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其の二十五 写真
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壁に貼られた写真には、比較的最近の俺が写っていた。
家族ぐるみでバーベキューをした時の写真も混じっているが、殆どは視線の合っていない横顔や斜めから撮られたもので、記憶のないものばかりだ。
花は、俺がそれを見て驚いているのは分かっている筈だったが、雨戸を開ける為にベッドの上に乗り、わざとらしく背中を向けている。
「え? ええ?」
口をパクパクさせていると、花はベッドから降りて相変わらずどう考えても意図的に背中を向けたまま、鞄から教科書を取り出し始めた。
壁にもう一歩近付き、一枚一枚を観察する様に眺めていくことにする。
私服が殆どの様だが、明らかにこれはうちの中だろうという写真があった。あ、ベッドで寝てる写真まで。
そのことで、この写真の提供者が誰だか分かった。
「花……これ、まさか母さんが……」
ビクッと大きく身体を震わせた花の細い肩を背後から掴むと、背中越しに花の顔を覗き込む。両手に覆われた顔の隙間から、花の可愛い目が俺を捉えた。
「あ、はは、あはは」
「てことは、花は写真の俺に囲まれたいくらい、俺のことがずっと好きだったと」
「宗ちゃん、自分で言ってて恥ずかしくならないの……?」
「何で恥ずかしくなるんだよ。自分が好きな子がずっと自分のことを想ってくれてたなんて分かったら、泣いて喜べる」
「ああーっ恥ずかしいっ」
花が反対側を向こうとしたので急ぎ花の手首を掴み、出来た隙間に顔を押し込め花の唇を奪った。
ゆっくりと顔を離すと、真っ赤になってあわあわしている花の顔が見えてきた。もうそろそろ慣れてくれてもいいのにと思うし、このままずっと慣れないで照れまくる花も可愛いに違いない、とも思う。
この家には、太一の影は来ようがない。太一は、花の家には寄り付かなかったからだ。考えてみれば、やはり太一は花のことを敵対視していたんだろうと思える行動をよく取っていた。だから、太一にとってこの家は鬼門であり、今の俺にとっては聖域だ。あれがもし幽霊だったとしても、太一は花の家には踏み入らないし、幻覚だったとしたら尚更ここに存在出来る筈がないのだから。
「花」
腕の中の花の顔を覗き込むと、真っ赤になった花が大いに慌て出した。さてはこれは、察してるな。
「そ、宗ちゃん、そろそろ勉強をね!」
「うん、しないとね」
そう言いながらも、片腕で花を捕らえたまま、もう片方の手を花の背中に差し込む。
「ひやっそっ宗ちゃあああんっ!?」
「うん、勉強もするよ」
ちゃんとするつもりだ。これが終わった後に。
花の背中にある俺の手が、ブラジャーのホックの部分に触れた。ベテランになるとこれを片手で取れると聞いたことがあるが、果たしてそんな器用なことが現実に出来るんだろうか。何はともあれ挑戦だ。
俺がそれを取りにかかると、花は恥じらいたっぷりの潤んだ瞳で上目遣いで見る。少し開いた唇が俺を求めている様にしか見えなくて、吸い寄せられる様にその唇に吸い付いた。
花が息継ぎで逃げようとすると、それを追いかける。そっちに集中すると、手の方が疎かになってホックが取れない。段々痺れを切らしてき、諦めて両手でホックを外すことにした。
「ま、待って宗ちゃん……」
「嫌?」
息継ぎの合間に途切れ途切れに交わされる会話の中で、俺は花に囁く様に尋ねる。何度かチャレンジしていると、ようやくホックが外れた。両手を、花の胸の前に移動する。柔らか過ぎて、理性はもう吹っ飛ぶ寸前まで来ていた。
「そ、宗ちゃん! 私っ心の準備が、そのっ」
花が、いっぱいいっぱいな表情で言うが、それは俺を余計に興奮させるだけだった。
「俺も、余裕ないから一緒」
「嘘だっ顔が笑ってるもん!」
「ははっ」
昨日は残念ながら見られなかったから、今日は是非ともこの目で拝みたい。
花から顔を離すと、一旦花の胸から両手を離し、服の裾を勢いよく捲くり上げた。
「こらっ! そうちゃああああんっ!」
花が腕で胸を隠そうとしたので、負けじと押さえつつそれをこの目に納めた。それはそこにあった。――やった。とうとう、この日を迎えることが出来たんだ。
「そ、宗ちゃん、もう、私」
花はキャパオーバーなのだろう、死にそうな掠れ声でそれだけ呟いた。
花の背中を支えながら、どんどん花をベッドへ追いやり、ゆっくり押し倒す。花が、ずるずるとベッドのヘリからずり落ちていった。覆いかぶさりつつ床に膝を付くと、花は荒い息をしながら、俺の首に抱きついてきた。――え。
これは、いいってことだろうか? いやここまで大分強引にやってしまったが、これはいいってことだよな?
