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第二章 中級編開始
第166話 OLサツキの中級編初日、念願のドレス
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今朝通りがかった貸衣装屋を、ラムと手を繋ぎつつ訪れたサツキは、緊張していた。
「あらお嬢さんいらっしゃい。今朝来られたお兄さんは一緒じゃないのね」
ラムはかなり特徴的だ。なんせ体が半透明の黄緑である。当然覚えられていたらしい。
「あのっ私も衣装をお借りしたくてっ」
「あらお嬢さんも? じゃあ早速サイズを……」
すすす、とメジャーらしき物を持ってきた女性店員が、あっという間にサツキとラムのサイズを測っていく。
そして、目を輝かせた。
「実はね、すっごくいいドレスがあるのよ。だけどなかなか着こなせる人がいなくて、まだ一度も借りられてないのよおー」
「え、でもそんなの私でも無理じゃ……」
女性の目が怪しく光った。
「胸がばん! とあって、でも腰はほっそりの黒にラメの入ったドレスなの。正にあなたの身体にピッタリ! ああ、そしたら髪の毛をアップにして、目尻に赤をスッと入れて、あ、イヤリングは揺れるタイプのを! はううううっ!」
「あ、あの、大丈夫ですか?」
女性が口元を拭いながら笑顔で言った。
「お願い、とにかく着てみて。安くしておくから! 最終日に返してくれればいいからあっ!」
手を固く握られた。よく分からないが、安くなるならいいかもしれない。サツキは戸惑いを覚えつつも承諾した。
「では早速こちらへ」
急にキリッとした女性が、奥の更衣室へとサツキ達を案内する。中にはカーテンで仕切られた空間があった。女性がドレスの中からシンプルな一着を選ぶと、駆け足で戻ってきた。頬が紅潮している。
「ほら脱いで脱いで!」
「あ、え、はい」
見られていると思うと気恥ずかしいが、脱がないことには始まらない。覚悟を決めてばっと脱ぐと、女性が悶えた。
「はううっ女神……!」
「あ、あのお……」
「はっ! ではこれを着てね。後ろのボタンは私が掛けます。ウエストの後ろは大きなリボンを結ぶのよ、可愛いわよお」
サツキは恐る恐るドレスを着てみる。胸元は大胆に開き、サラサラと揺れる半袖は肩から少し落ちる位置にある。背中はかなりしっかりと上まであるので、ここで胸を支えるらしい。
ウエストから太ももに掛けてはかなりピッタリと身体のラインが出るが、裾の方は贅沢に布が使われており広がっている。黒に入る銀色のラメが光を反射して綺麗だった。
女性が髪をくるくるっと巻き、かんざしを挿す。ラインストーンのような石が連なったシンプルな物で、同じデザインのイヤリングもつけてくれた。
更には化粧も施され、貸衣装屋はこんなに至れり尽せりなものなのだろうか。美容院の着付けと同じ感じかもしれないな、何となくそう思った。
「ミラージュ!」
何と女性がミラージュの魔法を唱えた。すると、目の前に立っているのはそれまでの気の弱そうなサツキではなく、少し勝気そうな綺麗な女性。
自分だと思えなかった。
「最後に仕上げ」
女性はサツキの背後に回ると、同じデザインのネックレスを掛けた。谷間のすぐ上までの長さで、ややえろい。
「そのアクセサリーも眠ってたやつだから、それはあげるわ。楽しませてもらったお礼よ」
うふ、と女性が微笑んだ。
「あらお嬢さんいらっしゃい。今朝来られたお兄さんは一緒じゃないのね」
ラムはかなり特徴的だ。なんせ体が半透明の黄緑である。当然覚えられていたらしい。
「あのっ私も衣装をお借りしたくてっ」
「あらお嬢さんも? じゃあ早速サイズを……」
すすす、とメジャーらしき物を持ってきた女性店員が、あっという間にサツキとラムのサイズを測っていく。
そして、目を輝かせた。
「実はね、すっごくいいドレスがあるのよ。だけどなかなか着こなせる人がいなくて、まだ一度も借りられてないのよおー」
「え、でもそんなの私でも無理じゃ……」
女性の目が怪しく光った。
「胸がばん! とあって、でも腰はほっそりの黒にラメの入ったドレスなの。正にあなたの身体にピッタリ! ああ、そしたら髪の毛をアップにして、目尻に赤をスッと入れて、あ、イヤリングは揺れるタイプのを! はううううっ!」
「あ、あの、大丈夫ですか?」
女性が口元を拭いながら笑顔で言った。
「お願い、とにかく着てみて。安くしておくから! 最終日に返してくれればいいからあっ!」
手を固く握られた。よく分からないが、安くなるならいいかもしれない。サツキは戸惑いを覚えつつも承諾した。
「では早速こちらへ」
急にキリッとした女性が、奥の更衣室へとサツキ達を案内する。中にはカーテンで仕切られた空間があった。女性がドレスの中からシンプルな一着を選ぶと、駆け足で戻ってきた。頬が紅潮している。
「ほら脱いで脱いで!」
「あ、え、はい」
見られていると思うと気恥ずかしいが、脱がないことには始まらない。覚悟を決めてばっと脱ぐと、女性が悶えた。
「はううっ女神……!」
「あ、あのお……」
「はっ! ではこれを着てね。後ろのボタンは私が掛けます。ウエストの後ろは大きなリボンを結ぶのよ、可愛いわよお」
サツキは恐る恐るドレスを着てみる。胸元は大胆に開き、サラサラと揺れる半袖は肩から少し落ちる位置にある。背中はかなりしっかりと上まであるので、ここで胸を支えるらしい。
ウエストから太ももに掛けてはかなりピッタリと身体のラインが出るが、裾の方は贅沢に布が使われており広がっている。黒に入る銀色のラメが光を反射して綺麗だった。
女性が髪をくるくるっと巻き、かんざしを挿す。ラインストーンのような石が連なったシンプルな物で、同じデザインのイヤリングもつけてくれた。
更には化粧も施され、貸衣装屋はこんなに至れり尽せりなものなのだろうか。美容院の着付けと同じ感じかもしれないな、何となくそう思った。
「ミラージュ!」
何と女性がミラージュの魔法を唱えた。すると、目の前に立っているのはそれまでの気の弱そうなサツキではなく、少し勝気そうな綺麗な女性。
自分だと思えなかった。
「最後に仕上げ」
女性はサツキの背後に回ると、同じデザインのネックレスを掛けた。谷間のすぐ上までの長さで、ややえろい。
「そのアクセサリーも眠ってたやつだから、それはあげるわ。楽しませてもらったお礼よ」
うふ、と女性が微笑んだ。
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