東京PMC’s

青空鰹

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やっと合流する紫音

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 部屋の中ではカチャカチャと音がする。そう、188さんが僕とお喋りをしながらロッカーの中にあった H&K UMP45 を分解して整備しているのだ。
 因みに死体から回収したスマートウォッチは、血で汚れていたのでシンクで洗ってキレイにした。

 「・・・・・・これ新品だな」

 「新品ですか?」

 「ああ、多分羽田空港でアイツらが内の1人が買った後に、そのままロッカーに入れたんだろう。使わずに死んじまうなんて勿体ないな」

 使う予定がなかったんじゃないのかな? と思っていると、出入り口の方から足音がして来たので ビクッ!? と身体を強張らせ、そっちの方へ顔を向ける。

 「俺が呼んだ回収員か天野達だろう」

 「そ、そうなんですか?」

 「確証はないけどな」

 じゃあ、さっきと同じウルフが入って来たっていう可能性もあるって事じゃん!!

 怯えながらホルスターから S&W M327 R8 を抜く。

 「お前、身体が震えてるけど、大丈夫か?」

 「だ、大丈夫! ・・・・・・大丈夫ですっ!!」

 本当に心臓がバクバクと震えてるのが自分自身でわかるぐらいに恐がっている。

 「ん? 今の声は、もしかして紫音か?」

 僕の耳に届いて来たのは知っている人の声だった。

 「え? 天野さん?」

 「天野の方が先に来たのか。やっぱりキミは獣人の血を引いているから耳がいいね。一応聞くが鼻の方もいいのかい?」

 「あ、はい」

 「そうか。まぁ姿を見る限り、いいとこ取りの体格じゃなさそうだね」

 「188さんの仰る通りです・・・・・・はい」

 背が低いし、打たれ弱いし、何よりも気が弱いし。

 「まぁ人それぞれ弱点があるだろう。それはそうと。そこにいるんだろう天野っ!!」

 「その声、 土竜かっ!?」

 「ああ、紫音くんはこっちにいるから来いっ!!」

 「わかった! って紫音は無事なのかぁっ?」

 「生きているから安心しろっ!!」

 「そうかっ!!」

 大声でやり取りをし終えた瞬間に、ドタドタとこっちに向かって走って来る音がして来た。

 「紫音っ!!」

 「シオンくんっ!!」

 面白い事に更衣室の出入り口前で、リトアさんが天野さんを邪魔と言わんばかりに、横方向に押し倒して僕に抱きついて来た。

 「無事でよかったぁ~・・・・・・」

 「アイタタタタタタ・・・・・・紫音が心配なのはわかるが、俺にこんな事をしなくても」

 身体を起こしながらそう言う天野さんに対して、リトアさんは怒った顔で フンッ!? と言い放つ。

 「何を言ってるのよ! 元はと言えばアマノが車に置いてきぼりにした上に、故障気味だったあの銃をシオンくんに渡したからこうなったんでしょう! 違う?」

 えっ!? 故障気味?

 「どうゆう事ですか? 故障気味だった銃を僕に渡した。って」

 「あ、いや・・・・・・その・・・・・・・・・・・・なぁ?」

 何故か天野さんがバツが悪そうに頭を掻いている。

 「シオンくんが持っている AK74u は、最近調子が悪いから修理に出そうとしていたのよ。でもアマノはその事をすっかり忘れちゃってね。
 アマノのヤツ、リュークの指摘で気づいたのよ!」

 「なるほど。その銃をそのまま紫音くんに渡したって事か。全くキミは何て物を渡してるんだ。下手したら紫音くんが死んでいたかもしれないんだぞ?
 しかも彼の話を聞く限り、本当に使えなかったみたいだぞ」

 「本当に?」

 リトアさんのこっち向いて言うので、コクコクと顔を縦に振る。 はい、そうです。 って声を出そうとしたのだけれども、顔が恐くて言えなかった。

 「だそうよアマノ」

 「だから悪かったって! メシを奢るから許してくれって」

 「・・・・・・まぁ今回は焼き肉で手を打ちましょうか」

 「おい、それお前が食べたいだけだろう?」

 「そうね!」

 僕の意思関係なく話しが進んでいるのは、気のせいだろうか?

