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第一章 初級編開始
第123話 魔術師リアム、初級編三日目の午前終了
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会社が近隣の国から家具や雑貨を輸入し販売している輸入商社で、サツキはその輸入から販売までの事務を担当しているらしい。
「木佐さんは凄い仕事が早いベテラン……えーと、熟練者って言うのかな? なんだけど、とにかく仕事量が半端なくて、まあ大体いつも苛々してる訳です」
「はい」
「返事……こそばゆい……」
「どうした? 続きを」
「あ、はい。サツキちゃんも頑張ってたけど、木佐さんも忙しすぎて説明が雑で、聞くと怒られて聞けず間違え怒られて、の悪循環でね」
「互いに言いたいことはありそうだな」
あまりいい環境とは言えないだろう。祐介が深く頷いた。
「僕は営業だから、正直サツキちゃんの仕事内容までは詳しくないんだよね。だから、ここは頭を打って混乱しちゃってることにしよう」
「は?」
話の流れがよく分からない。
「ちょっと待て、私は正気だぞ。何故頭のおかしいふりなどせねばならんのだ」
リアムが反論した。当然だろう、先程だって祐介を諭したくらいには頭はまともに働いている。
祐介がまあまあ、と宥めにかかる。
「頭がおかしいとは言ってないでしょ、記憶があやふやってことでさ」
「それでまかり通る様な職場なのか?」
「う……木佐さんなら、僕が何とか説得する。まあ僕気に入られてるし」
少し得意げに聞こえる辺り、こいつは自分がもてているのをちゃんと自覚している。正直イラッとした。
「初手で差をつけようとするなど卑怯だぞ、祐介!」
ビシッと指を差すと、祐介がはあ、と溜息をついた。
「……まだ勝負するつもりでいたの、サツキちゃん」
「当然だ! 私が後輩なのだからな!」
「僕、別に木佐さんとどうこうなるつもりは全くないんだけど。だってほら、僕と付き合ってるのサツキちゃんでしょ? 何でそこで木佐さんを挟んで勝負しないといけないの? そこは僕とサツキちゃんが協力して仲良くやればいいでしょうが」
呆れた様に言われると、余計腹が立つ。
「ううう……悔しい! だが、祐介の協力なしには仕事に支障が出るのもまた事実……!」
「さっき僕を叱りつけた人と同じ人だと思えないよ」
「うるさいうるさい! 師に可愛がってもらうのは、弟子の矜持でもあるのだ!」
「あー……そういうことね。じゃあさ、勝負はするけどさ」
「う……うん?」
祐介がにっこりと笑う。この笑顔をする時は、大抵少し怒っている時だと段々分かってきたリアムは、少し身を引く。
「もしサツキちゃんがその勝負に勝って木佐さんがサツキちゃんを可愛がる様になったら、僕は僕の立ち位置を奪い返しに木佐さんと勝負するから」
「……は?」
「さ、続きね。次はパソコンについてです」
「祐介、今のはよく意味が分からなかったのだが」
「パソコンはこれです。ほら見て」
完全にはぐらかされてしまった。
すると、ピロン、と裕介のスマホが鳴った。
「あ、郁姉二時くらいに着くって。急ごう、とりあえずの使い方だけ説明するから」
「わ、分かった」
リアムとて時間は大事だ。分からないことは、とりあえず横に置いておくことにしたのだった。
「木佐さんは凄い仕事が早いベテラン……えーと、熟練者って言うのかな? なんだけど、とにかく仕事量が半端なくて、まあ大体いつも苛々してる訳です」
「はい」
「返事……こそばゆい……」
「どうした? 続きを」
「あ、はい。サツキちゃんも頑張ってたけど、木佐さんも忙しすぎて説明が雑で、聞くと怒られて聞けず間違え怒られて、の悪循環でね」
「互いに言いたいことはありそうだな」
あまりいい環境とは言えないだろう。祐介が深く頷いた。
「僕は営業だから、正直サツキちゃんの仕事内容までは詳しくないんだよね。だから、ここは頭を打って混乱しちゃってることにしよう」
「は?」
話の流れがよく分からない。
「ちょっと待て、私は正気だぞ。何故頭のおかしいふりなどせねばならんのだ」
リアムが反論した。当然だろう、先程だって祐介を諭したくらいには頭はまともに働いている。
祐介がまあまあ、と宥めにかかる。
「頭がおかしいとは言ってないでしょ、記憶があやふやってことでさ」
「それでまかり通る様な職場なのか?」
「う……木佐さんなら、僕が何とか説得する。まあ僕気に入られてるし」
少し得意げに聞こえる辺り、こいつは自分がもてているのをちゃんと自覚している。正直イラッとした。
「初手で差をつけようとするなど卑怯だぞ、祐介!」
ビシッと指を差すと、祐介がはあ、と溜息をついた。
「……まだ勝負するつもりでいたの、サツキちゃん」
「当然だ! 私が後輩なのだからな!」
「僕、別に木佐さんとどうこうなるつもりは全くないんだけど。だってほら、僕と付き合ってるのサツキちゃんでしょ? 何でそこで木佐さんを挟んで勝負しないといけないの? そこは僕とサツキちゃんが協力して仲良くやればいいでしょうが」
呆れた様に言われると、余計腹が立つ。
「ううう……悔しい! だが、祐介の協力なしには仕事に支障が出るのもまた事実……!」
「さっき僕を叱りつけた人と同じ人だと思えないよ」
「うるさいうるさい! 師に可愛がってもらうのは、弟子の矜持でもあるのだ!」
「あー……そういうことね。じゃあさ、勝負はするけどさ」
「う……うん?」
祐介がにっこりと笑う。この笑顔をする時は、大抵少し怒っている時だと段々分かってきたリアムは、少し身を引く。
「もしサツキちゃんがその勝負に勝って木佐さんがサツキちゃんを可愛がる様になったら、僕は僕の立ち位置を奪い返しに木佐さんと勝負するから」
「……は?」
「さ、続きね。次はパソコンについてです」
「祐介、今のはよく意味が分からなかったのだが」
「パソコンはこれです。ほら見て」
完全にはぐらかされてしまった。
すると、ピロン、と裕介のスマホが鳴った。
「あ、郁姉二時くらいに着くって。急ごう、とりあえずの使い方だけ説明するから」
「わ、分かった」
リアムとて時間は大事だ。分からないことは、とりあえず横に置いておくことにしたのだった。
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