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第三章 事件発生
19.おっさんの鼻歌は笑われる
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頭にタオルを巻き、亮太は風呂から上がった。バスタオルで床と壁を拭いておくと黴にくいので毎回上がる時に拭いているのだが、今は二人を待たせているのでなるべくささっと拭いた。
部屋を覗くと、アキラがテーブルを台拭きで拭いて食事の支度をしている。亮太は急いで脱いだ服とバスタオルを持って外の洗濯機へと放り込み、ちゃっちゃと洗濯機を回した。
「亮太、早く」
「へいへい」
今にも涎を垂らしそうな顔をしてアキラが亮太を呼んだ。大盛りを頼んだかと思ったが、よく見るとアキラの前にはプラスチックの深い丼が二つ並んでいた。まさかの二つ。本当にどんだけ食うんだ。
狗神は亮太と同じ普通の物だった。亮太がプラスチックの透明の蓋をカパッと開けてやると、ホカホカと美味しそうな湯気が立ち昇った。
「ではいただきます!」
アキラは一人だけ早く大きな声でそう言うと、待ちきれないとばかりにひとつ目の釜飯を抱える様にして食べ始めた。
「いただきます」
亮太も手を合わせて言った。
アキラはかっこむ様にして食べている。狗神は静かにお上品に食べている。この人間と犬の差。亮太が呆気にとられている間に、アキラはひとつ目の釜飯を早くも完食した。一分かかってないんじゃないか。アキラが亮太に偉そうに言った。
「亮太、冷めるから早く食べたら」
「お、おお」
亮太は素直にその言葉に従うことにした。アキラのこの食いっぷりは、もう驚き以外の何ものでもなかったが、見ていて何が変わる訳でもない。自分の食事に専念しよう、そうしよう。
亮太は自分の釜飯を食べ始めた。もぐもぐとよく噛みながら、改めてアキラと狗神を見る。
こういう風に誰かとひとつのテーブルを囲んで毎日食事をする日がまた来るなど、全く思っていなかった。これもいつまで続くかは分からないが、そう悪いものでもない、そんな気がした。
そこまでつらつらと考えて、自分は寂しかったのだという事実に亮太は今更ながらに気が付いた。一人が気ままでいい、なんて周りには言っていたが、やはり母が亡くなったのは亮太の中では大きかった。近くにいるただ一人の、亮太をよく知る人がこの世から居なくなってしまったことに対する喪失感とも恐怖とも言えるこの感覚。
勿論アキラも狗神も亮太のことなど殆ど知らない他人だ。母とは比べ物にならない、というか母より亮太を知る人間など今後現れない可能性の方が高い。
それでも。
「……何ニヤけてんの」
アキラが気味悪そうに顔を顰めながら聞いてきた。
「ニヤけてねえ」
「ニヤけてた」
「元々こういう顔だ」
「そんな顔でよくそんなこと言えるね」
「うるせえな」
ポンポン言い合う亮太とアキラをじっと見た狗神がひと言。
「静かに食べましょうね」
「……はい」
また黙々と食べ始めた亮太だった。釜飯を口に運びながらぼんやりと空中を見ていると、そういえば昨日雨で室内に干しておいた洗濯物がない。きょろ、と探すと、開いた押し入れの上の段に亮太の服がきちんと畳まれてあった。どうやら畳んでおいてくれたらしい。そんなことに、亮太はまたジン、としてしまった。これは純粋に嬉しかった。
たった今言い合ったアキラを見ると、アキラが「なに?」という表情で見返してきた。やはりちょいちょい腹が立つが、畳んでくれた礼は言わないと家主としては拙いだろう。
「洗濯物」
「が、どうしたの」
「畳んでくれて、ありがとう」