 「ハァ~・・・・・・それはそうと紫音」

 「は、はい」

 「お前俺達に連絡もしないまま勝手にファミレスに入ってたな。何でそんな危険な事をしたんだ?」

 「えっ!? 天野さん達がもう来てて、中にいると思ったから・・・・・・」

 「目的地に着いたら 着いた。 って連絡を入れて次の指示を待つのが常識だ」

 「あ、うぅ~~~・・・・・・・」

 確かに、ダニエル教官も講習の時に言っていた。大事なのは、報告、連絡、相談の報連相ほうれんそうって。

 「何かあったらどうするんだ? スマートウォッチが報告するのは、あくまでも死亡した可能性だぞ」

 「ゴ、ゴメンなさい!」

 そう言いながら天野さんに向かって頭を下げる。

 「まぁまぁ天野。それぐらいにしておけ」

 「お前が突っ込む問題じゃないだろう?」

 「それはそうだけれどもな。PMC協会への報告とかした方がいいんじゃないのか? 向こうにあった死体、お前も見ただろう?」

 188さんの指摘対して天野さんは、 それもそうだ。 と思ったのかポケットからスマホを取り出して操作する。

 「ほら、整備が終わったぞ」

 「あ、ありがとうございます!」

 お礼を述べてから H&K UMP45 を受け取る。

 「新品だったから、グリスアップと動作確認ぐらいで済んだ。まぁ何処かの誰かさんと違って、不良品を渡してないから安心しろ」

 「あ、はい」

 何処かの誰かさんって、天野さん以外にいないじゃないですか。

 「シオンくん。そのサブマシンガンどうしたの?」

 「ロッカーの中にあったので貰いました。山岸さんか山野さんか佐島さんの、誰かのだと思うんですけど」

 「フゥ~~~ン・・・・・・もう亡くなっているから、貰っても誰も文句言わないから安心しなさい。てかそれ、2点バーストが付いてないわね」

 2点バースト? M16A4の様なトリガーを引くと弾を3発弾だけ発射して、もう一回撃つ為にトリガーを戻さないといけない3点バーストと同じ感じかな?

 「それは2点バーストが付いていないタイプのUMP45だ。模造品じゃなく、ちゃんとH&Kから出てるからね」

 「へぇ~、2点バーストが付いてないUMP45を売ってたんだぁ~」

 リトアさんがまじまじと見つめている中で188さんがロッカーの中にあったUMP45用のマガジンを、僕のズボンの中に突っ込んでくる。

 「シオン、リトア。本部に連絡をして来た。これからの事を話したいから、ちゃんと聞いてくれ」

 「あ、はい!」

 「はぁ~い」

 僕とリトアさんはそれぞれ返事をすると、天野さんの方に身体を向ける。

 「佐島、山野、山岸の遺体回収班がこっちに向かってくる。座標は俺の方でもう送ってるから大丈夫だ。
 で、俺達は回収したスマートウォッチを渡して任務終了だ」

 「亡骸の見張りとかしなくていいの?」

 「今回はそれぞれの遺体の場所が離れてるから、いらないそうだ」

 「そう・・・・・・なら早く帰って焼き肉へ行きましょう」

 「ダメだ」

 「エエエェェェェェェ~~~ッ!?」

 リトアさんが不満そうな顔でそう言うと、天野さんは少し怒った顔をする。

 「そこのロッカーに弾薬ケースが詰まってんだろう! 使えるもんを回収しなきゃダメに決まってんだろうっ!!
 あれを利用すればどれだけの弾薬代を浮かせられるのか、わかってんのかお前はっ!?」

 確かに、5万円超えてましたもんね。あっ!?でもぉ~、さっき188さんに全部あげるって言っちゃったんだ。

 「まぁ、それもそうね」

 「あ、あのぉ~・・・・・・すみませんが天野さん」

 僕が話している途中に188さんが天野さんの前に立った。

 「悪いけどロッカーの中にある弾薬全ては、俺の商品だから渡せないぞ」

 「はぁ?」

 天野さんは、 何を言いっているんだコイツは。 と言いたそうな顔で188さんを見つめる。

 「理由が気になるのか?」

 「ああ、どうしてロッカーの中にある弾薬全部、お前の物なんだ?」

 「UMP45を無償で整備と専用のマガジンをあげる代わりに、ファミレスにある物全部貰うとシオンくんと契約した。
 もちろんPMC協会が使っているスマートウォッチはシオンくんに回収して貰うのと、別でシオンくんが倒したウルフの死体は買い取るってのもな」

 「・・・・・・シオン」

 天野さんの顔はいつも通りなのに恐いのは何でだろう? 怒っているっぽい感じがしてならない。

 「本当にそう契約したんだな」

 「は、はぃ・・・・・・188さんとそう契約しましたぁ」

 「何をやっているんだ! このバカッ!」

 その後も僕は天野さんに、こっぴどく怒られたのであった。
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