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第一章 初級編開始
第153話 魔術師リアムの初級編三日目夜はようやく終了
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リアムは大慌てで後ろを向いた。
「す! 済まぬ祐介! 服をその、忘れたのだがな! いるとは思わず! あは、あははは!」
「はは、はははは……がっつり見ちゃった、ありが……ごめんなさい」
今絶対、ありがとうと言おうとしたな、祐介よ。さすがにリアムでもそれは分かった。
リアムはコホン、と咳払いをひとつした。
「あのだな、服を取りにそちらに行きたいのだが」
「はい、後ろ向きます――いいよ」
「すぐ終わらせる」
リアムが部屋を覗くと、祐介がベッドの上で膝を抱えて背中を向けていた。ふー、と長い息を吐いている。何となく何が起きたか分かってしまったが、だからといってどうしてやることも出来ない。ここで「落ち着け」とでも言った瞬間、怒られるのは目に見えていた。
リアムは大急ぎで下着を見に付け、肌着がすぐに出ないのでパジャマをガボッと着る。パジャマの下も履いて、もうこれで問題ない筈だ。
「祐介、もういいぞ」
「あ、はい」
祐介が艶っぽい視線でリアムを振り返った。頼む祐介、無駄に色気を振りまかないでほしい。リアムにはどうしてやることも出来ないのだから。
「髪。乾かす」
「た、頼む」
「座って」
「うむ」
タオルで髪を包みながら、祐介がドライヤーで髪を乾かしていく。これは相変わらず気持ちよくて、毎度蕩けそうになる。
「はい、おしまい」
「もうか……」
「また明日やってあげるから」
はは、と祐介が笑う。祐介が背中にいて顔が見えない今なら、言えそうだった。
「なあ祐介」
「ん?」
「私がずっと一緒にいると、その、色々と処理に困る時もあろう」
「今度は突然何言いだしたの」
「特にお前はまだ若い。このサツキの身体に反応してしまうこともあろう」
「僕今何聞かされてるのかな」
「私が横にいることで困る時は、早めに席を外すので言って欲しいのだ」
「のだ」
「何か心を落ち着かせる様なことでもしてあげられたらいいのだがな、それもなかなか難し……」
背後から、祐介がいきなりリアムを抱きすくめた。首に息が当たっている。何を血迷った祐介、そういうことではない、真逆のことを言ったつもりなのだが! リアムは焦った。何か言い間違えたのだろうか。
「ゆ、祐介っ落ち着け!」
「今、心を落ち着かせてます」
「へ?」
「あー落ち着く。このシャンプーの香り好き」
「え? え?」
そしてリアムは不意に思い出した。羽田が玄関の外で大騒ぎしていた時のことを。祐介に庇われる様に抱き締められたあの時、とても安心したことを。
さすれば、こうやって抱き締め合うのは心の安寧には効果的なのかもしれない。
「成程、祐介の言うことにも一理ある」
「何かよく分かんないけど納得してくれた?」
「心の平穏はこう包まれることでも得ることが出来るものなのだな、祐介」
「包んでるの僕の方だけどね」
「まあ落ち着けたのならよかった」
「……思ったよりも反応が薄……」
「何だ?」
「何でもないです」
祐介がそっと離れていった。
「じゃあまあ、今日の残りを仕上げて今日は早めに寝よう」
「分かった」
二人は何事もなかったかの様に笑い合った。
「す! 済まぬ祐介! 服をその、忘れたのだがな! いるとは思わず! あは、あははは!」
「はは、はははは……がっつり見ちゃった、ありが……ごめんなさい」
今絶対、ありがとうと言おうとしたな、祐介よ。さすがにリアムでもそれは分かった。
リアムはコホン、と咳払いをひとつした。
「あのだな、服を取りにそちらに行きたいのだが」
「はい、後ろ向きます――いいよ」
「すぐ終わらせる」
リアムが部屋を覗くと、祐介がベッドの上で膝を抱えて背中を向けていた。ふー、と長い息を吐いている。何となく何が起きたか分かってしまったが、だからといってどうしてやることも出来ない。ここで「落ち着け」とでも言った瞬間、怒られるのは目に見えていた。
リアムは大急ぎで下着を見に付け、肌着がすぐに出ないのでパジャマをガボッと着る。パジャマの下も履いて、もうこれで問題ない筈だ。
「祐介、もういいぞ」
「あ、はい」
祐介が艶っぽい視線でリアムを振り返った。頼む祐介、無駄に色気を振りまかないでほしい。リアムにはどうしてやることも出来ないのだから。
「髪。乾かす」
「た、頼む」
「座って」
「うむ」
タオルで髪を包みながら、祐介がドライヤーで髪を乾かしていく。これは相変わらず気持ちよくて、毎度蕩けそうになる。
「はい、おしまい」
「もうか……」
「また明日やってあげるから」
はは、と祐介が笑う。祐介が背中にいて顔が見えない今なら、言えそうだった。
「なあ祐介」
「ん?」
「私がずっと一緒にいると、その、色々と処理に困る時もあろう」
「今度は突然何言いだしたの」
「特にお前はまだ若い。このサツキの身体に反応してしまうこともあろう」
「僕今何聞かされてるのかな」
「私が横にいることで困る時は、早めに席を外すので言って欲しいのだ」
「のだ」
「何か心を落ち着かせる様なことでもしてあげられたらいいのだがな、それもなかなか難し……」
背後から、祐介がいきなりリアムを抱きすくめた。首に息が当たっている。何を血迷った祐介、そういうことではない、真逆のことを言ったつもりなのだが! リアムは焦った。何か言い間違えたのだろうか。
「ゆ、祐介っ落ち着け!」
「今、心を落ち着かせてます」
「へ?」
「あー落ち着く。このシャンプーの香り好き」
「え? え?」
そしてリアムは不意に思い出した。羽田が玄関の外で大騒ぎしていた時のことを。祐介に庇われる様に抱き締められたあの時、とても安心したことを。
さすれば、こうやって抱き締め合うのは心の安寧には効果的なのかもしれない。
「成程、祐介の言うことにも一理ある」
「何かよく分かんないけど納得してくれた?」
「心の平穏はこう包まれることでも得ることが出来るものなのだな、祐介」
「包んでるの僕の方だけどね」
「まあ落ち着けたのならよかった」
「……思ったよりも反応が薄……」
「何だ?」
「何でもないです」
祐介がそっと離れていった。
「じゃあまあ、今日の残りを仕上げて今日は早めに寝よう」
「分かった」
二人は何事もなかったかの様に笑い合った。
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