すると、釜飯を食べ終わった狗神が口を開いた。
「どういたしま」
またガチン! と狗神の口がアキラの両手で押さえられた。痛そうだが大丈夫だろうか。狗神は口を開こうとムガムガ言っているが、アキラは全力でそれを止めていた。さっきからこいつ、一体どうしたんだろうか。
「アキラ、イヌガミが痛そうだぞ。そんな押さえちゃ可哀想だろ」
アキラが亮太を無言で睨み返してきた。いやいや、礼を言ったのに何故睨み返されなきゃいけないんだ。圧が凄い。
亮太はささやかな抵抗を試みた。
「ど、動物虐待反対」
「うるさい!」
怒鳴られた。アキラは亮太に一瞥をくれた後、狗神を半眼で無言のままジッと見つめた。まあ、この二人の間には亮太の知らない時間がある。もう放っておこう。
亮太は釜飯に集中することにした。よく見たら、亮太以外は皆完食していた。片付けたら洗濯物を干して、それから夕飯の買い出しに行こう、そうしよう。
一人静かに食事を終わらすべく口に運びつつアキラと狗神の様子を窺うと、どうやら狗神が折れたらしい。何に折れたのかは分からないが、どうやら力関係は主人と呼ばれるだけあってアキラの方が上の様だった。しょんぼりした狗神が空になった皿を口に咥えてトボトボと台所に向かっていった。
可哀想に。そう思ったが、アキラの目つきが怖いままなので亮太はそれ以上のコメントを控えることにした。
「アキラ」
「なに」
まだ声が怒っている。いや待て待て、何でこんな小娘に亮太はびびっているのか。いや、びびってなどいない、遠慮しているのだ。いやいや遠慮も違う、なんだ? そう、配慮だ配慮。
「夜は何食いたい?」
亮太がそう聞いた途端、アキラの顔がパッと明るくなった。非常に分かりやすくて結構なことだ。
「とんかつ! キャベツモリモリ!」
「とんかつ? うちは油切りのポットがないから無理だな」
「お惣菜買えばいいじゃない」
「惣菜は高く付く」
「じゃあ油切りのポットを買えばいい」
「うーん」
店では揚げ物はするので、別に調理に問題はない。ただ、今まで独り暮らしだったので揚げ物を家でする機会がなかった。だがまあ、よく食べるアキラの食を満たすには揚げ物のレパートリーを増やすのはいい案かもしれない。
五徳の下のスペースには空きもある。何とかなるだろう。
「じゃあポットを探してくるついでに材料も買ってくるから、洗濯物干すのは任せられるか?」
「任せて。とんかつの為なら何でもする」
アキラが深く頷いてみせた。成程、アキラは食べ物で釣ればいいのだな、と亮太は悟った。今度こっそり餌になりそうな物を用意して隠しておこう、そう思った。そういえばチー鱈を渡していない。あれをご褒美に使おう。
亮太は釜飯の残りをかっこむと、手を合わせてご馳走様をした。アキラと手分けしてテーブルと台所を片付け、完了。
台所の床に置いてあるゴミ箱をふと見ると、チー鱈の空の袋が捨てられていた。
こいつ、勝手に食いやがった。
亮太はアキラを呆れて見たが、また「なに」という顔をされたので首を振って見なかったことにした。
歯磨きを済まし、髪を何となく整えて、上にデニムシャツを羽織った亮太はクロックスもどきをつっかけると家にいる二人に声をかけた。
「じゃあ洗濯物宜しくなー」
「んー」
「お任せ下さいませ」
狗神までしっかり請け負ってくれたのが可愛くて、亮太は微笑みながら家を後にした。
◇
困った時はスーパーD。
亮太の鉄則ルールである。若干高いが、確実に欲しい物が揃う。エスカレーターで上に向かい、調理道具売り場に行くとすぐに油切りのポットが見つかった。家にコーヒーフィルターがあるので、紙はあれを代用すれば問題ないだろう。
