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第三章 上級編開始
第566話 OLサツキの上級編、フレイのダンジョン地下二十三階以降の蜘蛛再び
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フレイムグリフォニアが現れると、サツキはユラの指示の元アイスナと唱え、確実に一発で仕留めた。そしてブリーザラーを唱えながらの移動なので、かなり魔力の消費が激しい。ただ、暑さ自体は下に行ってもそこまでは変わらなかったので、何とか進むことが出来ていた。
状況が変わったのは、安全地帯での昼食も無事済み、地下二十六階に足を踏み入れてからだった。
出てくるモンスターが、例の小蜘蛛、ファイヤースパイダーだらけになってきたのだ。
「太陽の石とか気にしてる場合じゃなさそうね!」
ウルスラが、次々と襲いかかる子蜘蛛達を走りながら斬りつけ、道を切り開く。アールもそれは同様で、天井や壁面に素早く移動してなかなか降りてこない子蜘蛛を狙い、軽快な動きで確実に一匹一匹倒していっている。
「親蜘蛛と一緒に子蜘蛛も逃げたのかな?」
サツキが前衛に置いていかれない様駆け足になりながらブリーザラーを唱えると、バリアーラを後ろにも張ったユラがサツキの手を引っ張りつつ答えた。
「いや、こいつらは多分その前に生まれた奴だと思う。前のより一回り大きく見えるからな」
「そっか、だから前よりも下の階に子蜘蛛がうじゃうじゃいるのかな」
「多分な!」
ウルスラとアールはガンガン子蜘蛛を切り捨てて進むが、何しろ子蜘蛛の個体数が多過ぎる。天井に逃げて難を逃れた子蜘蛛が、後衛のサツキ達に襲いかかってきたりする。
「ユラ! そろそろ唱えてもいい!?」
「ギリギリまで我慢しろ! 溜めて溜めて、一気にアイスナだ!」
走りっ放しでユラの息も上がってきている。サツキの本体は体力のあるリアムなので、本来の自分だったらあり得ない位軽やかに走れて感動していたが、さすがに走り続けるときつくなってくる。ちなみに、大分身体が固くなったラムは、走れない須藤さんを抱えてサツキの隣を爆走していた。
「ウルスラ! アール! 安全地帯を見つけたら飛び込め!」
「了解!」
安全地帯は、殆どが下へと続く階段の手前に設置されている。地面と天井の四隅に魔法陣が描かれ、そこを境にテイムしたモンスター以外は入っていけない仕様になっていた。
アールが叫ぶ。
「ウルスラ! あれじゃねえか!?」
子蜘蛛の壁の向こうに、モンスターがいない空間が見える。
「切り拓け!!」
ユラが叫ぶと、ウルスラとアールが雄叫びを上げながら子蜘蛛の群れに突っ込んでいった。
「どけええええっ!!」
ウルスラが叫ぶと、子蜘蛛の壁が崩れた。
「サツキ! 急げ!」
ユラがそのスペースに滑り込むとサツキを先に行かせようとしたが、サツキはその手を振り払って言った。
「こっちを片付ける! 行ってて!」
「馬鹿! 危ねえから来い!」
ラムが横を駆け抜けて行ったので、サツキはくるりと後ろを向いた。
「サツキ! この蜘蛛、邪魔すんじゃねえよ!」
ユラが子蜘蛛に追いやられて安全地帯へと足を踏み入れた。じり、と子蜘蛛がサツキの周りを囲む。
「もっとおいで」
出来るだけ一回で、全て片付けたい。壁も天井も、全て赤い炎に包まれた子蜘蛛に囲まれた。一匹がサツキに襲いかかると、一斉に他の蜘蛛もサツキに向かって飛びつく!
「サツキー!!」
ユラの叫び声が聞こえる。
怖い。でも、皆を守りたいから。
「アイスナ!!」
サツキが叫んだ瞬間、サツキを囲む全ての蜘蛛が凍りついた。
状況が変わったのは、安全地帯での昼食も無事済み、地下二十六階に足を踏み入れてからだった。
出てくるモンスターが、例の小蜘蛛、ファイヤースパイダーだらけになってきたのだ。
「太陽の石とか気にしてる場合じゃなさそうね!」
ウルスラが、次々と襲いかかる子蜘蛛達を走りながら斬りつけ、道を切り開く。アールもそれは同様で、天井や壁面に素早く移動してなかなか降りてこない子蜘蛛を狙い、軽快な動きで確実に一匹一匹倒していっている。
「親蜘蛛と一緒に子蜘蛛も逃げたのかな?」
サツキが前衛に置いていかれない様駆け足になりながらブリーザラーを唱えると、バリアーラを後ろにも張ったユラがサツキの手を引っ張りつつ答えた。
「いや、こいつらは多分その前に生まれた奴だと思う。前のより一回り大きく見えるからな」
「そっか、だから前よりも下の階に子蜘蛛がうじゃうじゃいるのかな」
「多分な!」
ウルスラとアールはガンガン子蜘蛛を切り捨てて進むが、何しろ子蜘蛛の個体数が多過ぎる。天井に逃げて難を逃れた子蜘蛛が、後衛のサツキ達に襲いかかってきたりする。
「ユラ! そろそろ唱えてもいい!?」
「ギリギリまで我慢しろ! 溜めて溜めて、一気にアイスナだ!」
走りっ放しでユラの息も上がってきている。サツキの本体は体力のあるリアムなので、本来の自分だったらあり得ない位軽やかに走れて感動していたが、さすがに走り続けるときつくなってくる。ちなみに、大分身体が固くなったラムは、走れない須藤さんを抱えてサツキの隣を爆走していた。
「ウルスラ! アール! 安全地帯を見つけたら飛び込め!」
「了解!」
安全地帯は、殆どが下へと続く階段の手前に設置されている。地面と天井の四隅に魔法陣が描かれ、そこを境にテイムしたモンスター以外は入っていけない仕様になっていた。
アールが叫ぶ。
「ウルスラ! あれじゃねえか!?」
子蜘蛛の壁の向こうに、モンスターがいない空間が見える。
「切り拓け!!」
ユラが叫ぶと、ウルスラとアールが雄叫びを上げながら子蜘蛛の群れに突っ込んでいった。
「どけええええっ!!」
ウルスラが叫ぶと、子蜘蛛の壁が崩れた。
「サツキ! 急げ!」
ユラがそのスペースに滑り込むとサツキを先に行かせようとしたが、サツキはその手を振り払って言った。
「こっちを片付ける! 行ってて!」
「馬鹿! 危ねえから来い!」
ラムが横を駆け抜けて行ったので、サツキはくるりと後ろを向いた。
「サツキ! この蜘蛛、邪魔すんじゃねえよ!」
ユラが子蜘蛛に追いやられて安全地帯へと足を踏み入れた。じり、と子蜘蛛がサツキの周りを囲む。
「もっとおいで」
出来るだけ一回で、全て片付けたい。壁も天井も、全て赤い炎に包まれた子蜘蛛に囲まれた。一匹がサツキに襲いかかると、一斉に他の蜘蛛もサツキに向かって飛びつく!
「サツキー!!」
ユラの叫び声が聞こえる。
怖い。でも、皆を守りたいから。
「アイスナ!!」
サツキが叫んだ瞬間、サツキを囲む全ての蜘蛛が凍りついた。
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