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第二章 中級編開始
第221話 魔術師リアムの中級編三日目、出勤
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今日も混雑した車両に押し込まれてしまい必死に祐介にしがみついていると、潮崎が同じ電車に乗り込んできた。潮崎は細いので、押されて今にも潰されそうだ。
「おはよう、あー背の高い人っていいな」
そう祐介を見て笑った。確かに電車に乗っているとよく分かるが、祐介は背が高い。遠くからでも探しやすいのが利点だろう。そしてサツキなリアムは低い。ヒールで多少底上げしているものの、頭の天辺が祐介の肩に届くか位である。
潮崎は丁度その中間程の高さだ。車内の男性の平均身長と同じ位だろうか。低くもなく高くもなく、薄っぺらいのでペラペラに潰されそうではある。
「顔もいいしさ、性格も優しいしさ、野原さんいい人を捕まえたよ本当」
思い切り後ろの人のつり革を持つ肘に頭を小突かれながら、潮崎が続けた。
「止めて下さいよ、恥ずかしいなあもう」
祐介が満更でもなさそうな顔をして笑った。成程、こうやって褒めるといいのか。もっと自分の方を褒めてと必死に訴えてくる祐介に対し、リアムは優しいとか懐が広いとかしか言っていない。もう少し具体的な部分を褒めると喜ぶらしい。よし。
「筋トレもしっかりやっているので、引き締まったいい身体をしているぞ」
「サツキちゃんとりあえず黙ろうか」
「私は褒めただけだぞ」
「そこはいいから」
「ははは、野原さん、それって山岸くんの身体がいいんだって言ってる様なものじゃない」
「ちょっと潮崎さんまで」
「マッサージも上手だしな、それにモゴ」
祐介がリアムの口を手で押さえた。笑顔が怖い。
「電車内」
リアムはこくこくと頷いた。何か拙かったらしい。横で潮崎がヒーヒー笑っているのは何故だろうか。祐介に口を押さえられたまま、次の駅に降り立った。潮崎はお先に、と走っていった。階段を駆け上がる足取りが軽やかである。意外だった。
ホームに降りると、ようやく祐介が口から手を離した。なので、尋ねてみた。
「祐介、私も具体的に祐介のいいところを褒めたいと思ったのだが、あれの何がいけなかったのか?」
「いい身体だって思ってもらえてるのはいいんだけどね、あれじゃサツキちゃんはまるで僕の身体目当てみたいに聞こえるよ」
「身体目当て……」
じっくりと考えてみる。ポン! と手を叩いた。
「そうか! 私が祐介の身体がいいと発言すると、周りは私と祐介の身体の関係を連想するのだな!」
「物凄く具体的に理解いただけてありがとう」
「言葉とは斯様に難しいものであるのだな」
「……僕も連想するよ」
「何か言ったか?」
「何でもないです」
そう言うと、祐介は少し照れくさそうに不貞腐れた顔をしたままリアムの手を握った。これは絶対らしい。こんな会社の近くで羽田がリアムに何をする訳でもなかろうが、まあでも心配してくれているのであればそれは心嬉しいものだ。
「にしても、潮崎さんこんな早くに珍しかったなあ。何かあるのかな?」
「やけに機嫌がよさそうだったぞ」
祐介とリアムは顔を見合わせた。
「おはよう、あー背の高い人っていいな」
そう祐介を見て笑った。確かに電車に乗っているとよく分かるが、祐介は背が高い。遠くからでも探しやすいのが利点だろう。そしてサツキなリアムは低い。ヒールで多少底上げしているものの、頭の天辺が祐介の肩に届くか位である。
潮崎は丁度その中間程の高さだ。車内の男性の平均身長と同じ位だろうか。低くもなく高くもなく、薄っぺらいのでペラペラに潰されそうではある。
「顔もいいしさ、性格も優しいしさ、野原さんいい人を捕まえたよ本当」
思い切り後ろの人のつり革を持つ肘に頭を小突かれながら、潮崎が続けた。
「止めて下さいよ、恥ずかしいなあもう」
祐介が満更でもなさそうな顔をして笑った。成程、こうやって褒めるといいのか。もっと自分の方を褒めてと必死に訴えてくる祐介に対し、リアムは優しいとか懐が広いとかしか言っていない。もう少し具体的な部分を褒めると喜ぶらしい。よし。
「筋トレもしっかりやっているので、引き締まったいい身体をしているぞ」
「サツキちゃんとりあえず黙ろうか」
「私は褒めただけだぞ」
「そこはいいから」
「ははは、野原さん、それって山岸くんの身体がいいんだって言ってる様なものじゃない」
「ちょっと潮崎さんまで」
「マッサージも上手だしな、それにモゴ」
祐介がリアムの口を手で押さえた。笑顔が怖い。
「電車内」
リアムはこくこくと頷いた。何か拙かったらしい。横で潮崎がヒーヒー笑っているのは何故だろうか。祐介に口を押さえられたまま、次の駅に降り立った。潮崎はお先に、と走っていった。階段を駆け上がる足取りが軽やかである。意外だった。
ホームに降りると、ようやく祐介が口から手を離した。なので、尋ねてみた。
「祐介、私も具体的に祐介のいいところを褒めたいと思ったのだが、あれの何がいけなかったのか?」
「いい身体だって思ってもらえてるのはいいんだけどね、あれじゃサツキちゃんはまるで僕の身体目当てみたいに聞こえるよ」
「身体目当て……」
じっくりと考えてみる。ポン! と手を叩いた。
「そうか! 私が祐介の身体がいいと発言すると、周りは私と祐介の身体の関係を連想するのだな!」
「物凄く具体的に理解いただけてありがとう」
「言葉とは斯様に難しいものであるのだな」
「……僕も連想するよ」
「何か言ったか?」
「何でもないです」
そう言うと、祐介は少し照れくさそうに不貞腐れた顔をしたままリアムの手を握った。これは絶対らしい。こんな会社の近くで羽田がリアムに何をする訳でもなかろうが、まあでも心配してくれているのであればそれは心嬉しいものだ。
「にしても、潮崎さんこんな早くに珍しかったなあ。何かあるのかな?」
「やけに機嫌がよさそうだったぞ」
祐介とリアムは顔を見合わせた。
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