伝説の勇者が二人も現れるなんて聞いてません!

鶴山葵土

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5.処刑執行!(3)

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黒猫からシンヤに契約を提案される。
食欲を満たせる。
ただその言葉だけでシンヤの心は決まっていた。

わずかにコクリと頷くシンヤ。
身体に力が入らない中、この状況を変えるべく必死にコクリ、コクリと頷き続ける。

「君は物分かりがいい。助かるよ。」

ニヤリと笑みを浮かべる黒猫。

「それじゃあ、早速契約の儀式を行うとしよう。」

後ろへ振り向きそのまま牢を通り抜け、どこかへと出て行ってしまう黒猫。
黒猫は自分に与えられた最後のチャンスだ。
このチャンスを逃したくはない。
待ってくれ、その一言を叫びたいが言葉にできない。
再び絶望に突き落とされるシンヤ。
黒猫が去り、再び静寂が訪れる。
再び瞼が重くなり、目を閉じる。
自分の最後を感じ取っていた、その時だ。

「ぎゃあぁぁぁぁ!」

何やら叫び声のようなものが聞こえた気がする。
遂に幻聴まで聞こえてくるようになってしまったか。
それから数分経った頃。
目の前からどさっ音が聞こえてくる。

「やぁ、待たせたね。元勇者。これで契約の準備ができたよ。」

また、黒猫の声が聞こえてくる。
よかった、また肉が自分の前に戻ってきた。
まだ自分にはチャンスがあるのだ。
なんとか目をあける、すると目の前には兵士の死体が横たわっていた。

「さぁ、契約を始めよう。君はこれから、こいつを食らうんだ。ヒトを食らう、それで僕との契約が成立する。」

再び目の前に黒猫が姿を現す。
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