勿論俺のやる気は満々だったが、花を泣かせてまではしたくない。それ位の理性はまだ残っていたから、期待を込めつつ花の目を見つめた。
花の唇が、暖かそうな吐息を吐く。
「宗ちゃん、好き……っ」
潤んだ瞳で、顔を真っ赤にした大好きな彼女にそんなことを言われてみろ。
最後に少しだけ残されていた理性は吹っ飛び、俺は文字通り獣になった。
家族ぐるみでバーベキューをした時の写真も混じっているが、殆どは視線の合っていない横顔や斜めから撮られたもので、記憶のないものばかりだ。
花は、俺がそれを見て驚いているのは分かっている筈だったが、雨戸を開ける為にベッドの上に乗り、わざとらしく背中を向けている。
「え? ええ?」
口をパクパクさせていると、花はベッドから降りて相変わらずどう考えても意図的に背中を向けたまま、鞄から教科書を取り出し始めた。
壁にもう一歩近付き、一枚一枚を観察する様に眺めていくことにする。
私服が殆どの様だが、明らかにこれはうちの中だろうという写真があった。あ、ベッドで寝てる写真まで。
そのことで、この写真の提供者が誰だか分かった。
「花……これ、まさか母さんが……」
ビクッと大きく身体を震わせた花の細い肩を背後から掴むと、背中越しに花の顔を覗き込む。両手に覆われた顔の隙間から、花の可愛い目が俺を捉えた。
「あ、はは、あはは」
「てことは、花は写真の俺に囲まれたいくらい、俺のことがずっと好きだったと」
「宗ちゃん、自分で言ってて恥ずかしくならないの……?」
「何で恥ずかしくなるんだよ。自分が好きな子がずっと自分のことを想ってくれてたなんて分かったら、泣いて喜べる」
「ああーっ恥ずかしいっ」
花が反対側を向こうとしたので急ぎ花の手首を掴み、出来た隙間に顔を押し込め花の唇を奪った。
ゆっくりと顔を離すと、真っ赤になってあわあわしている花の顔が見えてきた。もうそろそろ慣れてくれてもいいのにと思うし、このままずっと慣れないで照れまくる花も可愛いに違いない、とも思う。
この家には、太一の影は来ようがない。太一は、花の家には寄り付かなかったからだ。考えてみれば、やはり太一は花のことを敵対視していたんだろうと思える行動をよく取っていた。だから、太一にとってこの家は鬼門であり、今の俺にとっては聖域だ。あれがもし幽霊だったとしても、太一は花の家には踏み入らないし、幻覚だったとしたら尚更ここに存在出来る筈がないのだから。
「花」
腕の中の花の顔を覗き込むと、真っ赤になった花が大いに慌て出した。さてはこれは、察してるな。
「そ、宗ちゃん、そろそろ勉強をね!」
「うん、しないとね」
そう言いながらも、片腕で花を捕らえたまま、もう片方の手を花の背中に差し込む。
「ひやっそっ宗ちゃあああんっ!?」
「うん、勉強もするよ」
ちゃんとするつもりだ。これが終わった後に。
花の背中にある俺の手が、ブラジャーのホックの部分に触れた。ベテランになるとこれを片手で取れると聞いたことがあるが、果たしてそんな器用なことが現実に出来るんだろうか。何はともあれ挑戦だ。
俺がそれを取りにかかると、花は恥じらいたっぷりの潤んだ瞳で上目遣いで見る。少し開いた唇が俺を求めている様にしか見えなくて、吸い寄せられる様にその唇に吸い付いた。
花が息継ぎで逃げようとすると、それを追いかける。そっちに集中すると、手の方が疎かになってホックが取れない。段々痺れを切らしてき、諦めて両手でホックを外すことにした。
「ま、待って宗ちゃん……」
「嫌?」
息継ぎの合間に途切れ途切れに交わされる会話の中で、俺は花に囁く様に尋ねる。何度かチャレンジしていると、ようやくホックが外れた。両手を、花の胸の前に移動する。柔らか過ぎて、理性はもう吹っ飛ぶ寸前まで来ていた。
「そ、宗ちゃん! 私っ心の準備が、そのっ」
花が、いっぱいいっぱいな表情で言うが、それは俺を余計に興奮させるだけだった。
「俺も、余裕ないから一緒」
「嘘だっ顔が笑ってるもん!」
「ははっ」
昨日は残念ながら見られなかったから、今日は是非ともこの目で拝みたい。
花から顔を離すと、一旦花の胸から両手を離し、服の裾を勢いよく捲くり上げた。
「こらっ! そうちゃああああんっ!」
花が腕で胸を隠そうとしたので、負けじと押さえつつそれをこの目に納めた。それはそこにあった。――やった。とうとう、この日を迎えることが出来たんだ。
「そ、宗ちゃん、もう、私」
花はキャパオーバーなのだろう、死にそうな掠れ声でそれだけ呟いた。
花の背中を支えながら、どんどん花をベッドへ追いやり、ゆっくり押し倒す。花が、ずるずるとベッドのヘリからずり落ちていった。覆いかぶさりつつ床に膝を付くと、花は荒い息をしながら、俺の首に抱きついてきた。――え。
これは、いいってことだろうか? いやここまで大分強引にやってしまったが、これはいいってことだよな?
勿論俺のやる気は満々だったが、花を泣かせてまではしたくない。それ位の理性はまだ残っていたから、期待を込めつつ花の目を見つめた。
花の唇が、暖かそうな吐息を吐く。
「宗ちゃん、好き……っ」
潤んだ瞳で、顔を真っ赤にした大好きな彼女にそんなことを言われてみろ。
最後に少しだけ残されていた理性は吹っ飛び、俺は文字通り獣になった。
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