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第三章 上級編開始
第399話 魔術師リアムの上級編初日はぐったり
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バタン、と玄関の扉が閉じる音がして、リアムはいつの間にか自分が寝ていたことに気が付いた。手に握り締めていたガラケーと接触した皮膚が汗ばんでいる。
ガサゴソ、とビニール袋が擦れる音がする。
「……祐介?」
すると、祐介がひょっこりと顔を覗かせた。急いで行ってきたのだろうか、少し息が弾んでいる様だ。ビニール袋を戦利品の様に嬉しそうに掲げ上げてみせるその姿は、虫を捕らえることが出来て喜んでいる子供の様だ。
「買ってきたよ。説明するね」
そう言うと、ベッドの端に腰掛けて袋から取り出したのは三種類の生理用ナプキンだった。祐介がへへ、と笑う。
「実はやっぱり全然分からなくて、郁姉に聞いちゃった」
「郁姉に? それは郁姉にもお手間を取らせてしまったな」
「あの人は頼られるの大好きだから。ていうか下手するとこっちに来たい位の勢いだったから、断るの大変だったよ」
「そうなのか?」
祐介がにこにこと頷いた。
「サツキちゃんに会いたいみたい。随分と気に入られちゃったね。――来なくていいのに」
最後はぼそっと呟いていた。祐介よ、郁姉に対する態度が酷すぎやしないか。
「で、サツキちゃんの様子を、勝手にどうかなとは思ったけど説明しちゃった。大丈夫だった?」
「別に問題はないが……様子とは?」
祐介がこめかみを指でぽりぽりと掻いた。
「あのー、その、出血量とか、顔色も悪かったし、具合も悪そうだし、ふらふらだしとかそういうこと」
リアムは納得した。
「むしろありがたい。私はこの身体がどういう傾向にあるのかまだ分かっていないからな。女性の経験者目線での意見があった方がそれはいいだろう」
「本当? よかった」
祐介が安心した様に笑った。本当に祐介は気遣いがしっかりとしているのだ。
「で、貧血も激しいみたいだし、出血量が多いんじゃないかって郁姉が言ってたので、しっかりと吸収出来るタイプの物を教えてもらいました。普通の日用、多い日用、あとは夜用」
「そんなにあるのか……」
リアムは別の意味で頭がくらくらした。
「で、横になっている時は夜用必須だそうなので、替えた方がいいよ。後ろから漏れるんだって」
「なんと」
女性とは、普段何もない様な顔をしているが、実は知らないところでこの様な苦労をしていたらしい。しかも毎月だ。リアムは気が遠くなった。サツキの身体にいる限り、これが続くのだ。
「で、お薬はね、痛むなら飲んだ方がいいって」
祐介はそう言うと、薬を取り出してみせた。
「まだ飲んじゃ駄目だよ」
と言いつつリアムの手のひらに薬を置き、さっと立ち上がるとグラスに水を入れてきた。
「口に入れて、ぐびっと水で飲んで。噛んじゃ駄目だよ」
「分かった」
リアムの腰はもう痺れていて感覚がないが、冷たくなっている気がして仕方がない。そして腹は痛く、脂汗が出てきていた。リアムは言われた通りに薬を飲むと、祐介の助けを借りて立ち上がり、トイレへと向かった。
「これが毎月来るのか……」
泣きたくなった。すると、祐介が言った。
「会社、月に一回生理休暇取れるよ。明日休んだ方がいいんじゃない?」
あ、でも、と祐介の表情が曇った。
「……一人にしたくない」
祐介が何かを考え始めた。
ガサゴソ、とビニール袋が擦れる音がする。
「……祐介?」
すると、祐介がひょっこりと顔を覗かせた。急いで行ってきたのだろうか、少し息が弾んでいる様だ。ビニール袋を戦利品の様に嬉しそうに掲げ上げてみせるその姿は、虫を捕らえることが出来て喜んでいる子供の様だ。
「買ってきたよ。説明するね」
そう言うと、ベッドの端に腰掛けて袋から取り出したのは三種類の生理用ナプキンだった。祐介がへへ、と笑う。
「実はやっぱり全然分からなくて、郁姉に聞いちゃった」
「郁姉に? それは郁姉にもお手間を取らせてしまったな」
「あの人は頼られるの大好きだから。ていうか下手するとこっちに来たい位の勢いだったから、断るの大変だったよ」
「そうなのか?」
祐介がにこにこと頷いた。
「サツキちゃんに会いたいみたい。随分と気に入られちゃったね。――来なくていいのに」
最後はぼそっと呟いていた。祐介よ、郁姉に対する態度が酷すぎやしないか。
「で、サツキちゃんの様子を、勝手にどうかなとは思ったけど説明しちゃった。大丈夫だった?」
「別に問題はないが……様子とは?」
祐介がこめかみを指でぽりぽりと掻いた。
「あのー、その、出血量とか、顔色も悪かったし、具合も悪そうだし、ふらふらだしとかそういうこと」
リアムは納得した。
「むしろありがたい。私はこの身体がどういう傾向にあるのかまだ分かっていないからな。女性の経験者目線での意見があった方がそれはいいだろう」
「本当? よかった」
祐介が安心した様に笑った。本当に祐介は気遣いがしっかりとしているのだ。
「で、貧血も激しいみたいだし、出血量が多いんじゃないかって郁姉が言ってたので、しっかりと吸収出来るタイプの物を教えてもらいました。普通の日用、多い日用、あとは夜用」
「そんなにあるのか……」
リアムは別の意味で頭がくらくらした。
「で、横になっている時は夜用必須だそうなので、替えた方がいいよ。後ろから漏れるんだって」
「なんと」
女性とは、普段何もない様な顔をしているが、実は知らないところでこの様な苦労をしていたらしい。しかも毎月だ。リアムは気が遠くなった。サツキの身体にいる限り、これが続くのだ。
「で、お薬はね、痛むなら飲んだ方がいいって」
祐介はそう言うと、薬を取り出してみせた。
「まだ飲んじゃ駄目だよ」
と言いつつリアムの手のひらに薬を置き、さっと立ち上がるとグラスに水を入れてきた。
「口に入れて、ぐびっと水で飲んで。噛んじゃ駄目だよ」
「分かった」
リアムの腰はもう痺れていて感覚がないが、冷たくなっている気がして仕方がない。そして腹は痛く、脂汗が出てきていた。リアムは言われた通りに薬を飲むと、祐介の助けを借りて立ち上がり、トイレへと向かった。
「これが毎月来るのか……」
泣きたくなった。すると、祐介が言った。
「会社、月に一回生理休暇取れるよ。明日休んだ方がいいんじゃない?」
あ、でも、と祐介の表情が曇った。
「……一人にしたくない」
祐介が何かを考え始めた。
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