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日常、それは変わらない日々
トラウマは、いつだってココにある
しおりを挟む「また明日…」
もう言えないセリフにを俺は繰り返した。
いつも一緒に居た。いつも隣にいた。俺の一番の親友で、理解者だった。唯一無二の親友。
だけど、ずっと一緒にはいられない。別れを告げるように、俺は別の高校を受けた。
この選択がこの先どうなるのかは分からない。やっぱり一緒が良かったなって言うのかもしれない。
けど、別の所に行けば良かったって思いたくないから、これでいい。これで…。
家に着き、夕飯を済ませ、1人ベッドの上で体育座りをしていた。
明日が卒業式なんて、全く自覚がなかった。むしろまだ学校が続いて、卒業なんて先。そんな気さえした。
ふとみんなの顔を見たくなって、今日貰った卒業アルバムを広げる。飛び込んできたのは、みんなの笑顔だった。
「懐かしいな…」
ペラペラと捲るたびに、懐かしい記憶が思い出される。
そして、自覚する。もう、卒業なのだと…。
「握手か…」
最後みんなが握手する中、俺だけがその手を拒んだ。別に仲が悪いわけでも、嫌いなわけでもない。
特別親しかった訳でもないが、なぜかその手を、取ることが出来なかった。
でも、本当は分かってるんだ。原因とか、理由とか、全部、分かってるんだ。
だから俺は、今でも悔やんでいるんだと思う。あの手を、握れなかったことを…。
「ごめん、ごめんな…。本当にごめん、拓也…」
卒業アルバムに映る拓也の顔を撫でながら、俺は涙を流した。
明日卒業してしまうこと、拓也にしてしまったこと。どっちからきているのかは分からない。
それでも、溢れる涙を止めることはできなかった。声を殺して涙を流す。
「ごめん…ごめん…ごめん、なさい……」
俺には秘密がある。俺は、家族以外の男性に触ることが出来ない。
小学校の頃、下校途中に変質者に遭った。その人は明里ではなく俺を選び、俺はその人に色々な処を触られた。
今でも覚えている。やっとの思いで逃げ出す俺に、その人が楽しそうに言った言葉を。
『逃げられて良かったね♪』
それ以来、男性に対し異常な恐怖感に襲われた。
感情を隠すことが得意だったから、顔や態度には一切出なかった。けど、いつだって自分と戦ってきた。
なのに、別れを告げようと拓也の差し出す手を俺は握れなかった。怖かった。
また同じような目に逢う。また、また…。逃げられない。この人は、あの人じゃないのに。
俺の大切な幼馴染なのに、乱暴なことはしないのに。手さえ、握ることが出来ない…。
「ごめんなさい…。ごめんなさい…。ごめんなさい……」
本当は握手したかった。笑って「また会おう」って言いたかった。
だけど、トラウマがそれを許さない。拓也が最後、どんな顔をしていたのだろうか?
今はただ、謝ることしかできない。
「ごめん、拓也…」
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