41 / 58
同じ釜の飯を食うて、水魚の交わる間柄となる
【41】
しおりを挟む
「最初こそ主人の頼みでしたが、今は店員という形で人と関われることを楽しんでいますの。正直に申し上げますと、当初は蓬様のお店で働きたいと思い、おむすびについて学びましたの。ですが、お店の手伝いは不要と固辞されてしまいまして……。場所やお店は違いますが、その時に蓄えた知識を披露する機会に巡り合えて本当に良かったですわ。ただそうは言いましても、まだまだ閑古鳥が鳴いておりまして……。あやかししか来ておりません……」
「このお店は中央通りの飲食店街から少し離れているので、なかなか見つけづらいのかもしれませんね。私もハルに案内されなければ見つけられませんでした」
図書館も面している広い中央通りは駅と直結していることもあって、飲食店や商業施設が集中していた。駅の中にも飲食店街が展開されているので、そこで食事を済ませてしまう人も多いのだろう。
駅から外に出ればすぐ目の前に飲食店が軒を連ねているので、そっちに目を引かれてしまうというのもあるかもしれない。
中央通りから少し外れる路地に建つこの店まで辿りつく者があまりいないのだろう。
「そうですわね。ここに来るあやかしというのも、ハルちゃんがどこからか連れて来て下さる方か私どもの知人ばかりですの。人に来てもらうには、もっと人について知る必要がありますわ。人がどんなことを考え、行動をするのかも把握しなくてはなりません」
「それならもっと宣伝に力を入れてみましょう。インターネットを利用してブログや口コミサイトで情報を発信するだけでも目につきやすいと思いますよ。それを見て興味を持った人たちがお店に来て、その人たちが自分のブログや口コミサイトでお店を取り上げる。今度はそれを読んだ人たちがお店に訪れるようになって……って、それが続けば、自然と客も増えますから」
「そうなのですね。ですが、私や主人、店主もインターネットには疎いものでして……。インターネットに詳しいあやかしに頼まなければなりませんね……」
金魚は悩み始めてしまったが、やがて「そうですわ!」と何かを閃いたようだった。
「莉亜さんがこの店を宣伝してくださればいいのですわ! 莉亜さんは人の世に詳しいようですし、きっと私どもよりインターネットにも熟達されているかと存じます」
「えっ!? 私はブログをやっていないので……」
本当は莉亜の推しキャラクターである忍さまこと花房忍に関する情報取集用兼布教用のブログはあるのだが、それを教えるのもどこか気恥ずかしい。だが今時の人間ながらブログをやっていないというのも、逆に怪しまれて深堀されるかもしれない。
どう言い訳しようか莉亜が視線を彷徨わせながら考えていると、金魚は微笑する。
「謙遜しないでくださいませ。見たところ、人の世に住んで長いようですし、私どもかくりよから移住してきたあやかしより、人の生活に馴染んでいるようですわ。初めてお会いした時から、とても垢抜けた方と思っていましたのよ。あやかしの妖力を完全に隠して、人に変化されておりましたもの。最初は人と見間違えましたわ。うちの子供たちにも莉亜さんの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいですのよ」
どうやら金魚は莉亜のことを、人の世に長く住んでいるあやかしだと思っているらしい。人間に化けているのではなく、元々人間なので化けようもないのだが、金魚がしきりに褒めるので訂正しづらい。それとも今後また蓬の店で会った時に備えて、ここは正体を隠しておいた方がいいのだろうか。
ここは話題を変えるためにも、お店を宣伝することを約束した方がいいかもしれない。
「ブログはやったことが無いので、記事として投稿するまで時間が掛かるかもしれませんが、大学……人間の友人たちに宣伝してみますね」
「ありがとうございます。それでは店内にどうぞ。店内飲食とお持ち帰りのどちらになさいます?」
