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第二章 中級編開始
第289話 魔術師リアムの中級編四日目の飲み会終盤
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木佐ちゃんが久住社長の隣の席から、ようやく逃げられるとばかりに立った。そこに橋本が来て座る。
くい、と祐介がリアムの袖を引っ張った。顔を顰めているがどうしたのだろうか。
すると、祐介が手招きをした。リアムが身体を祐介の方に寄せると、腕の力がくにゃっと抜けた。
「あぶなっ」
テーブルの角に頭をぶつけそうになったが、祐介が腕で咄嗟に抱き止めてくれて事なきを得た。
「祐介、身体が言うことをきかん」
「とりあえずお水飲もうか。あとご飯も食べよう? ……佐川、サツキちゃんと場所交代して」
「へいへい」
祐介がリアムの脇の下を抱えると引っ張り上げた。祐介が座っていた席までズルズルと引っ張ると、自分の胸にリアムをもたれかからせた。
店員にお冷を頼んで待っている間、祐介はずっとぶつぶつと不平不満を述べていた。
「こうなるの分かってて明らかに自分から飲みに行ったよね? サツキちゃんお酒に弱いって知ってるよね? 前回酔って何したか覚えてるよね?」
「前回より酷いのは何故だろうか……」
「ご飯食べてないからだよ。格好良く決め台詞言ってたけどさ、その後がこれじゃあ決まらないよね」
「では祐介、何か食べる物を」
「仕方ないなあ。はい口開けて、あーん」
リアムは素直に口を開けた。噛むとシャキッと音がした。ほんのり滲み出る塩味。
「これは何だ」
「きゅうりの浅漬け」
「美味い」
「もっと食べる?」
「食べる」
すると、反対側からぐるっと回ってきて山口の席だった所に座った者がいた。
「ほら野原さん、お冷よ」
木佐ちゃんだった。すっきりとした、だが気品のある顔に苦笑を浮かべている。
祐介が代わりに水の入ったコップを受け取ると、リアムの口元に持ってきた。
「ほら、これ位は自分で持って」
「済まぬ……」
リアムはだるい腕を何とか持ち上げると、コップの水を一気に飲み干した。美味い。美味かった。
「あーもう、溢れてる」
祐介がそう言うと、口の端から顎に垂れた水を指で掬い取り、舐めた。
「うっわ……」
木佐ちゃんが声を漏らした。
祐介がまたリアムの口にきゅうりを放り込んだ。リアムは半分目を閉じながら、とりあえず起きていられる様祐介の腕にしがみついている。祐介の腕に頬を寄せると、何だかホッとした。
「あんた達、本当に付き合ってるのね……変な感じだけど」
「羨ましいですか?」
「……本当山岸くんって本性隠すの上手いのね。全然気付かなかったわよ」
「いやだなあ、本性隠すなんて。僕はいつもこんな感じですって」
「嘘くさい……」
木佐ちゃんが苦虫を噛み潰した様な顔をした。祐介の本性とは何のことだろうか。
「木佐ちゃん殿、祐介の本性とはどういう……」
「サツキちゃんはいいの。さ、もっと食べて食べて」
祐介はそう言うと、今度は刺し身を箸で掴むと言った。
「ほら、あーん。好きでしょお刺身」
くるくる回っていた寿司の上に乗っていた物だ。
「好きだ」
リアムはそう返答すると、口を開けて刺し身が入れられるのを待った。やがて口の中に広がる魚の旨味。
「餌付け……」
木佐ちゃんが呟いた。
くい、と祐介がリアムの袖を引っ張った。顔を顰めているがどうしたのだろうか。
すると、祐介が手招きをした。リアムが身体を祐介の方に寄せると、腕の力がくにゃっと抜けた。
「あぶなっ」
テーブルの角に頭をぶつけそうになったが、祐介が腕で咄嗟に抱き止めてくれて事なきを得た。
「祐介、身体が言うことをきかん」
「とりあえずお水飲もうか。あとご飯も食べよう? ……佐川、サツキちゃんと場所交代して」
「へいへい」
祐介がリアムの脇の下を抱えると引っ張り上げた。祐介が座っていた席までズルズルと引っ張ると、自分の胸にリアムをもたれかからせた。
店員にお冷を頼んで待っている間、祐介はずっとぶつぶつと不平不満を述べていた。
「こうなるの分かってて明らかに自分から飲みに行ったよね? サツキちゃんお酒に弱いって知ってるよね? 前回酔って何したか覚えてるよね?」
「前回より酷いのは何故だろうか……」
「ご飯食べてないからだよ。格好良く決め台詞言ってたけどさ、その後がこれじゃあ決まらないよね」
「では祐介、何か食べる物を」
「仕方ないなあ。はい口開けて、あーん」
リアムは素直に口を開けた。噛むとシャキッと音がした。ほんのり滲み出る塩味。
「これは何だ」
「きゅうりの浅漬け」
「美味い」
「もっと食べる?」
「食べる」
すると、反対側からぐるっと回ってきて山口の席だった所に座った者がいた。
「ほら野原さん、お冷よ」
木佐ちゃんだった。すっきりとした、だが気品のある顔に苦笑を浮かべている。
祐介が代わりに水の入ったコップを受け取ると、リアムの口元に持ってきた。
「ほら、これ位は自分で持って」
「済まぬ……」
リアムはだるい腕を何とか持ち上げると、コップの水を一気に飲み干した。美味い。美味かった。
「あーもう、溢れてる」
祐介がそう言うと、口の端から顎に垂れた水を指で掬い取り、舐めた。
「うっわ……」
木佐ちゃんが声を漏らした。
祐介がまたリアムの口にきゅうりを放り込んだ。リアムは半分目を閉じながら、とりあえず起きていられる様祐介の腕にしがみついている。祐介の腕に頬を寄せると、何だかホッとした。
「あんた達、本当に付き合ってるのね……変な感じだけど」
「羨ましいですか?」
「……本当山岸くんって本性隠すの上手いのね。全然気付かなかったわよ」
「いやだなあ、本性隠すなんて。僕はいつもこんな感じですって」
「嘘くさい……」
木佐ちゃんが苦虫を噛み潰した様な顔をした。祐介の本性とは何のことだろうか。
「木佐ちゃん殿、祐介の本性とはどういう……」
「サツキちゃんはいいの。さ、もっと食べて食べて」
祐介はそう言うと、今度は刺し身を箸で掴むと言った。
「ほら、あーん。好きでしょお刺身」
くるくる回っていた寿司の上に乗っていた物だ。
「好きだ」
リアムはそう返答すると、口を開けて刺し身が入れられるのを待った。やがて口の中に広がる魚の旨味。
「餌付け……」
木佐ちゃんが呟いた。
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