次は一階で食材だ。とんかつの肉は高いは高いが、叩いて伸ばせば大きくなる。間にチーズを入れると邪道だろうか。そうだ、豚汁も作ろう。アキラはもう少し野菜をしっかり摂った方がいい。
今日の献立をあれこれ考えながら野菜コーナーでにらめっこしていると、横にいた中年女性が怪訝そうな顔で亮太をちら見し、次いでクスリと笑って去っていった。今、何故笑われた? 亮太は訳が分からず少し考え、――そして自分がいつの間にか鼻歌を歌っていたことに気が付いた。
四十路も半ばのおっさんがスーパーで野菜とにらめっこしながら鼻歌を歌っていれば、そりゃあ笑われるだろう。亮太は少し恥ずかしくなってしまい、気を引き締めることにした。こんな姿、知り合いにでも見られたら恥ずかしくて耐えられない。
亮太は急いで買い物を済ますと、足早に帰路についた。
玄関のドアをガチャガチャと開け、さっさと中に入る。もう洗濯機は止まったのだろうか。部屋を覗くとアキラも狗神もおらず、外の物干しスペースへと続くドアが半開きになっている。ちゃんと干せるのだろうかと不安になった亮太は、荷物を台所に置くと物干しスペースへと向かった。
話し声が聞こえる。亮太はドアから顔を外に出した。
「アキラ、ハンガー足り……」
「わあ! 亮太!」
そこに居たのは、シャツを持ったアキラと、若い男だった。物凄いイケメンが、真顔で亮太を見返していた。
アキラが大慌てで言い訳を始めた。
「あの、亮太、これはそのっ!」
亮太が唖然としながら男を見ると、手に持っているのは亮太のパンツだった。黒のボクサーパンツである。トランクスはどうもスースーして落ち着かず、ブリーフは時折尻に食い込むのがむずむずしてしまうので、亮太はボクサーパンツ派であった。
その亮太のパンツを、見知らぬ男が持っている。
そして、男の着ている服には違和感があった。おかしい。そう、こいつが着ているのは和服だ、上は白、下は水色っぽい袴。禰宜の格好じゃないか。
「な……何で知らない男が俺のパンツを干してるんだ……?」
混乱した亮太は、素朴な疑問を口にしたのだった。
部屋を覗くと、アキラがテーブルを台拭きで拭いて食事の支度をしている。亮太は急いで脱いだ服とバスタオルを持って外の洗濯機へと放り込み、ちゃっちゃと洗濯機を回した。
「亮太、早く」
「へいへい」
今にも涎を垂らしそうな顔をしてアキラが亮太を呼んだ。大盛りを頼んだかと思ったが、よく見るとアキラの前にはプラスチックの深い丼が二つ並んでいた。まさかの二つ。本当にどんだけ食うんだ。
狗神は亮太と同じ普通の物だった。亮太がプラスチックの透明の蓋をカパッと開けてやると、ホカホカと美味しそうな湯気が立ち昇った。
「ではいただきます!」
アキラは一人だけ早く大きな声でそう言うと、待ちきれないとばかりにひとつ目の釜飯を抱える様にして食べ始めた。
「いただきます」
亮太も手を合わせて言った。
アキラはかっこむ様にして食べている。狗神は静かにお上品に食べている。この人間と犬の差。亮太が呆気にとられている間に、アキラはひとつ目の釜飯を早くも完食した。一分かかってないんじゃないか。アキラが亮太に偉そうに言った。
「亮太、冷めるから早く食べたら」
「お、おお」
亮太は素直にその言葉に従うことにした。アキラのこの食いっぷりは、もう驚き以外の何ものでもなかったが、見ていて何が変わる訳でもない。自分の食事に専念しよう、そうしよう。
亮太は自分の釜飯を食べ始めた。もぐもぐとよく噛みながら、改めてアキラと狗神を見る。
こういう風に誰かとひとつのテーブルを囲んで毎日食事をする日がまた来るなど、全く思っていなかった。これもいつまで続くかは分からないが、そう悪いものでもない、そんな気がした。