「じゃあ、店内でお願いします」
金魚に案内された店内は小さいながらも、カウンター席とテーブル席がそれぞれ数席ずつ並んでいた。莉亜の他に客がいなかったからか、好きな席に座るように勧められたので、カウンターに寝転がったハルの隣に腰掛ける。莉亜たちが外で話している間に、ハルはすっかり寛いでいたらしい。白いお腹を見せて伸びのポーズをしていたので、片手で柔らかな白毛を撫でながらメニュー表に目を通したのだった。
(そういえば、蓬さんのお店以外のおにぎり屋さんに来るのは初めてかも)
蓬のお店のメニューは塩おにぎり一択だったが、ここのお店は色んな具材のおにぎりを選べるようだった。定番の梅、昆布、鮭、ツナマヨネーズ、おかか、いくら、辛子明太子、野沢菜、高菜などを始め、野沢菜、カルビ、紫蘇、海老マヨネーズ、牛そぼろ、たまご、すじこなどがあった。またメニューの中に塩もあったが、塩については海苔の有無も選べるらしい。
「品数はいかがでしょうか。人の世のおにぎり屋を複数件調べて、今の品数になりましたの」
どれがいいか迷っていると、お茶が入った湯呑みを運んできた金魚が気遣うように声を掛けてくれる。立ち昇る香りから中身は黒豆茶だろうか。
「たくさんあるので何にしようか迷いますね……。オススメはありますか?」
「蓬様のおむすびを食べ慣れている莉亜様に申し上げるのはお恥ずかしいことではありますが……。塩おむすびが当店自慢のおむすびですわ」
金魚の話によれば、ここで提供している米や塩、海苔、各具材は店主が直接生産者の元に足を運んで厳選したものを使用しているらしい。
とりわけ米と塩の組み合わせにはかなりこだわったそうで、匂いや見た目以外にも口に入れた時の味や食感、後味までを考え抜き、何度も試作を重ねた結果、今の米と塩を選んだとのことだった。それらを直に味わえる塩おにぎりは店主の自慢の一品であり、このお店のオススメでもあるという。
せっかくなので、莉亜はオススメという塩おにぎりを海苔なしで頼み、他にも大好物の鮭のおにぎりを頼んだのだった。
店主が店内の厨房で用意をしている間、金魚から店内飲食を利用の際には味噌汁がサービスとして付くことを聞かされる。具材は日替わりらしいが、仕入れの業者――あやかしが担当しているらしい、から安く購入したものを使っていると密かに教えてもらったのだった。
そうして金魚も店の奥に引っ込むと、莉亜は店内を見渡す。昔から建っていた建物を改装したのか、外観は多少古ぼけていたものの、内装は比較的白い壁や新しいカウンターやテーブルが印象的であった。ハルが寝転んでもカウンターから落ちないということは、カウンター自体もサイズが大きく作られているのかもしれない。それなら椅子の並べ方次第ではゆったりと座れそうだった。
今後昼食や夕食時に店内飲食をする者が増えて、カウンター席に並んで座ることを考えた場合、隣席との距離が近いと食事している最中に肘や身体がぶつかることもあるだろう。カウンターの椅子もあまり高さがあると、子供のように身長が低い人や体重が軽い人が座ろうとした時にひっくり返ってしまうかもしれない。
最初からある程度、カウンター席同士のスペースを開けておけば、ベビーカーで来た人やスーツケースなどの大荷物を持って来た人たちが荷物を置いて寛げるだろう。
また店近くの中央通りは駅と繋がっているので、観光客を始めとする旅行、出張帰りの地元民などの利用も想定した方が良い。宿泊先や自宅に戻ってから食事の用意をするのが手間と考えて、店内飲食をする人も少なからずいるだろう。
持ち帰りも出来るとのことだったので、そういった人たちが持ち帰りで購入することも想定するのなら、持ち帰りを注文した客が待つ場所や商品の受け渡し専用のレジカウンターもあると、混雑時も混乱せずに済むに違いない。
