カミセン~神養成専門学校~

鶴山葵土

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8.問2「飢餓」1

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リンゴーン、リンゴーン。
始業時間を知らせる鐘が鳴る。
席を外していたMr.クロウが再び教壇に上る。

「では2時限目を始めていきましょう。2時限目のテーマはこれです」

Mr.クロウは黒板にテーマを描き始めた。

「今度のテーマは『世界から飢餓を無くすことは可能か』ということです。世界の各地で飢餓に苦しむ人間はたくさんいます。そういった人々をこの世界から無くし、餓死する人間を完全になくすことはできるかということについて皆さんの考えを聞きたいと思います。では、主張をお願いします」

「飢餓を無くすことは可能だと思います。人間が助け合い食料を分け与えることができれば、餓死する人間などいなくなります」

「なるほど。しかし、その考えには致命的な欠点がありますよ。それは人間が助けあうことが前提だということです。今の人類に可能なのでしょうか、そんなことが。各国が核という地球を死の星にもできる力を有している。自国の国民の飢餓よりも軍事力を優先する国だってある。軍事力がなければ国々同士、話し合いの席を設けることもできないのではないでしょうか。軍事力を有する国が増えれば、それは戦争が起こる可能性を高めることになる。そんな状態にもかかわらず、国境を越えて人々が助けあうのでしょうか。私にはそのようなことできるとは思えませんが」

Mr.クロウの意見ももっともだ。
世界はいつ戦争が起こっても不思議ではないのだ。
軍事力の高い国々が目を光らせているから、世界はかろうじてそのような危機的状況を免れているのかもしれない。
そんな状況で、国境を越えて手と手を取り合うことなど本当に可能なのだろうか。

「少し熱くなってしまいましたね。これでは飢餓を無くすことはできないと皆さん考えてしまいますね。いけない、いけない。当然のことですが、戦争など簡単には起こりません。得られるものは非常に少なく、失うものは非常に多い行為ですからね」

ふぅと息を整えるとMr.クロウは話を続けた。

「私の発言は一旦忘れてもらいましょう。それでは再び皆さんの意見を伺っていきましょう」

誰も手を挙げない。
Mr.クロウの発言の正しさを皆理解しているのだろう。

「これでは授業にならなくなってしまいますね。私困ってしまいます」

真一は勇気を出して、手を挙げた。

「おや、こんな状況にもかかわらず手を挙げてくれるとは、非常に助かります。では主張をどうぞ」

軽い深呼吸をして気合を入れ、真一は語りだした。
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