そこまでつらつらと考えて、自分は寂しかったのだという事実に亮太は今更ながらに気が付いた。一人が気ままでいい、なんて周りには言っていたが、やはり母が亡くなったのは亮太の中では大きかった。近くにいるただ一人の、亮太をよく知る人がこの世から居なくなってしまったことに対する喪失感とも恐怖とも言えるこの感覚。
勿論アキラも狗神も亮太のことなど殆ど知らない他人だ。母とは比べ物にならない、というか母より亮太を知る人間など今後現れない可能性の方が高い。
それでも。
「……何ニヤけてんの」
アキラが気味悪そうに顔を顰めながら聞いてきた。
「ニヤけてねえ」
「ニヤけてた」
「元々こういう顔だ」
「そんな顔でよくそんなこと言えるね」
「うるせえな」
ポンポン言い合う亮太とアキラをじっと見た狗神がひと言。
「静かに食べましょうね」
「……はい」
また黙々と食べ始めた亮太だった。釜飯を口に運びながらぼんやりと空中を見ていると、そういえば昨日雨で室内に干しておいた洗濯物がない。きょろ、と探すと、開いた押し入れの上の段に亮太の服がきちんと畳まれてあった。どうやら畳んでおいてくれたらしい。そんなことに、亮太はまたジン、としてしまった。これは純粋に嬉しかった。
たった今言い合ったアキラを見ると、アキラが「なに?」という表情で見返してきた。やはりちょいちょい腹が立つが、畳んでくれた礼は言わないと家主としては拙いだろう。
「洗濯物」
「が、どうしたの」
「畳んでくれて、ありがとう」
すると、釜飯を食べ終わった狗神が口を開いた。
「どういたしま」
またガチン! と狗神の口がアキラの両手で押さえられた。痛そうだが大丈夫だろうか。狗神は口を開こうとムガムガ言っているが、アキラは全力でそれを止めていた。さっきからこいつ、一体どうしたんだろうか。
「アキラ、イヌガミが痛そうだぞ。そんな押さえちゃ可哀想だろ」
アキラが亮太を無言で睨み返してきた。いやいや、礼を言ったのに何故睨み返されなきゃいけないんだ。圧が凄い。
亮太はささやかな抵抗を試みた。
「ど、動物虐待反対」
「うるさい!」
怒鳴られた。アキラは亮太に一瞥をくれた後、狗神を半眼で無言のままジッと見つめた。まあ、この二人の間には亮太の知らない時間がある。もう放っておこう。
亮太は釜飯に集中することにした。よく見たら、亮太以外は皆完食していた。片付けたら洗濯物を干して、それから夕飯の買い出しに行こう、そうしよう。
一人静かに食事を終わらすべく口に運びつつアキラと狗神の様子を窺うと、どうやら狗神が折れたらしい。何に折れたのかは分からないが、どうやら力関係は主人と呼ばれるだけあってアキラの方が上の様だった。しょんぼりした狗神が空になった皿を口に咥えてトボトボと台所に向かっていった。
可哀想に。そう思ったが、アキラの目つきが怖いままなので亮太はそれ以上のコメントを控えることにした。
「アキラ」
「なに」
まだ声が怒っている。いや待て待て、何でこんな小娘に亮太はびびっているのか。いや、びびってなどいない、遠慮しているのだ。いやいや遠慮も違う、なんだ? そう、配慮だ配慮。
「夜は何食いたい?」
亮太がそう聞いた途端、アキラの顔がパッと明るくなった。非常に分かりやすくて結構なことだ。
「とんかつ! キャベツモリモリ!」
「とんかつ? うちは油切りのポットがないから無理だな」
「お惣菜買えばいいじゃない」
「惣菜は高く付く」
「じゃあ油切りのポットを買えばいい」
「うーん」
店では揚げ物はするので、別に調理に問題はない。ただ、今まで独り暮らしだったので揚げ物を家でする機会がなかった。だがまあ、よく食べるアキラの食を満たすには揚げ物のレパートリーを増やすのはいい案かもしれない。
五徳の下のスペースには空きもある。何とかなるだろう。
「じゃあポットを探してくるついでに材料も買ってくるから、洗濯物干すのは任せられるか?」
「任せて。とんかつの為なら何でもする」
アキラが深く頷いてみせた。成程、アキラは食べ物で釣ればいいのだな、と亮太は悟った。今度こっそり餌になりそうな物を用意して隠しておこう、そう思った。そういえばチー鱈を渡していない。あれをご褒美に使おう。
亮太は釜飯の残りをかっこむと、手を合わせてご馳走様をした。アキラと手分けしてテーブルと台所を片付け、完了。
台所の床に置いてあるゴミ箱をふと見ると、チー鱈の空の袋が捨てられていた。
こいつ、勝手に食いやがった。
亮太はアキラを呆れて見たが、また「なに」という顔をされたので首を振って見なかったことにした。
歯磨きを済まし、髪を何となく整えて、上にデニムシャツを羽織った亮太はクロックスもどきをつっかけると家にいる二人に声をかけた。
「じゃあ洗濯物宜しくなー」
「んー」
「お任せ下さいませ」
狗神までしっかり請け負ってくれたのが可愛くて、亮太は微笑みながら家を後にした。
◇
困った時はスーパーD。
亮太の鉄則ルールである。若干高いが、確実に欲しい物が揃う。エスカレーターで上に向かい、調理道具売り場に行くとすぐに油切りのポットが見つかった。家にコーヒーフィルターがあるので、紙はあれを代用すれば問題ないだろう。
次は一階で食材だ。とんかつの肉は高いは高いが、叩いて伸ばせば大きくなる。間にチーズを入れると邪道だろうか。そうだ、豚汁も作ろう。アキラはもう少し野菜をしっかり摂った方がいい。
今日の献立をあれこれ考えながら野菜コーナーでにらめっこしていると、横にいた中年女性が怪訝そうな顔で亮太をちら見し、次いでクスリと笑って去っていった。今、何故笑われた? 亮太は訳が分からず少し考え、――そして自分がいつの間にか鼻歌を歌っていたことに気が付いた。
四十路も半ばのおっさんがスーパーで野菜とにらめっこしながら鼻歌を歌っていれば、そりゃあ笑われるだろう。亮太は少し恥ずかしくなってしまい、気を引き締めることにした。こんな姿、知り合いにでも見られたら恥ずかしくて耐えられない。
亮太は急いで買い物を済ますと、足早に帰路についた。
玄関のドアをガチャガチャと開け、さっさと中に入る。もう洗濯機は止まったのだろうか。部屋を覗くとアキラも狗神もおらず、外の物干しスペースへと続くドアが半開きになっている。ちゃんと干せるのだろうかと不安になった亮太は、荷物を台所に置くと物干しスペースへと向かった。
話し声が聞こえる。亮太はドアから顔を外に出した。
「アキラ、ハンガー足り……」
「わあ! 亮太!」
そこに居たのは、シャツを持ったアキラと、若い男だった。物凄いイケメンが、真顔で亮太を見返していた。
アキラが大慌てで言い訳を始めた。
「あの、亮太、これはそのっ!」
亮太が唖然としながら男を見ると、手に持っているのは亮太のパンツだった。黒のボクサーパンツである。トランクスはどうもスースーして落ち着かず、ブリーフは時折尻に食い込むのがむずむずしてしまうので、亮太はボクサーパンツ派であった。
その亮太のパンツを、見知らぬ男が持っている。
そして、男の着ている服には違和感があった。おかしい。そう、こいつが着ているのは和服だ、上は白、下は水色っぽい袴。禰宜の格好じゃないか。
「な……何で知らない男が俺のパンツを干してるんだ……?」
混乱した亮太は、素朴な疑問を口にしたのだった。
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