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第三章 上級編開始
第441話 魔術師リアムの上級編二日目の珈琲
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真っ赤になりながらもインドカレーを平らげたリアムは、祐介と共に再び店員に店の外まで見送られつつ、今度は駅前の珈琲専門店へと移動した。もう何が何だかさっぱり分からないので、道具と豆を選ぶ祐介の後にただくっついて見ていた。カタカナが多すぎて、訳が分からなかったのだ。この外来語というものも、そろそろ習得に取り掛かるべきであろう。リアムは決意した。
眉間に皺を寄せて豆の説明を眺めているリアムを見て、祐介がくすっと笑った。
「おうちに帰ったら淹れてあげるよ」
「おお!」
ようやくまともに祐介の顔を見られる様になったリアムは、自ら進んで祐介の手を握った。すると、祐介の頬が緩みかけ、それを祐介がぐっと食いしばる様にして平常心を装っているのが分かった。成程、祐介はリアムから接触を図ると嬉しいらしい。
思えば、今までの接触はほぼ祐介からだった。常日頃寂しい思いをしている祐介にとって、こういった触れ合いといったものは心温まるものなのかもしれない。
なので、リアムは勇気を振り絞って尋ねてみた。
「祐介」
「ん?」
しかし何と言っていいものやら判断に迷う。リアムは、言葉を選びつつ言った。
「祐介は、私から祐介に触れると、その……嬉しいのか?」
「嬉しい」
かなり食い気味の即答が返ってきた。成程、祐介から見て、リアムの中身がおっさんだろうが、リアムが思っている程抵抗がないのかもしれない。さすがの懐の広さである。
「祐介は、私以外の人間でも、その、触れられると嬉しいか?」
「嬉しくありません」
こちらも即答だった。と、いうことは、祐介はリアムにかなり気を許しているということなのだろう。まあ一緒に風呂に浸かった裸の付き合いの仲である。その辺を歩いている者よりはリアムの方が、それはいいのだろう。
今なら、あの言葉の真意を聞けるのではないか。どうしたらここにいてくれるんだ、温泉の宿でそう言われたあの言葉の真意を。
祐介はリアムに何を求めているのか、あのキスの意味は何だったのか。祐介は、リアムがサツキの中にいることを理解した上であの行動に及んだのか、それとも。
「祐介、あのだな」
意を決しリアムが祐介を見上げると、突然祐介のスマホが鳴った。祐介が「ごめん」と小さく言うと、ポケットからスマホを取り出した。会社支給のスマホの方だった。
「佐川? どうしたの」
電話の相手は、祐介の同期の佐川だった。電話の向こうで佐川が何かを言っているが、リアムには何を言っているかは分からない。恐らく仕事の話であろう。そう思って、何となく手持ち無沙汰で辺りの景色を眺めていると。
「絶っっっ対、嫌だ!!」
祐介がいきなり大きな声を出した。仕事の話……ではないのかもしれない。顔がみるみる不機嫌そうなそれに変わる。くるくるとよく変わる表情は見ていて可愛らしいのでいいのだが、当の祐介はちっともよくはなさそうだった。
「断る!!」
祐介はそう怒鳴ると、ブ、と電話を切ってしまった。
眉間に皺を寄せて豆の説明を眺めているリアムを見て、祐介がくすっと笑った。
「おうちに帰ったら淹れてあげるよ」
「おお!」
ようやくまともに祐介の顔を見られる様になったリアムは、自ら進んで祐介の手を握った。すると、祐介の頬が緩みかけ、それを祐介がぐっと食いしばる様にして平常心を装っているのが分かった。成程、祐介はリアムから接触を図ると嬉しいらしい。
思えば、今までの接触はほぼ祐介からだった。常日頃寂しい思いをしている祐介にとって、こういった触れ合いといったものは心温まるものなのかもしれない。
なので、リアムは勇気を振り絞って尋ねてみた。
「祐介」
「ん?」
しかし何と言っていいものやら判断に迷う。リアムは、言葉を選びつつ言った。
「祐介は、私から祐介に触れると、その……嬉しいのか?」
「嬉しい」
かなり食い気味の即答が返ってきた。成程、祐介から見て、リアムの中身がおっさんだろうが、リアムが思っている程抵抗がないのかもしれない。さすがの懐の広さである。
「祐介は、私以外の人間でも、その、触れられると嬉しいか?」
「嬉しくありません」
こちらも即答だった。と、いうことは、祐介はリアムにかなり気を許しているということなのだろう。まあ一緒に風呂に浸かった裸の付き合いの仲である。その辺を歩いている者よりはリアムの方が、それはいいのだろう。
今なら、あの言葉の真意を聞けるのではないか。どうしたらここにいてくれるんだ、温泉の宿でそう言われたあの言葉の真意を。
祐介はリアムに何を求めているのか、あのキスの意味は何だったのか。祐介は、リアムがサツキの中にいることを理解した上であの行動に及んだのか、それとも。
「祐介、あのだな」
意を決しリアムが祐介を見上げると、突然祐介のスマホが鳴った。祐介が「ごめん」と小さく言うと、ポケットからスマホを取り出した。会社支給のスマホの方だった。
「佐川? どうしたの」
電話の相手は、祐介の同期の佐川だった。電話の向こうで佐川が何かを言っているが、リアムには何を言っているかは分からない。恐らく仕事の話であろう。そう思って、何となく手持ち無沙汰で辺りの景色を眺めていると。
「絶っっっ対、嫌だ!!」
祐介がいきなり大きな声を出した。仕事の話……ではないのかもしれない。顔がみるみる不機嫌そうなそれに変わる。くるくるとよく変わる表情は見ていて可愛らしいのでいいのだが、当の祐介はちっともよくはなさそうだった。
「断る!!」
祐介はそう怒鳴ると、ブ、と電話を切ってしまった。
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