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日常、それは変わらない日々
早起きは、工夫次第で
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気づけば校門に辿り着き、足を止める。
「それじゃあ、明日遅れるなよ鉢須」
「何でオレ個人に言うんだよ!?」
「何でって決まってるじゃん。ハチは遅刻の常習犯なんだから」
「さすがと卒業式に遅刻するわけねーだろ。親もいんだし」
「むしろ親に起こしてもらう方だろ?」
「そりゃそうだろ」
「いやお前、いい加減自分で起きる努力しろよ…」
「努力はしてるっつーの。でも目覚まし3個かけても無理なんだよなー」
「3個もかけて無理って、どんだけだよ。ウケんだけど」
「ウケてる場合かよ! って、そういや山田も早起きは苦手なはずだろ? どうやって起きてんだ?」
「何でそんなこと知ってるんだよ…」
「林間学校や修学旅行の時、他の奴らから聞いたんだよ。山田は早起きが苦手だって」
「あぁ、そう言う訳か」
確かに鉢須の言う通り、俺は早起きするのが苦手だ。
平日や約束がある時は普通に起きられるんだが、それ以外の休日は昼まで寝るのがざらだ。
酷い時には夕方まで寝ているため、1日の大半を寝て過ごしていると言っても過言じゃない。
だけど俺は鉢須と違って遅刻の常習犯じゃないし、ましてや親に起こしてもらっているわけじゃない。
体調不良で休むこともあるが、その他はきちんと学校に通っている。
早起きは苦手だが自分なりに工夫して、少しは起きられるまでになっている。
「別に大したことはしてないんだが…」
「何だよ。勿体ぶらずに教えろよ」
「ソレが人に物を頼む態度か…」
「はーやーくー」
「分かった分かった。でも、本当に大したことはしてないぞ。ただカーテンを開けて、日差しを取り入れているだけだ」
「日差し?」
「あぁ。以前テレビで見たんだ。んで、実践したら早く起きられるようになったって訳。それ以来、早く起きなきゃいけない日はカーテンを開ける様にしている」
「なるほどねー。オレもやってみよっかなー」
「個人差があるから、鉢須に利くとは限らないぞ。あくまで、俺には利いたって話だ」
「『千里の道も一歩から』って言うだろ。そんなんで寝坊しなければ最高じゃねーか。早速試してみるわ」
「話聞いてるのかよ…」
「まあまあ、ハチが喜んでるんだから良いじゃん。ね?」
「まぁそうだな」
少し腑に落ちないが、気にしていても仕方がない。自分を納得させることにした。
「それじゃあ、また明日。卒業式で会おうね」
「おう。遅刻しないで来いよ、涼太」
「分かってるって! 明日遅刻するほどバカじゃねーよ」
「本当か? だってお前、林間学校の時遅刻ギリギリだっただろ」
「卒業式はさすがとしねーって」
「だと良いけどなぁ…」
「しねーって言ってんだろ。信用ねーなぁ」
「ま、とりあえず遅刻しないで来いよ」
「わーってるって。何度も言うなよなー」
「優樹も、ちゃんと来てね。体調が悪くなったら難しいと思うけど…」
千夏の言葉に、俺は申し訳ない気持ちになる。
俺の身体は弱く、幼い頃はその大半を病院のベッドで過ごしていた。
成長した今でも、時より体調を崩しては入退院を繰り返す状態が続いている。
そんな俺が毎日学校に通えるわけもなく、休日のほとんども自宅のベッドの上で過ごしている。
朝起きるのは苦手だが、その日ばかりは体調不良で起こされるから溜まったもんじゃない。
でも明日は卒業式。いかないわけにはいかない。
「…大丈夫だよ。明日は最後なんだから、何があっても行くよ」
「分かってると思うけど、無理はしないでね」
「卒業式くらい無理させてくれよ」
「ダーメ。何かあったら大変でしょ」
「そうだよ。ユウに何かあったらアタシ嫌だもん」
「ウチだって嫌だよ。だから、ね?」
「…分かった。なるべく気を付けるよ」
「もう…。本当に分かってるの?」
「分かってるって」
「じゃあもし明日これたら、寄せ書き書いてね。約束だよ、ユウ」
「…あ、忘れてた」
「もー、忘れないでよ。ユウだけ書いてないんだから、ちゃんと書いてよね」
「分かった。ちゃんと書くよ」
