カミセン~神養成専門学校~

鶴山葵土

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18.問5「性善説と性悪説」2

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日本でもきちんとした教育が受けられるようになってから、そう長い期間は経っていないはずだ。
戦後など貧しくて教育どころではなかっただろう。
犯罪も多かったはずだ。
考えを巡らせる真一。

以前聞いたことがある。
昔は親以外の大人からよく怒られていたという話を。
自分の子供を叱るのはしつけとして当然のものだ。
それを自分とは関係のない見知らぬ子供にも行っていたというのだ。
今の日本では考えられないことだ。
しかし、それこそが今回のテーマのカギになるのかもしれない。

人間は教育やしつけを受けることで善と悪を学び、善をよいこと、悪は悪いことだと教えられる。
それによって、善悪を判断する力が身につくのだ。
教育を受けられない状況だった人たちも、教育現場以外でしつけをうけることで善と悪を判断する力を身に着けていたのだろう。
教育も大事だが、しつけも大事なのだ。
特に、しっかりと教育を受けられることができなかった時代においては、しつけが重要な役割を果たしていたのだ。
つまり、生まれた直後の赤ん坊に善と悪の判断などあるはずがない。
善と悪の判断がつくようになるのは後天的な能力なのだ。

挙手しようとする真一。
しかし、それを遮るように彼が先に挙手した。

「人間の本質は悪だ。人間が善悪を判断する能力は先天的なものではない。他の地球上の生物と比較しても圧倒的に発達した脳を持つ人間が教育を受け身に着ける、後天的な能力だ。仮にまともな教育を受けることなく育ったヒトは人間ではなく獣にしかならない。獣に善悪の判断などつくはずがない。」

いつも通り的確で完璧な答えだった。

「そうですね。人類は地球上の生物の中でも特に発達した脳をもっています。その脳と教育によって善悪を判断する能力を身に着けられるということですね」

さすがMr.クロウが認めるだけのことはある。
彼にはこの試験を乗り越える絶対的な力がある。そう感じられた。

「先ほど挙手しようとしていた君の意見もぜひ教えてほしい」

Mr.クロウに主張を促される真一。

「先ほどの彼と同意見で、人間の本質は悪だと思います」

彼の主張を機に、性善説派は完全に意気消沈していた。
それなりの反論はするものの、決定打に至るものがなかった。
そうしているうちに授業の終了の時間が近づいていた。

「では、皆さん。それぞれの主張を聞いたうえで、各々の結論を聞いていきましょう。では、人間の本質は悪だと思う方は挙手してください」

挙手しなかったのは2人だけだった。
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