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第二章 中級編開始
第312話 OLサツキの中級編四日目、ギルドの依頼書
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アールがあっという間にギルドを出ていくと、また元の三人に戻ってしまった。空いているユラの隣の席に座るのもな、と思い、サツキはそのまま壁に貼り付けられた依頼を読んでいくことにした。先程は中級ダンジョンのボス退治のところまで見た。その隣にあるのは何だろうか。
「えーと、『子供を探して欲しい』?」
何とも悲しい依頼ではないか。サツキは可哀想になって依頼をじっくりと読み始めた。依頼主の場所はここではないらしい。カントという街だそうだ。聞いてもさっぱりどこなんだかサツキには皆目検討がつかないが、まあバルバイトではないということだけは分かる。
続きを読んだ。やけに小さい字で細々と書いてあるので非常に読みにくい。
「『失踪時十五歳、髪は薄い金髪に水色の瞳』……ん?」
思い当たる人がすぐ後ろに座っている気がする。続きを詳しく読み始めた。
「なになに、『かなりの美形な為、変な所に売られてしまったのか心配です。名前はユラニエール・ケスラです。私の可愛い可愛い最愛の息子です。是非皆様ご協力の程宜しくお願い致します。尚、美形ですが絶対に惚れてはいけません。可愛いですが、貴方のものにはなりません。この子は私の可愛い子です。万が一があったら、その時は』……」
紙に書き切れず、文章はそこで途切れていた。思わずうっとなる内容だった。それ以外にも、紙には所狭しと息子への愛が認められていたが、これはどう考えても依頼には関係のない内容ではなかろうか。
「サイコ……」
思わず本音が飛び出た。
「サイコって何?」
「うわあっ!!」
いつの間にか背後を取られていたサツキは、耳に息を吹きかける様に囁いたユラに心底驚いた。毎回毎回心臓に悪いったらありゃしない。リアムはそこそこな年齢なのだから、下手すると心臓が止まってしまうかもしれない。
「何熱心に見てたんだ?」
ユラはこの依頼のことは知らないのだろうか。サツキは恐る恐るユラのフルネームを言ってみることにした。
「ユラニエール・ケスラ?」
「あれ? 何で俺の本名……」
ユラがサツキの目線を追い、そして目線の先にあった依頼書に気付いた。うげ、といった顔を作ると、ジュリアンがこちらを見ていないのをそっと確認した後、ぱっと依頼書を壁から剥がしてビリビリに破いた。
「フレイム」
ユラが唱えると、小さな炎が生まれて手のひらの上の紙が燃えながらふわりと浮き、そして灰になった。
「ユラ、それって」
「初級程度ならな、まあ。威力はサツキに比べりゃ屁みたいなもんだけど」
「へえ……ってやっぱりそれユラなんだよね!?」
「ちゃんと読んだ?」
「読んだ読んだ。結構怖かった」
「だろ? 俺が逃げ出そうと思った理由も分かっただろ?」
「なんか……分かる気がする……」
「でもこれ、あいつらには内緒な」
しい、と口に指を当てると、ユラは楽しそうに笑った。
「えーと、『子供を探して欲しい』?」
何とも悲しい依頼ではないか。サツキは可哀想になって依頼をじっくりと読み始めた。依頼主の場所はここではないらしい。カントという街だそうだ。聞いてもさっぱりどこなんだかサツキには皆目検討がつかないが、まあバルバイトではないということだけは分かる。
続きを読んだ。やけに小さい字で細々と書いてあるので非常に読みにくい。
「『失踪時十五歳、髪は薄い金髪に水色の瞳』……ん?」
思い当たる人がすぐ後ろに座っている気がする。続きを詳しく読み始めた。
「なになに、『かなりの美形な為、変な所に売られてしまったのか心配です。名前はユラニエール・ケスラです。私の可愛い可愛い最愛の息子です。是非皆様ご協力の程宜しくお願い致します。尚、美形ですが絶対に惚れてはいけません。可愛いですが、貴方のものにはなりません。この子は私の可愛い子です。万が一があったら、その時は』……」
紙に書き切れず、文章はそこで途切れていた。思わずうっとなる内容だった。それ以外にも、紙には所狭しと息子への愛が認められていたが、これはどう考えても依頼には関係のない内容ではなかろうか。
「サイコ……」
思わず本音が飛び出た。
「サイコって何?」
「うわあっ!!」
いつの間にか背後を取られていたサツキは、耳に息を吹きかける様に囁いたユラに心底驚いた。毎回毎回心臓に悪いったらありゃしない。リアムはそこそこな年齢なのだから、下手すると心臓が止まってしまうかもしれない。
「何熱心に見てたんだ?」
ユラはこの依頼のことは知らないのだろうか。サツキは恐る恐るユラのフルネームを言ってみることにした。
「ユラニエール・ケスラ?」
「あれ? 何で俺の本名……」
ユラがサツキの目線を追い、そして目線の先にあった依頼書に気付いた。うげ、といった顔を作ると、ジュリアンがこちらを見ていないのをそっと確認した後、ぱっと依頼書を壁から剥がしてビリビリに破いた。
「フレイム」
ユラが唱えると、小さな炎が生まれて手のひらの上の紙が燃えながらふわりと浮き、そして灰になった。
「ユラ、それって」
「初級程度ならな、まあ。威力はサツキに比べりゃ屁みたいなもんだけど」
「へえ……ってやっぱりそれユラなんだよね!?」
「ちゃんと読んだ?」
「読んだ読んだ。結構怖かった」
「だろ? 俺が逃げ出そうと思った理由も分かっただろ?」
「なんか……分かる気がする……」
「でもこれ、あいつらには内緒な」
しい、と口に指を当てると、ユラは楽しそうに笑った。
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