また店内には少しながらテーブル席もあるので、小さい子供を連れた家族や学生などの友人同士、昼休憩中の会社員同士でも訪れやすいように思う。案外、図書館帰りのママ友たちをターゲットに、小さな子供連れでも入れる店としてここを提供するのもありかもしれない。
「このお店は中央通りの飲食店街から少し離れているので、なかなか見つけづらいのかもしれませんね。私もハルに案内されなければ見つけられませんでした」
図書館も面している広い中央通りは駅と直結していることもあって、飲食店や商業施設が集中していた。駅の中にも飲食店街が展開されているので、そこで食事を済ませてしまう人も多いのだろう。
駅から外に出ればすぐ目の前に飲食店が軒を連ねているので、そっちに目を引かれてしまうというのもあるかもしれない。
中央通りから少し外れる路地に建つこの店まで辿りつく者があまりいないのだろう。
「そうですわね。ここに来るあやかしというのも、ハルちゃんがどこからか連れて来て下さる方か私どもの知人ばかりですの。人に来てもらうには、もっと人について知る必要がありますわ。人がどんなことを考え、行動をするのかも把握しなくてはなりません」
「それならもっと宣伝に力を入れてみましょう。インターネットを利用してブログや口コミサイトで情報を発信するだけでも目につきやすいと思いますよ。それを見て興味を持った人たちがお店に来て、その人たちが自分のブログや口コミサイトでお店を取り上げる。今度はそれを読んだ人たちがお店に訪れるようになって……って、それが続けば、自然と客も増えますから」
「そうなのですね。ですが、私や主人、店主もインターネットには疎いものでして……。インターネットに詳しいあやかしに頼まなければなりませんね……」
金魚は悩み始めてしまったが、やがて「そうですわ!」と何かを閃いたようだった。
「莉亜さんがこの店を宣伝してくださればいいのですわ! 莉亜さんは人の世に詳しいようですし、きっと私どもよりインターネットにも熟達されているかと存じます」
「えっ!? 私はブログをやっていないので……」
本当は莉亜の推しキャラクターである忍さまこと花房忍に関する情報取集用兼布教用のブログはあるのだが、それを教えるのもどこか気恥ずかしい。だが今時の人間ながらブログをやっていないというのも、逆に怪しまれて深堀されるかもしれない。
どう言い訳しようか莉亜が視線を彷徨わせながら考えていると、金魚は微笑する。
「謙遜しないでくださいませ。見たところ、人の世に住んで長いようですし、私どもかくりよから移住してきたあやかしより、人の生活に馴染んでいるようですわ。初めてお会いした時から、とても垢抜けた方と思っていましたのよ。あやかしの妖力を完全に隠して、人に変化されておりましたもの。最初は人と見間違えましたわ。うちの子供たちにも莉亜さんの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいですのよ」
どうやら金魚は莉亜のことを、人の世に長く住んでいるあやかしだと思っているらしい。人間に化けているのではなく、元々人間なので化けようもないのだが、金魚がしきりに褒めるので訂正しづらい。それとも今後また蓬の店で会った時に備えて、ここは正体を隠しておいた方がいいのだろうか。
ここは話題を変えるためにも、お店を宣伝することを約束した方がいいかもしれない。
「ブログはやったことが無いので、記事として投稿するまで時間が掛かるかもしれませんが、大学……人間の友人たちに宣伝してみますね」
「ありがとうございます。それでは店内にどうぞ。店内飲食とお持ち帰りのどちらになさいます?」
「じゃあ、店内でお願いします」
金魚に案内された店内は小さいながらも、カウンター席とテーブル席がそれぞれ数席ずつ並んでいた。莉亜の他に客がいなかったからか、好きな席に座るように勧められたので、カウンターに寝転がったハルの隣に腰掛ける。莉亜たちが外で話している間に、ハルはすっかり寛いでいたらしい。白いお腹を見せて伸びのポーズをしていたので、片手で柔らかな白毛を撫でながらメニュー表に目を通したのだった。
