働きアリの婚活

鶴山葵土

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4.働きアリの現実(1)

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ナオトには、五つ年の離れた弟がいる。
優秀だった弟は、偏差値の高い大学を出ると一流企業に入社した。
二十七歳で結婚し、翌年には息子も授かった。
絵に描いたような幸せな家庭を築いていた。

ナオトの両親は、今年で二歳になる初孫をとても可愛がった。
そしてこの頃から、両親はナオトに過度な期待をすることを辞めた。
三十三歳にもなって実家暮らし、なかなか独り立ちできないナオトに結婚は難しい。
老後の面倒は弟夫婦に見てもらうことになりそうだと考えていた。
両親からそう思われていることに気づかぬほど、ナオトは鈍感ではなかった。
自分も結婚して幸せを掴みたい、両親を安心させたいと心に決めナオトは婚活することを決心した。

しかしナオトの婚活はやはり上手くいかなかった。
女性に連絡を取ってみたいと思わせるアピールポイントがなかったのだ。
昔は高身長、高学歴、高年収の三高がモテるという時代があった。
現在はというと、恋愛において三高がモテる時代は終わったように見える。
だが婚活という場においては、やはり三高を求める女性が多いのが現実だ。

ナオトの身長は百六十一cmと、男性の中ではかなり小さい部類に入る。
スタイルのよい女性が増えている昨今、身長が百六十一cm以上ある女性はそう珍しくない。
街中を見渡せば、ナオトより背が高い女性などいくらでもいる。
低身長の女性は背の高い男性に憧れるし、高身長の女性が自分より背の高い男性に惹かれる。
隣を歩く男性が自分より背が低いと気を遣ってしまいハイヒールが履けない、周囲の目が気になるという女性の声を耳にしたことがある人も多いだろう。
背が高い男性は強そうに見えるし、いざという時に守ってくれたり頼りになりそうに見える。
スポーツの世界においては、身長が高い方が有利になるものの方が圧倒的に多い。
低身長のナオトに魅力を感じる女性はいなかった。
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