高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。

青空鰹

文字の大きさ
102 / 111

人生ゲームは何が起きるのかわからない!

しおりを挟む
 「陰口ですか? 誰がそんなことを・・・・・・」

 「それはそれで仕方のないことだと俺は思うぞ」

 「コウヤくんは、どうしてそう思うの?」

 「理由はいくつかあるけど、その1つがさっき話していた彼女の出生で、もう1つは話のネタになるからと、俺は思っている」

 「「話のネタ?」」

 首を傾げているリタとセリアに対して、続けて説明をする。

 「友人や知人の話をする為に、何かしらの話のネタを振らなきゃいけない。難しい話を振ると、振られた相手は気まずいと思うだろう?
 だから 何々に付いてどう思う? って言い方をすれば、相手の反応次第で違う話に振ることが出来るし、喰い付いて来たらその話をすればいいと言うことになる」

 そう、これがお喋りな人の技の1つ。

 「なるほど、そう考えると短かにいて誰の目にも留まり、更に誰もが知っている私が適任って訳だな」

 「そう言うことです。だから話題を振られた相手も聞いて来た相手に話を合わせようとするので、ドンドン話がエスカレートして行って・・・・・・」

 「最終的に悪口になるってことだね!」

 「まぁなりやすいって言った方が当たりかもしれない」

 結果的にそうなる人もいれば、なる人もいるのでどっちとも言えないので、このネタ振りは当てにはなりない。
 でもその中の悪い方向へ行く人達の声を聞いてしまっている状態が今のイレイラ王女様なのだと俺は思う。