「本当? 約束だからね」
「はいはい」
千夏と明里の言葉に適当に相槌を打ち、笑って見せる。
「それじゃあ、明日遅れるなよ鉢須」
「何でオレ個人に言うんだよ!?」
「何でって決まってるじゃん。ハチは遅刻の常習犯なんだから」
「さすがと卒業式に遅刻するわけねーだろ。親もいんだし」
「むしろ親に起こしてもらう方だろ?」
「そりゃそうだろ」
「いやお前、いい加減自分で起きる努力しろよ…」
「努力はしてるっつーの。でも目覚まし3個かけても無理なんだよなー」
「3個もかけて無理って、どんだけだよ。ウケんだけど」
「ウケてる場合かよ! って、そういや山田も早起きは苦手なはずだろ? どうやって起きてんだ?」
「何でそんなこと知ってるんだよ…」
「林間学校や修学旅行の時、他の奴らから聞いたんだよ。山田は早起きが苦手だって」
「あぁ、そう言う訳か」
確かに鉢須の言う通り、俺は早起きするのが苦手だ。
平日や約束がある時は普通に起きられるんだが、それ以外の休日は昼まで寝るのがざらだ。
酷い時には夕方まで寝ているため、1日の大半を寝て過ごしていると言っても過言じゃない。
だけど俺は鉢須と違って遅刻の常習犯じゃないし、ましてや親に起こしてもらっているわけじゃない。
体調不良で休むこともあるが、その他はきちんと学校に通っている。
早起きは苦手だが自分なりに工夫して、少しは起きられるまでになっている。
「別に大したことはしてないんだが…」
「何だよ。勿体ぶらずに教えろよ」
「ソレが人に物を頼む態度か…」
「はーやーくー」
「分かった分かった。でも、本当に大したことはしてないぞ。ただカーテンを開けて、日差しを取り入れているだけだ」
「日差し?」
「あぁ。以前テレビで見たんだ。んで、実践したら早く起きられるようになったって訳。それ以来、早く起きなきゃいけない日はカーテンを開ける様にしている」
「なるほどねー。オレもやってみよっかなー」
「個人差があるから、鉢須に利くとは限らないぞ。あくまで、俺には利いたって話だ」
「『千里の道も一歩から』って言うだろ。そんなんで寝坊しなければ最高じゃねーか。早速試してみるわ」
「話聞いてるのかよ…」
「まあまあ、ハチが喜んでるんだから良いじゃん。ね?」
「まぁそうだな」
少し腑に落ちないが、気にしていても仕方がない。自分を納得させることにした。
「それじゃあ、また明日。卒業式で会おうね」
「おう。遅刻しないで来いよ、涼太」
「分かってるって! 明日遅刻するほどバカじゃねーよ」
「本当か? だってお前、林間学校の時遅刻ギリギリだっただろ」
「卒業式はさすがとしねーって」
「だと良いけどなぁ…」
「しねーって言ってんだろ。信用ねーなぁ」
「ま、とりあえず遅刻しないで来いよ」
「わーってるって。何度も言うなよなー」
「優樹も、ちゃんと来てね。体調が悪くなったら難しいと思うけど…」
千夏の言葉に、俺は申し訳ない気持ちになる。
俺の身体は弱く、幼い頃はその大半を病院のベッドで過ごしていた。
成長した今でも、時より体調を崩しては入退院を繰り返す状態が続いている。
そんな俺が毎日学校に通えるわけもなく、休日のほとんども自宅のベッドの上で過ごしている。
朝起きるのは苦手だが、その日ばかりは体調不良で起こされるから溜まったもんじゃない。
でも明日は卒業式。いかないわけにはいかない。
「…大丈夫だよ。明日は最後なんだから、何があっても行くよ」
「分かってると思うけど、無理はしないでね」
「卒業式くらい無理させてくれよ」
「ダーメ。何かあったら大変でしょ」
「そうだよ。ユウに何かあったらアタシ嫌だもん」
「ウチだって嫌だよ。だから、ね?」
「…分かった。なるべく気を付けるよ」
「もう…。本当に分かってるの?」
「分かってるって」
「じゃあもし明日これたら、寄せ書き書いてね。約束だよ、ユウ」
「…あ、忘れてた」
「もー、忘れないでよ。ユウだけ書いてないんだから、ちゃんと書いてよね」
「分かった。ちゃんと書くよ」
「本当? 約束だからね」
「はいはい」
千夏と明里の言葉に適当に相槌を打ち、笑って見せる。
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