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「定時後、エレベーターが来ない」
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定時を過ぎたフロアは静かで、
エレベーター前には、二人分の足音だけが残っていた。
「今日は混んでますね」
「珍しいな」
表示は、なかなか下に来ない。
その間、言葉もない。
けれど、距離だけは、いつの間にか近かった。
上司の腕時計が、視界に入る。
秒針の音が、やけに大きく聞こえた。
「急ぎますか」
「いや」
短い答え。
それで、十分だった。
やっと扉が開き、二人で乗り込む。
ボタンを押す指が、同時に伸びて、触れた。
「……すみません」
「気にするな」
視線は合わない。
けれど、同じ階で降りることだけは、もう当たり前になっていた。
エレベーターが閉まる音を、
少しだけ名残惜しく思ったのは、きっと気のせいだ。
エレベーター前には、二人分の足音だけが残っていた。
「今日は混んでますね」
「珍しいな」
表示は、なかなか下に来ない。
その間、言葉もない。
けれど、距離だけは、いつの間にか近かった。
上司の腕時計が、視界に入る。
秒針の音が、やけに大きく聞こえた。
「急ぎますか」
「いや」
短い答え。
それで、十分だった。
やっと扉が開き、二人で乗り込む。
ボタンを押す指が、同時に伸びて、触れた。
「……すみません」
「気にするな」
視線は合わない。
けれど、同じ階で降りることだけは、もう当たり前になっていた。
エレベーターが閉まる音を、
少しだけ名残惜しく思ったのは、きっと気のせいだ。
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