。
「ああ~、確かに。ルル達のレベルに見合ってなかったぽいねぇ~」
「3階に降りること検討します?」
「いんや。時間的に3階に降りるの無理っぽそうだから、そこら辺を散策して帰ろうよ」
マナさんって、おちゃらけているように見えて意外としっかりしているところがあるんだなぁ。
そんなことを思っていたら、何故かマナさんがジト目で俺のことを睨んで来る。
「カイリ。もしかして私のことをポンコツかおちゃらけてるって、思ってない?」
「そんなこと思ってないですよ」
「そう?」
意外と直感があるのか?
「キャンッ⁉︎」
そんなやり取りをしていたらルルが、「行こうよ!」と言って急かして来るので、しゃがんで頭を撫でて落ち着かせる。
「そうだな。そろそろ行こうか。……マナさん」
俺がそう言ってマナさんの方に顔を向けると、ジト目のまま話して来る。
「………分かったよ。ちょっとこの辺をうろついたら街に戻ろう」
マナさん達の先導の下、周囲を探索したら2回モンスターとの戦闘があったが、ルル達が速攻で倒してしまった。
「やっぱりルル達の実力があるから、この階層じゃ消化不良かな?」
「そうですね。今度来るときは3階に行って様子見しましょうか」
「そうだね。みんな、カードを使って帰るから私の下に集まって」
「「「ええ~~~っ⁉︎」」」
あれ? 変態メイド達が不満そうな声を上げてる。
「どうしたの?」
「もう帰ってしまうんですか⁉︎」
「ここで帰ってしまったら、いつカイリ様とお出かけ出来るか分かりませんよ⁉︎」
「そうです! それに私のハプニングエッチなシュチュエーション計画も破綻してしまいます!」
「おい、今聞き捨てならない言葉が聞こえて来たぞ!」
そう言ってもなおマナさんに抗議する変態メイド達に対して、マナさんが「ハァ~……」と深くため息を吐いた。
「いい、みんな。帰りが遅くなったら、サシャに何て言われるか想像出来る?」
マナさんの一言に変態メイド達は一瞬身体を強張らせた。
「た、確かに。サシャ様なら“どうして帰りが遅いのですか?”なんて聞かれる可能性がありますね」
「そ、そうですね! まさかカイリ様を危険な目に遭わせてなかったのでは? とか疑いを掛けられかねません!」
「それに再訓練となると…………イヤ⁉︎ もうあんな地獄に行きたくないですぅ‼︎」
地獄って、サシャさんはメイド達に何しているんだ⁉︎
「そういう訳だから、邸に帰ろう」
「「「了解しました!」」」
どうやら変態メイド達は納得したご様子。よかったこれ以上ゴネなくて。
「みんな、そろそろ帰るけど準備出来てる?」
「キャンッ⁉︎」
プルンッ⁉︎
「~~~♪」
ルル達は「いつでもOK!」と言いたそうな返事をしてから、マナさんの下へと向かう。
「それじゃあ、転移するよぉ!」
マナさんがそう言うと、カードが光り輝き出し目の前の光景がガラリと変わった。
「はい到着」
「はぁ~……ダンジョン入り口に戻って来たんだなぁ」
そんなことを言っていると、マナさんが肩に手を置いて来た。
「今から帰ればアイテムの換金してくれる筈だから、冒険者ギルドと錬金術ギルド、どっち先に向かうの?」
「連れて行ってくれるんですか?」
「うん。馬車なら早いからね」
ここで断ったらマナさん悲しみそうだから、お言葉に甘えさせて貰おうか。
「錬金術ギルドでお願いします」
「了解。それじゃあみんな、馬車に向かおう!」
ルンルン気分で歩いているマナさんの後に付いて行くような感じで移動し、馬車へ乗り込んだ。
「~~~♪」
「ん? 迷宮楽しかったのか?」
「~~~♪」
俺の問い掛けにファニーちゃんは「うん!」と言いたそうな声を出して答えた。
「そっか……それはよかった。また今度連れて行ってあげるから、楽しみにしててね」
「~~~♪」
ファニーちゃんは「本当⁉︎」と言いたそうなことを言うと、馬車内を飛び回って喜んでいた。
「キャンッ⁉︎」
ルルが「今日よりも深いところに行きたい!」と言いたそうな感じで吠えた。
「そうだな。3階で様子見してから下の階に降りるか検討しようか」
そんなことを言いながらルルの頭を撫でていると、今度はプル太郎が身体をベッタリくっ付けて語りかけて来る。
「ん? プル太郎も今日は消化不良だったのか?」
プルンッ⁉︎
俺の問い掛けに対してプル太郎は「うん!」と言いたそうに震えた。
「プル太郎の活躍も期待しているからね」
そう言って身体を撫でてあげると嬉しそうに震えた。
うんうん。プル太郎のプルプルボディはやっぱり気持ちいいなぁ~。
「~~~♪」
今度はファニーちゃんが、「私にもやってぇ~!」と言いたそうな声を上げながら、飛んで来た。
「ファニーちゃんも可愛いねぇ~!」
ああ~! ウチの従魔達は神掛かりの可愛さを持ってるなぁ~~~!⁉︎
「……あの、マナ様。カイリ様を見てると羨ましいと思えてくるのは私だけでしょうか?」
「大丈夫。私もいいなぁ。って思っているから」
「従魔とカイリ様との触れ合い……萌えますねぇ~」
「呼べばそっちに行くと思いますよ」
そんな形でルル達と触れ合っている内に街に着き、錬金術ギルドにやって来た。
「前回同様素材がたくさん採れたから、また換金に時間が掛かるかもしれない」
「そーだね。オークションに出した種も、そろそろ結果が来るんじゃないかな?」
「へぇ~…そうなんですかぁ。……ん? もしかしてマナさんはオークションの開催日を知ってるの?」
「この街では迷宮で色んなアイテムが出て来るから、オークションを月に2回やってるんだよ」
「他のところは違うのか? もしかして年1ぐらいの開催?」
「地域によって様々なんですけど、大きいオークション会場になるとそれぐらいが妥当ですね」
大きいオークション会場って言うのだから、会場の場所は王都とかになるのかな?
「ダンジョンが近い場所だと3カ月に1回とかですかね。規模が小さいですけど」
「そして掘り出し物目当てでこの街のオークションに参加する人もいます。
そしてオークションを取り仕切っているのは教会と各所ギルドのギルドマスターなので、呪いのアイテムや盗品。それと不良品なんかは競売にかけられないんです」
「へぇ~……そうなんですか」
まぁ、あの人達なら悪いことしないから安心して競売に参加出来そうだな。
「それでも偶にハズレアイテムみたいなのが出るときがあります。しかしそれは購入者の自己責任なので、クレームや返品。盗難などは一切受け付けません。
それはオークションに参加される方全員に誓約書を書かされます」
「あ~……やっぱり誓約書を書かないとオークションに参加させてくれない感じ?」
「はい。参加出来ません」
「でも見学ぐらいなら出来るから、楽しめるよ」
今度オークションが開催されたら、見学しに行ってみようかな。……ん?
錬金術ギルドに入るとサーニャさんがエルフの人達を睨んでいて、一食触発と言っていいほどピリピリした雰囲気が漂っていた。
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