伝説の勇者が二人も現れるなんて聞いてません!

鶴山葵土

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1.勇者が二人も現れた!(8)

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「ところで、そなた。年齢はいくつなのだ?」

国王はシンヤに年齢を尋ねた。

「俺?俺は35歳だけどぉ」

「ほう、35歳か。私は62歳なのだが、ふたまわり以上私の年下なのか。私も年を取ったものだ」

「62歳?意外と若いんだな、おっさん。国王っていう位だから、てっきり80歳位いってるかと思ってたよ。年寄りは大事にしなきゃいけねぇと思って、こっちは結構気を遣ってたんだぜ。気使って損したよ」

シンヤの言葉を聞き、国王の顔からは再び怒りの感情が溢れ出す。

「シンヤよ。先程から気になっておったが、お前の態度は相手に失礼な点が多すぎる。相手を敬うという気持ちはないのか。」

相手に敬意を払えという、国王からの警告だった。
しかし、シンヤには国王からの警告は伝わらなかった。

「はぁ?なんで俺がだれかを敬わなきゃいけねぇの?」

シンヤのこの悪態に、国王は我慢の限界を超えてしまった。額には血管が浮き上がり、顔は真っ赤に染まる。
ユウスケとの会話では温厚な表情を見せていた国王が、まるで阿修羅のような顔へと変貌する。

ふたまわり以上も年下の男から散々なめられた態度をとられ続けたのだ。
怒りを覚えるのは当然のことだ。

「貴様。先ほどからこの私をなめているのか。この無礼者め。これより、この無礼者の処刑を行う。皆の者、支度をせい」

無礼極まりないシンヤに激怒した国王は、ついにシンヤの処刑を命じたのだ。
シンヤを取り押さえていた兵士たちは、国王の命をうけるとシンヤを国王の間から連れ出そうとする。

「えっ、ちょっと。何、何?処刑ってどういうこと。嘘でしょ。ねぇねぇ、嘘でしょ」

ジタバタと暴れだすが、屈強な兵士たちに取り押さえられたシンヤには何もできない。
周囲の空気を察することができないシンヤも、さすがにこの事態の悪さには気づいたようだ。

「処刑って、冗談でしょ。さっきの話からすると、俺って勇者なんだろ。この国、困ってんだろ。勇者を処刑するなんて、そんなことしていいのかよ。」

命乞いをするシンヤに、国王は言い放った。

「安心せい、貴様のような輩がこの国の行く末を心配する必要なない。ユウスケというまことの勇者がいる。貴様は不要なのだ」

シンヤは国王の間から連れ出されるのだった。
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