(そういえば、蓬さんのお店以外のおにぎり屋さんに来るのは初めてかも)
蓬のお店のメニューは塩おにぎり一択だったが、ここのお店は色んな具材のおにぎりを選べるようだった。定番の梅、昆布、鮭、ツナマヨネーズ、おかか、いくら、辛子明太子、野沢菜、高菜などを始め、野沢菜、カルビ、紫蘇、海老マヨネーズ、牛そぼろ、たまご、すじこなどがあった。またメニューの中に塩もあったが、塩については海苔の有無も選べるらしい。
「品数はいかがでしょうか。人の世のおにぎり屋を複数件調べて、今の品数になりましたの」
どれがいいか迷っていると、お茶が入った湯呑みを運んできた金魚が気遣うように声を掛けてくれる。立ち昇る香りから中身は黒豆茶だろうか。
「たくさんあるので何にしようか迷いますね……。オススメはありますか?」
「蓬様のおむすびを食べ慣れている莉亜様に申し上げるのはお恥ずかしいことではありますが……。塩おむすびが当店自慢のおむすびですわ」
金魚の話によれば、ここで提供している米や塩、海苔、各具材は店主が直接生産者の元に足を運んで厳選したものを使用しているらしい。
とりわけ米と塩の組み合わせにはかなりこだわったそうで、匂いや見た目以外にも口に入れた時の味や食感、後味までを考え抜き、何度も試作を重ねた結果、今の米と塩を選んだとのことだった。それらを直に味わえる塩おにぎりは店主の自慢の一品であり、このお店のオススメでもあるという。
せっかくなので、莉亜はオススメという塩おにぎりを海苔なしで頼み、他にも大好物の鮭のおにぎりを頼んだのだった。
店主が店内の厨房で用意をしている間、金魚から店内飲食を利用の際には味噌汁がサービスとして付くことを聞かされる。具材は日替わりらしいが、仕入れの業者――あやかしが担当しているらしい、から安く購入したものを使っていると密かに教えてもらったのだった。
そうして金魚も店の奥に引っ込むと、莉亜は店内を見渡す。昔から建っていた建物を改装したのか、外観は多少古ぼけていたものの、内装は比較的白い壁や新しいカウンターやテーブルが印象的であった。ハルが寝転んでもカウンターから落ちないということは、カウンター自体もサイズが大きく作られているのかもしれない。それなら椅子の並べ方次第ではゆったりと座れそうだった。
今後昼食や夕食時に店内飲食をする者が増えて、カウンター席に並んで座ることを考えた場合、隣席との距離が近いと食事している最中に肘や身体がぶつかることもあるだろう。カウンターの椅子もあまり高さがあると、子供のように身長が低い人や体重が軽い人が座ろうとした時にひっくり返ってしまうかもしれない。
最初からある程度、カウンター席同士のスペースを開けておけば、ベビーカーで来た人やスーツケースなどの大荷物を持って来た人たちが荷物を置いて寛げるだろう。
また店近くの中央通りは駅と繋がっているので、観光客を始めとする旅行、出張帰りの地元民などの利用も想定した方が良い。宿泊先や自宅に戻ってから食事の用意をするのが手間と考えて、店内飲食をする人も少なからずいるだろう。
持ち帰りも出来るとのことだったので、そういった人たちが持ち帰りで購入することも想定するのなら、持ち帰りを注文した客が待つ場所や商品の受け渡し専用のレジカウンターもあると、混雑時も混乱せずに済むに違いない。
また店内には少しながらテーブル席もあるので、小さい子供を連れた家族や学生などの友人同士、昼休憩中の会社員同士でも訪れやすいように思う。案外、図書館帰りのママ友たちをターゲットに、小さな子供連れでも入れる店としてここを提供するのもありかもしれない。
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる