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日常、それは変わらない日々
思い出は、色あせることなく
しおりを挟む「山、 拓也もこうだったのかな?」
ふと明里の言葉に、後悔が過ぎる。
橋本拓也とは、卒業間近の十月に引っ越していった俺達の幼馴染だ。
「分からない。でも拓也は親の所為で引っ越したって聞いた。だから、卒業する俺らとは違うんじゃないか?」
「そっか。そうだね…」
拓也の家は両親が不仲で、小学6年の後半に離婚したそうだ。
離婚する際に拓也は母親に引き取られることが決まり、中学前には引っ越すはずだった。
でも、それに拓也が反発した。「卒業まではここにいたい」と、珍しく感情を表に出したと聞いた。
そして中学卒業間近の10月に転校していった。拓也は最後まで「みんなと一緒にいたい」と言ったそうだ。
「確かあの時、最後にみんなで校内かくれんぼとケイドロやったんだよね」
「拓也、かくれんぼ下手で一番に捕まったけどな」
「そうそう。って、捕まえた本人がそれ言う?」
「だって、まさか体育館の跳び箱の中に隠れてるなんて思ってもみなかったし…」
「志村も一緒に隠れてたんでしょ?」
「あぁ。あの時は、一緒に探してた祭と見つけたんだよな」
「どうやって見つけたの?」
「体育館の中にある倉庫を祭と探してたんだ。んで、ちょうど授業で使った竹刀があったから、遊んでたんだよ」
「ちょっと、探す人間がなんで竹刀で遊んでるの?」
正論を言われ、俺は苦笑いを浮かべる。
「んで「ここに隠れてたら笑えるよなー」って竹刀で跳び箱の中にガンッって入れたら、マジでいたって話しだ」
「うっわ何それ、いったそー」
「当たったのが志村で良かったよ。幸い打ちどころも悪くなかったし。まぁ、祭には爆笑されてたけど」
「志村かわいそー」
今では笑い馬鹿なしだが、あの時は本気で志村に怒られた。
竹刀で探した俺も悪いと思うけど、あんな場所に隠れている奴が悪いだろ。
「そう言えば、あの時何で握手しなかったの?」
「あの時?」
「ほらー、ホームルームが終わった時、最後にって、みんな拓也に握手したじゃん」
「あー、あの時か」
「なんで握手しなかったの?」
「何でって、別に…」
「別に、って。あの時、絶対ユウとも握手したかったはずだよ」
「別に…」
「もう、ユウは!」
明里はむぅっと頬を膨らませた。俺は前を向いて足に力を入れ、ペダルを回した。
あの時、俺は、本当は…。
「あ、ユウ。ウチこっちだから」
「あぁ。また明日な、明里。絶対遅刻するなよ」
「あったりまえじゃん。ハチと一緒にしないでよ。ウチ、これでももうすぐ高校生だよ」
「知ってる。気を付けて帰れよ」
「うん。また明日、ユウ」
「また明日、明里」
足を止め、過ぎ去っていく灯を見つめていた
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