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第二章 中級編開始
第181話 魔術師リアムの中級編初日の夜はおしまい
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食後、蕩けそうになりながら髪の毛を乾かしてもらった後、念願のマッサージなるものをしてもらうこととなった。
祐介の手は暖かく大きくて、非常に気持ちがいいことが分かった。
「細いねえ。これじゃ肩も凝るよ」
「早くもう少し筋力を付けたいのだがな、疲れが」
「やることや覚えることだらけだもんね、今は仕方ないよ」
二の腕を揉まれた時は、飛び上がる程痛かった。耳を持ってぐにぐにされた時は、溶けてしまいそうだった。
今は手のひらを広げて指の腹で押されており、非常に気持ちがいい。
しかしこのやり慣れた感。一人暮らしの若い男が、何故ここまで出来るのだろうか。少なくともリアムは若くもなかったが出来ない。
「祐介、お前は何故こんなに揉むのが上手いのだ?」
リアムが尋ねると、祐介はフッと遠い目をした。
「実家にいる時はもう散々家の女性陣に奉仕させられてたからね……」
元気で勢いのある郁姉を思い出す。リアムもあれには逆らえなかった。そんな隙は一切なかった。なので深く同意する。
「成程、確かに郁姉を見る限り、祐介の家族は女性の方が強そうではあるな」
「もうね、僕奴隷ですか? って位ひたすらこき使われてたから、就職決まってからは飛び出す様に一人暮らし始めちゃった。だから社宅がある会社を選んだんだ。はは」
何気に苦労してきた様だ。
「まあお陰で女性特有のあれこれは詳しい方だと思うから、今はサツキちゃんのお役に多少なりとも立ってるんだと思うけど」
「本当に、祐介がいなかったら今頃どうなっていたのだろうか……」
「とりあえず電車に撥ねられてるよね」
「はは、生きてもいないか」
あまりにも気持ち良過ぎて、じん、と変な感覚が襲う。
「横になってくれたら、足裏とふくらはぎやるよ」
「ありがたい、もうあの靴はとにかく足がパンパンになってな」
「サイズ合ってなさそうだよね。また靴屋に近々行こうよ」
「うむ、それは是非頼みたいところだ」
祐介がソファーベッドをベッドにした所に寝転び、うつ伏せになると、祐介が足首を持った。にこりと笑う。
「! うおおっ! いたっいたたたた!」
「はは、固いねえ」
祐介が足の裏を押すと、とんでもない激痛が走った。これはいかん、殺されるやつだ!
「やめっ祐介っあっそこはっ」
「サツキちゃん、その声はなしにしようよ」
「無理っだっああっいたっやめ、祐介っ」
「……これが周りに聞こえ……拙いな」
祐介は足裏を押すのを不意に止めた。死ぬかと思ったリアムは、どうしたのかと祐介を振り返る。
祐介は不貞腐れた顔をしていた。突然どうした、祐介よ。
「どうした?」
「この家壁薄いから、サツキちゃんの声が周りに聞こえたら嫌だなと思って」
「あ……うるさいか、済まぬ。どうしてもな……」
「そうじゃなくて」
祐介はふくらはぎを揉みながら続けた。
「その、そういう声だって思われながら他の奴に聞かれるのは、僕が許せないから」
「へ?」
「何でもないです。あ、ここリンパ詰まってる」
「いっっうおおお!」
「そういう声なら大歓迎」
今日の祐介はやはりおかしい。半泣きになりながらそう思ったリアムだった。
祐介の手は暖かく大きくて、非常に気持ちがいいことが分かった。
「細いねえ。これじゃ肩も凝るよ」
「早くもう少し筋力を付けたいのだがな、疲れが」
「やることや覚えることだらけだもんね、今は仕方ないよ」
二の腕を揉まれた時は、飛び上がる程痛かった。耳を持ってぐにぐにされた時は、溶けてしまいそうだった。
今は手のひらを広げて指の腹で押されており、非常に気持ちがいい。
しかしこのやり慣れた感。一人暮らしの若い男が、何故ここまで出来るのだろうか。少なくともリアムは若くもなかったが出来ない。
「祐介、お前は何故こんなに揉むのが上手いのだ?」
リアムが尋ねると、祐介はフッと遠い目をした。
「実家にいる時はもう散々家の女性陣に奉仕させられてたからね……」
元気で勢いのある郁姉を思い出す。リアムもあれには逆らえなかった。そんな隙は一切なかった。なので深く同意する。
「成程、確かに郁姉を見る限り、祐介の家族は女性の方が強そうではあるな」
「もうね、僕奴隷ですか? って位ひたすらこき使われてたから、就職決まってからは飛び出す様に一人暮らし始めちゃった。だから社宅がある会社を選んだんだ。はは」
何気に苦労してきた様だ。
「まあお陰で女性特有のあれこれは詳しい方だと思うから、今はサツキちゃんのお役に多少なりとも立ってるんだと思うけど」
「本当に、祐介がいなかったら今頃どうなっていたのだろうか……」
「とりあえず電車に撥ねられてるよね」
「はは、生きてもいないか」
あまりにも気持ち良過ぎて、じん、と変な感覚が襲う。
「横になってくれたら、足裏とふくらはぎやるよ」
「ありがたい、もうあの靴はとにかく足がパンパンになってな」
「サイズ合ってなさそうだよね。また靴屋に近々行こうよ」
「うむ、それは是非頼みたいところだ」
祐介がソファーベッドをベッドにした所に寝転び、うつ伏せになると、祐介が足首を持った。にこりと笑う。
「! うおおっ! いたっいたたたた!」
「はは、固いねえ」
祐介が足の裏を押すと、とんでもない激痛が走った。これはいかん、殺されるやつだ!
「やめっ祐介っあっそこはっ」
「サツキちゃん、その声はなしにしようよ」
「無理っだっああっいたっやめ、祐介っ」
「……これが周りに聞こえ……拙いな」
祐介は足裏を押すのを不意に止めた。死ぬかと思ったリアムは、どうしたのかと祐介を振り返る。
祐介は不貞腐れた顔をしていた。突然どうした、祐介よ。
「どうした?」
「この家壁薄いから、サツキちゃんの声が周りに聞こえたら嫌だなと思って」
「あ……うるさいか、済まぬ。どうしてもな……」
「そうじゃなくて」
祐介はふくらはぎを揉みながら続けた。
「その、そういう声だって思われながら他の奴に聞かれるのは、僕が許せないから」
「へ?」
「何でもないです。あ、ここリンパ詰まってる」
「いっっうおおお!」
「そういう声なら大歓迎」
今日の祐介はやはりおかしい。半泣きになりながらそう思ったリアムだった。
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