「一応聞くけど、アナタの周りで悪口ばかり言われているの?」

 「そんなことはありません。生徒会のメンバー達は私に感謝をしているといつも言っています」

 「そう。なら洸夜の言う通りだと私は思うわ。その悪口の言う人の言葉を聞いてしまうのを、止める様にしたら?」

 「・・・・・・」

 イレイラ王女様は自分の中で何か葛藤しているのか、目線を下に向けている。

 「まぁ、今すぐにそうしなさいって話じゃないから、そんな悩ましい顔をしなくてもいいわよ」

 母さんはそう言うと、台所の方へ戻って行った。

 おっと。そう言えば重要なことを忘れていた。

 「と言う訳だから、イレイラ王女様をここで預かっているんだ。このことは他言無用で・・・・・・ルノア?」

 ルノアは緊張している様子なのか、目を点にさせていた。そのようすを見ていたリタが、確かめるように指でツンツンと突いた。

 「緊張し過ぎで気絶しているみたい」

 「これは連れて来るべきじゃなかったか?」

 「ううん。ルノアも社交会に出る歳だから、これぐらいで気絶するのはね」

 セリアはそう言うと、ルノアの太ももを指で抓った。

 「いたぁあああいっ!?」

 抓られたルノアの方は驚いた顔をさせながら飛び上がった。

 「あ、意識が戻った」

 「ハッ!? ここは! そうだ。私はコウヤの家に遊びに来ていて、それで目の前にいる筈のない・・・・・・」

 イレイラ王女様を見つめた瞬間、また固まってしまったルノア。イレイラ王女様も流石にこの状況に困ったのか、手を上げて挨拶をする。

 「ルノア、いい加減イレイラを見て固まるのを止めてよ。見ているこっちが飽きて来たからさぁ」

 いや、飽きるとか飽きないとか言う話じゃないだろ。

 「ルノアもいい加減現実逃避をするのを止めろ」

 「げ、げげげっ! 現実なんだぁ!?」

 ルノアはそう言うと、セリアの後ろに隠れてしまった。

 「うわぁ!? 何でこんなところにイレイラ王女様がいるの?」

 「さっき説明したと思うが、ここで匿っているんだよ」

 「匿ってるぅ!? コウヤの家で?」

 だからそう言っているじゃなか。

 「まぁ考えてみれば向こうの世界で隠れるよりも、コウヤの世界にいた方が命を狙われるリスクはないか。でも、何時までもここにはいられないから、どうするべきかよねぇ」

 どうやらルノア自身もイレイラ王女様の身を案じているのか、考える仕草を見せる。

 「一連のゴタゴタが収まったら、向こうの世界に帰るつもりだ。しかしキミは本当にあがり症だなぁ」

 「あ、はい。しゅみましぇん」

 シュンとしているルノアを放っておいて、俺はイレイラ王女様に話をする。

 「ところで、今日はどうしていらしたんですか?」

 「ああ、午前中は学園の教科書を見ながら勉強をしていて、午後からはサエさんの家事を手伝っていた」

 「イレイラちゃんに買い物袋を持ってくれたから助かったよぉ。後はお風呂の掃除もしてくれたからね」

 あらまぁ。そんなこともしてくれていたのか。

 「ついさっきまで洗濯物を畳んでいてね。洗濯物の中にあった・・・・・・」

 「うわぁ! サエさん、それ以上言ってはダメです!」

 「そう? イレイラちゃんのようすが面白いかったのになぁ」

 面白かったって、一体何があったんだ?

 「と、とにかく! 色々やった! うん!」

 何か無理くりな気もしなくはないが、触れない方が身の為だと思ったので話を流すことにする。

 「ここで話すのもなんだから、何かして遊びますか?」

 「それはいいな。そう言えばコウヤが前に買ったとか言う人生ゲームをやるのはどうだろうか?
 マージャンの方はどうもルールが複雑過ぎて覚えきれないんだ」

 ああ、俺の部屋に眠っているあれねぇ。

 「いいんじゃないですか。こっちに持って来ますよ」

 そう言うと部屋に一旦戻り、押し入れから人生ゲームを取り出して来た。

 「何これ?」

 「人生ゲーム。リタとセリアで楽しんだ双六の進化版だと思ってくれ」

 「あのスゴロクの?」

 「ああ、双六と違うところはお金や仕事が入っているところで、進める歩数も1~10まである。後、借金制度もある」

 「ホントッ!? 面白そう!」

 リタの方はやる気なったらしく、早く開けて欲しそうに俺の周りを飛び回る。

 「う~む。何だかわからないが、遊びならやってみようか」

 「あ、あああアタシもやる」

 「うん。みんなやるなら私も遊ぼう」

 こうして5人で人生ゲームをやることになったので、簡単なルール説明をした後に始めた。
 序盤の頃はみんな持ち金を持っていてよかったのだが、ゲーム中盤になると雲泥の差というか、格差というか・・・・・・スゴイことになってしまっていた。

 「やったぁ! 給料日で借金がチャラになったぁ!」

 ゲームの途中で借金を作ってしまったリタだったが、仕事はちゃんとあったので給料日で返せて万々歳。

 「コウヤくんとの子・・・・・・コウヤくんとの子・・・・・・」

 家族持ちになったセリアは、旦那を迎えて1人子供が出来た。しかし、何でちっっちゃい棒が俺との子になっているんだ?

 「ムムムッ!? リタ殿に先を越されてしまった」

 そう、イレイラ王女もリタと同じで借金を持っているので、ちょっと恨めかしそうにリタを見つめている。

 「フッフッフッ! このまま行けばアタシが1位になれるわ!」

 一方ルノアの方は絶好調の状態なので、有り余るぐらいにお金を持っているのだ。

 「う~ん。何とか追い付きたいなぁ」

 俺の方はと言うと2位の位置いて、お金の方もセリア少し勝っているぐらいなので、この状況をどうにかしたいと思っている。って言うか、さっきの緊張した姿は何処に行ったんだよ、お前。

 「ムフフ。このアタシに追い付けると思っているの?」

 「ゲームの中盤だから、この先どうなるのかわからないぞ」

 「ふっふ~ん。それはどうかしらねぇ」

 そう言ってからルーレットを回した。

 「8! いち、にー、さん、よん、ごー、ろく、なな、はち! ん? 何かヤバそうなマスに止まった感じに見えるけど、何て書いてあるの?」

 「えっとぉ。謎のブラックホールに巻き込まれた! 絶望のループゾーンへワープへと行く」

 「えっ!? 何それ! もしかして隣にあるこの暗いマスのこと?」

 「ああ、そうだ。そこを出るには脱出マスを踏まなきゃいけないらしい」

 「ええ~っ!? 振り直し出来ない?」

 ルノアが上目遣いで言って来る。

 「残念だけどルールなので、従って下さい」

 「そんなああああああああああああっ!?」

 この後、ルノアは絶望を見たのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...