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目覚めたら異世界7
しおりを挟む少しの間1人になりたかった俺は、 悪いと思いつつもササラにシャワールームを貸してもらっていた。
頭からシャワーを浴びつつも、 さっき聞いた考えをまとめていく。
俺の存在はこの世界を掻き回す事になる、 それにどうにかして日本へと戻る方法も探さないといけない。
もしかすると、 元の世界に戻る方法をこの世界の王達が何か知っているかもしれない。 ただ、 他の王達に接触しても良いのかさえ分からないんだよな……
下手すると俺が殺される可能性だって考えられる、 俺はモヤモヤした気持ちを洗い流すようにしばらくシャワーを浴び続けていた。
とにかく今はゆっくりと休みたい……
なんだか凄く疲れたよ。
…………
……
昨日はササラの好意に甘えさせて貰って、 一晩かくまってもらう事になった。 何から何まで、 本当に申し訳ない気持ちだ。
窓から差し込む光に、 俺は眩しそうに目を覚ました。 視界に映る見慣れない景色に一瞬戸惑うが、 やはり夢では無かったのだと思わず溜息を吐いてしまう。
まだ少し頭がクラクラする……
「ああ…… やっぱり俺は異世界に来てしまったんだよな」
昨日は確かシャワーを浴びてからあまり記憶が無かった。
「昨日は倒れこむ様に一晩眠ってしまわれました」
俺は声の方へと視線を向けた、 そこには優しく微笑んだササラが立っていた。
「すまない…… 急に転がり込んだ挙句にベッドまで占領してしまったみたいだ」
俺はベッドの上でササラに頭を下げると、 ササラは慌てた様子で顔を赤く染めていた。
「い、 いえ! 気にしないで下さい! そ、 その…… むしろずっとここにいて下さっても大丈夫ですからっ! と言うか…… いて欲しいです…… 」
後半部分はあまり聞き取れなかったが、そそくさと恥ずかしそうに部屋から姿を消してしまった。 俺なんか変な事言ったかな……
幸いぐっすり眠ったおかげで体調は悪くはない、普段よりも体が軽いくらいだった。
俺は再び窓の外へと視線を移すと、 窓から見える風景を楽しんで行くのだった。
「う~ん。 景色は異世界! これはもう認めないとだな…… 」
微かに反射し窓に映る顔は、 自然と苦笑いへと変わる。
ん……?
俺は咄嗟に後ろを振り返りると、 誰も居ないかを確認する。 意を決してもう一度窓に映る顔を凝視していく……
「ど、 どう言う事だっ!? 」
窓へと映る顔は若く女性と言われても違和感がないぐらいの顔がそこには写っていた。
え、 ヤダ…… なにこの美少年……
俺はペタペタと全身をくまなくチェックする、 もうすぐ36歳のおっさんが18歳ぐらいの美少年の体になっちゃった…… フフ……
キ、キタコレッ!俺の時代!!
神様ありがとうございますありがとうございますありがとうございまーす!!
俺はハイテンションへと変わり、 ベッドの上で窓に向かって何度も何度も、 最上級の土下座を神へと奉納していた……
「あの…… ど、 どうかされましたか……? 」
突然背後から発せられた声に俺は不自然に飛び上がってしまう。
「うぉぉっ!? あ、 焦った‥‥! 」
ササラは申し訳なさそうに俺を見つめていた、 そ、 そんな目で俺を見ないでくれ!
「え、 と…… ササラさん、 変な質問しますが……昨日の俺は俺だったのでしょうか……? 」
咄嗟に出た言葉にササラは必死に俺の言葉を理解しようとするのが伺えた。
「顔色は少し悪かったですが…… 今日は昨日よりも体調が良いように見えます! そ、 それとササラとお呼び下さいっ! 」
ササラの潤んだ瞳が俺を写し出していた。 ぐ、 なんて破壊力だよ…… 可愛いなぁ……
「わかった…… ササラありがとう! 」
ササラは顔を赤く染めて満足そうに何度も頷いていた。
それにしても、 顔色が悪く見えたがって事は、容姿自体はこのままだったって事だよな……
異世界に来た変化なのか?
もしかするとまだ何か、 他にも変化があるかもしれない。
目を閉じて全身に意識を集中していく。 体の隅から隅まで違和感を感じないかを俺は確かめていた。
あれ…… なんだろうこの感じは?
俺は疑問を抱きつつもササラに視線を移した。
※ササラ 17歳
ホムンクルス
潜在能力 SS +
固有スキル ???
ちょっ、何だこれ……!
脳裏に表示される様に突然浮かび上がる文字、俺の驚いた表情を見てササラは不安そうに顔を曇らせていた。
「ササラ教えて欲しいんだけど…… もしかして、 この世界にスキルとか魔法みたいなモノが存在するのかな? 」
「は、 はい! 持って生まれたオリジナルの能力を固有スキルと言います。 それと修練を積んで覚えるのが一般スキルです」
なるほど…… 異世界らしくなって来たじゃないか。
「因みに聞くけど、 レベルとか潜在能力って存在するのかな? 」
一般的なゲームとかだとステータスやらレベルやら確かあるはずだよね?
ササラは可愛いらしく人差し指を顎に添えると、少し考えている風に見えたが直ぐに口を開いた。
「いえ、 確かに経験を積めば技術は発達しますが…… レベル?と言う物を聞いたことがありませんので、存在しないと思います。 潜在能力と言うものがわかれば苦労しないのですが……」
顔も仕草も可愛いいなぁ…… 声も可愛いし、日本人にはいないよな。 そうだなぁ、 なんていうか妖精的な?
むぅ~……
俺の世界ならば間違いなく皆んな振り向くのは間違いない!
ササラはそんな感じだ!!
とにかくほんと可愛いよなぁ……
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